「あの子死んだ?」15歳少女による無差別殺人未遂事件で被害者2人重症
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15歳少女による少年犯罪
8月20日中学3年生少女による恐ろしい事件がおこった。
東京都渋谷区の路上で、中学3年生の女子生徒が面識のない母娘を包丁で刺して重傷を負わせた。
警察は女子生徒を殺人未遂の容疑で現行犯逮捕。刺された被害者の母親は、両肩と腹・背中を4カ所刺された。
一緒に被害にあった娘の刺し傷は、深いところで背中に10センチに達していたという。
2人はすぐに病院全治3ヵ月の重傷を負った。犯行後女子生徒は、私服姿でポケットに折りたたみナイフと果物ナイフを入れた状態で歩いているところを、近くの飲食店従業員の男性のよって取り押さえられた。

警察の調べによると…
警察の発表によると、女子生徒は「死刑になりたくて、たまたま見つけた2人を刺した」と、容疑を認めている。
調べに対して容疑者は「自分の母親と弟を殺すための予行練習だった。
本当に自分が人を殺せるのか確かめたかった。」と供述。また人を殺せる場所を探していたと話しており、無差別に人を殺そうとしていた可能性が高いとみて捜査が続けられている。
事件の当日、女子生徒は昼過ぎに自宅を出てJR新宿駅で下車し、歩いて現場に向かったという。
そして被害者親子は、この日渋谷を訪れた後に帰宅途中で駅に向かっている最中の悲劇であった。

事件当日の様子
事件を目撃した人は次のように様子を語っている。
「最初外が騒がしく、酔っ払いが叫んで暴れているんだと思ったが、悲鳴が2回聞こえておかしいと思った」男性が様子を見にベランダにでると、娘が血を流して倒れており、母親が「110番して」と叫びながら、ナイフをもった女子生徒に応戦していたという。
その後すぐに近くの飲食店の従業員が飛び出してきて少女を母親から離し、ナイフを取り上げた。そして通行人数人で少女を抑えたが、少女は暴れもせずに無表情のまま「あの子死んだ?」とうわ言のようにいっていたそうだ。
事件発生から10分ほどで警察官が駆け付け、その後さらに10分ほどしてから救急車が到着し2人は病院に運ばれた。
目撃した男性によると少女は「どこにでもいそうな普通の少女に見えた。だからこんな事件になってびっくりしている」と話していた。
家庭環境に問題があったのか
女子生徒と家族の間でトラブルがあったのかどうかは、現在未定。
しかし動機について「母親を殺そうと思ったのは最近。機嫌が悪くなると、すぐに態度に出る母親の嫌いな癖に、自分が似てきたので母を殺そうと思った」と話しているという。
警視庁は、動機についてさらに詳しく調べている。
被害者と容疑者との間に一切の面識はなく、“たまたま見かけた人”がターゲットになった今回の事件。テレビでも著名人が多くのコメントを残している。

著名人も少女の“異常性”を語る
元大阪府知事の弁護士 橋本さんはテレビで次のようなコメントを残した。
「詳しいことはこれからになるんだろうけど、異常性というのか際立っていますよね。精神的な何か異常さがあったのかは、これから鑑定すると思います。
ただ単に素行不良の延長とは思えないので、母親を殺したいからその試しでやったということであれば、相当家庭環境に問題があったのか。
15歳の少女ということもあるので、生まれてから今に至るまでの話を聞いて、家庭内の状況や事情をしっかり聞く必要があると思います」と自身の見解を述べていた。
少年法改正でも、守られる加害者
2022年4月1日に少年法が改正され、20歳未満の少年が事件を起こした場合の処分や手続き法が変わった。
今まで20歳以上の大人は事件を起こしたら刑罰、しかし20歳未満の少年少女は刑罰を与えるよりも立ち直りを重視する少年法であった。
しかし20歳未満の事件も増え、さらに成人年齢が18歳に引き下げになったことにより、少年法も改正。18歳と19歳は「特定少年」と位置づけ、保護の対象であるとともに17歳以下とは区別した取り扱いに変わった。
しかし今回のような15歳の少女による事件は「少年法」に基づき、刑罰ではなく立ち直るための措置が取られます。
少年法では立ち直りの妨げにならないように、事件を起こした本人の個人情報を報じることが禁止されています。
少年犯罪の被害者遺族の気持ち
少年法で守られた加害者は、立ち直りを重視するため世間に公表されることもなく、刑罰をうけることがありません。
少年犯罪の被害者遺族はやるせない気持ちをかかえているという。
実際に事件の被害者遺族の中には、今後自分と同じ思いをする人がでないためにも、少年法の改正や被害者の権利の拡大などに取り組んでいる人もいる。
今回のような少年犯罪は、事件を起こした少女は立ち直りを重視され個人情報は守られる。
一方で被害にあった人たちは消えない心の傷を負うことになるだろう。少年法に対して賛否両論あるが、とにかく今回の事件の動機をはっきりさせることが、まずは大事なのではないだろうか。
