円相場 一時1ドル=140円台前半まで急激に下落

24年ぶりの円安水準まで値下がり

24年ぶりの円安水準まで値下がり

日本円が急速なペースで下落している。

ドル円相場は、2021年の初めにおいては1ドル=104円台だったが、2日の東京外国為替市場では円安がさらに加速し、円相場は1ドル=140円台前半まで下落した。

1998年8月以来、24年ぶりの円安水準まで下落している形だ。

前日に発表されたアメリカの経済指標が予想を上回ったことを受けて、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)がアメリカの利上げペースが加速するという見方が広がったためである。

現在、市場では円を売ってドルを買う動きが広がっている。

1ドル=140円台前半まで急激に下落
急激な円安が進む

日米の金利差が拡大していく

連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、アメリカで行われた経済シンポジウムのジャクソンホール会議内でアメリカ史上最悪と言われるインフレーションを抑え込むため、金融引き締めについて「絶対にやり遂げる」と強い姿勢を示した。

そして6月と7月の金融政策を決める会合で、0.75%の大幅な利上げを連続で決めた。

大幅な利上げを連続で行うのは1980年代に当時のFRB議長のボルカー氏がインフレを封じ込めたとき以来40年ぶりだと言われている。

一方で日本銀行の黒田総裁は同会合で「金融緩和以外の対策はない」と金融緩和で金利を抑え続ける姿勢を示した。

米国で金利が上がり、日本は金利が低いままであれば、アメリカドルで資金を運用した方がより多くの利益が出るとして、円を売ってドルを買う動きが強まっている。

市場関係者は「FRBのパウエル議長が利上げを続ける姿勢を示して以降、日本の金融引き締めの長期化に警戒感が強まっていることも円相場の値下がりにつながっている。円安がどこまで進むか分からない状態」と話している。

国民は円安をどう思っているのか?

東京商工リサーチが行った調査によると、円安が、経営にマイナスと答えた企業は、48・7%と半数を占めた。

6月にも同じ内容の調査を行ったが(1ドル=130円前後)から約2パーセントほど悪化した。

円安がプラスと評価する企業は3・2%にとどまった。

マイナスの影響があると答えた企業の多くは、「原材料の輸入コストが増えている」と回答している。

ユニクロを代表とするファーストリテイリング社の柳井正社長は、「円安の良さはまったくない」として、現在の円安相場は望ましいものではないとしている。

一般人もやばいと思っている
一般人もやばいと思っている

世界ではもはや日本製品を買わない

通常円安は、海外に製品を輸出する企業や海外で事業を展開する企業にとっては利益を押し上げるメリットがあるが、現在は現地に工場を置く会社が多い為、恩恵にあやかれていない企業が多いようである。

90年代以降、日本の製造業は高付加価値へのシフトを思うように進められず、韓国や台湾、中国などと価格競争せざるを得ない状況になった。

その結果、海外移転を急ピッチで進め、日本国内での企業の空洞化が一気に進んだ。

海外に設立した現地法人が受け取った外貨はそのまま外国で蓄えられ、日本には送金されないので、以前のような輸出企業による円買いはなくなってきている。

そして海外では日本の製品を購入しないだけでなく、海外の投資家も日本円を買わなくなっている。

日本円も買わないため、追い込まれる状況に

日本は、中国に追い抜かれるまで世界第2位の経済大国であり、ドルに次ぐ安全資産として円を持っておきたいと考える投資家は少なくなかった。

日本円に対しては、一定の買い需要があったのだが、日本経済の低下とともに、こうした需要も減ってきた。

円買いがなくなったタイミングで、日米の金利格差が拡がった要因が重なったことで、今回は急速なペースで円安が進んでいる。

市場関係者は「パウエル議長が企業や一般家庭を犠牲にしてでも金利を引き上げるという強い姿勢を示すなかで日銀が今後どのような対応をとるのかに関心が高まっている」と語っている。

松野官房長官「市場の動向 高い緊張感持って注視」

閣議のあとに開かれた記者会見で、松野官房長官は「為替相場は安定的に推移することが重要であり、急速な変動は望ましくない。最近では相場の変動が高まっており、政府としては市場の動向を緊張感を持って注視していく」と述べているが、具体的な対応策に関しては発表されなかった。

これまでに何も対策がなかった為、今回も日本政府は円安について何もしないのではないかという見解が広まっている。

松野官房長官「市場の動向 高い緊張感持って注視」
会見に臨む松野官房長官

日銀のこれからの対応は?

日銀は量的緩和策を続けていて、1ドル=140円台前半になった今でも金融政策を変更する方針は発表していない。

金融政策を変えるどころか、指し値オペという一定以上の金利になった場合、無制限で国債を買い取って金利を抑制する措置などを実施するなど、いかなる手段を使ってでも緩和策を継続するという強い姿勢が感じられる。

日本は低金利を死守することでお金の大量供給を続けている状態なので、円の価値が下がり円安が進みやすくなるのが現状である。

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