社会・文化

2024年秋に紙の健康保険証廃止! マイナンバーカードと一体化へ

マイナンバーカードの申請率は上昇の兆し

10月11日、日本政府が2024年秋に紙の健康保険証を廃止する方向で調整を行っており、13日に正式発表する見通しであることが明らかになった。

2021年10月からは、マイナンバーカードを保険証として利用できる“マイナ保険証”の導入が始まっていたが、今回の発表によると紙の保険証を全て廃止し、マイナ保険証に一本化する方針だという。

国民一人ひとりに個人番号を割り当てることで個人を特定し、自治体の証明書の発行などに使えるようになるマイナンバー制度が始まったのは2016年。

行政の効率化や利便性の向上、公平公正な社会の実現などを目的として制度が始まってから、6年が経過。

制度の開始と同時に、政府は身分証明書としても使用できるマイナンバーカードの取得も呼びかけてきたが、取得率は低迷。

政府は2023年3月末までに、ほぼ全国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標に掲げ、カードの新規取得者などにポイントを付与する“マイナポイント”を導入する対策やキャンペーンを講じ、徐々に取得率は上がってはきている。

10月4日は、寺田稔総務大臣から、マイナンバーカードの申請件数が7千万件を超え、人口に対しての取得率が55%に達したと発表されていた。

7月中旬に申請率が6千万件を超えたので、わずか3カ月足らずで約1千万人増えたことになる。

5千万件から6千万件までは1年以上かかっているので、申請のペースは早まってきていることは確かなようだ。

ちなみに、実際申請者の手元にカードが渡った交付率は、10月2日時点で49%となっている。

マイナンバーカードの申請率

マイナンバーカードの取得率向上に躍起

複数の政府・与党関係者によると、政府は紙の保険証を2024年秋にも原則として廃止する方針で検討しており、在留カードとマイナンバーカードを一本化する準備も進めているとのこと。

さらに、運転免許証との一体化についても、2024年末までに実現させる目標のさらなる前倒しが可能かどうかも検討中だという。

13日に河野太郎デジタル大臣が以上の方針を発表する予定だが、これが実現すれば実質的にマイナンバーカードが義務化されることになる。

前述したように、マイナポイントの導入などにより取得率は上がってきてはいるが、取得に手間や時間がかかることや、個人情報の流出を不安に感じる声なども根強くあり、全国民の取得には程遠い状態。

9月29日には、岸田文雄首相が地方自治体ごとのマイナンバーカードの取得率を支給要件として、地方のデジタル化を促す交付金支給の創設を表明していた。

これに対し、山本一太群馬県知事らから「マイナンバー制度は国の制度であるので、国が責任を負うべき」「上からの恫喝だ」などと反発の声が上がったばかりである。

取得率向上に躍起

マイナンバーカード義務化に反発する声

今回の紙の保険証廃止が報じられたことを受け、マイナンバーカード反対派からは否定的な意見が殺到している。

マイナンバーカードには個人情報の流出や銀行口座との紐づけによる不安な点が指摘されている。

インターネット上には「そんなの国民がいつ望んだんだよ!」「強制ではなかったはずなのに、いつの間にこうなった」などの声が溢れている。

ほかにも「個人情報漏えいの恐れはないのか?」「持ち歩くのが怖い」など不安な心情をも書き込まれている。

健康保険証や運転免許証と一体化されるということは、必然的に普段から持ち歩かなければならないことになる。

紛失や悪用のリスクも高くなるため、不安に思うのも当然であろう。

政府はマイナンバーカードのパンフレット等で、「マイナカードを見られても、悪用するのは困難」だとして周知を図ってはいるが、絶対に悪用されないという保証はない。マイナンバーカードの普及を目指すのであれば、義務化するという強引なやり方ではなくて、国民の不安を取り除き、理解が得られるように丁寧な説明や働き方が必要なのではないだろうか。

反発する声

今後の動向に注目

マイナンバーは日本に住民票がある全ての国民一人ひとりに割り振られた12桁の番号。

税務署類などの公的な書類の発行や銀行への届出などに必要なので、マイナンバーカードを持っていれば、いざ必要になったときに慌てることはない。

また、住民票などの証明書の発行が必要な際に、わざわざ役所に行かなくてもコンビニでいつでも発行できる便利さもある。

そして、運転免許証やパスポートなどを持たない人には身分証明の際に役立つし、健康保険証や運転免許証など何枚もカードを持たなくてもマイナンバーカード1枚で済むという手軽さもある。

悪用などの不安や危険性はあるが、一人ひとりがしっかりと管理すればリスクはかなり減らせるはず。

つまり、国民にとってもメリットはあるのである。

政府はマイナンバーカードカードの交付を急ぐ前に、こうしたメリットをもっと具体的かつ丁寧に説明し、不安を取り除く工夫をすることが求められているのではないだろうか。

政治に不信感を持つ人が多い中、また強引なやり方で国民の気持ちを置き去りにしないことを願いたい。

13日に正式な発表があるとされているが、手続きについてもどのように進められるのか、その後の動向にも注目していきたい。

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