WBC後も大谷が大活躍 エンゼルスで「トラウタニ」弾
WBCワールドベースボールクラシックでMVPとなり日本代表を3大会ぶりの世界一へと牽引した大谷翔平が、メジャーリーグのエンゼルスに戻ってからも絶好調だ。
4月2日(日本時間3日)、アスレチックス戦に3番指名打者で出場し、今季第1号となる136メートルの特大アーチを放った。
昨季34本、一昨季は46本だった本塁打数が今季はどこまで伸びるのか注目される。

今季第1号ホームランはバックスクリーンへ
5回無死、走者なし、5点リードの場面で大谷は打席に入った。
左腕ウォルディチャックの初球、内角低めのスライダーをうまく捉えると、打球はセンターへ。
バックスクリーンへの今季第1号ホームラン。
大谷はベンチに戻るとチームメイトが用意した麦わら帽子をかぶせられ、祝福を受けた。
直前にはトラウトもバックスクリーンへの本塁打を放っており、WBCの決勝で最後に対決した二人が連続本塁打で共演。
実況は「バックトゥーバック!」と連続本塁打を興奮気味に伝え、SNSでは「アベック弾最高だった」、「朝からリアルタイムで大谷のホームランテレビで見られて幸せ」といったコメントが寄せられた。
実は、大谷がかぶせられた麦わら帽子はトラウトが用意したもの。
トラウトが本塁打を放ってハットをかぶってパフォーマンスをしたものを、直後に打った弟分の大谷に渡して喜びを共有。
二人の仲の良さが垣間見えるワンシーンだった。
トラウトとオオタニを合わせて「トラウタニ」と呼ばれている。
連続弾と呼び名を質問されたトラウトは「トラウタニだろ? 気に入っているよ。トラウタニにとっても、いい日になったね」と笑顔。
さらにトラウトは「とても楽しいよ。もっとこれが必要だね。ショウが後ろにいれば何だって起こり得る。楽しい連戦だったから、これをシアトルでも続けたいね」と今後のさらなるホームラン共演を誓った。
大谷はこの日、4打数1安打1打点で、打率は.333。
チームは6-0で勝利し、2連勝を飾った。

開幕投手では10奪三振無失点で史上初の珍記録も
大谷は3月30日(日本時間31日)の開幕戦には3番投手として出場した。
2年連続で開幕投手を務め、6回を投げて被安打2、無失点、10奪三振と好投。
開幕投手として10奪三振、無失点さらに打者として1安打というのは、メジャー史上6人目という偉業だった。
しかし、大谷が降板した後の投手陣が打たれてチームは逆転負け。
大谷に白星がつかなかった。
MLB公式のサラ・ラングス記者はツイッターで「ショウヘイ・オオタニは、開幕戦で10奪三振以上と無失点をマークした、少なくとも1901年以来26人目の投手になった。
その投手のチームが負けたのはこれが初めて」と珍しい記録になってしまったことを伝えた。
大谷は「立ち上がりにフォアボールを出したけど、なんとかいいリズムで立て直せたと思う。
基本的にいい攻撃ができていたとは思うけど、あと1本が出なかった。
やっぱり追加点がどうしても欲しかった」と振り返った。
ピッチクロックにもうまく適応
今季のメジャーリーグでは、投手に投球間隔を制限する「ピッチクロック」の新ルールが適用された。
試合時間の短縮を目的に採用され、走者なしではボールを受け取ってから15秒以内、走者がいる場合は20秒以内に打者に投げるというもの。
大谷は比較的長く間をとって投げるタイプの投手だけに、このピッチクロックへの適応はオープン戦から注目されていた。
開幕戦では5回終了後に審判から何かを伝えられる場面があった。
ただ、これは投球のタイミングが早いという指摘だったようで、
大谷は「基本的に打者がこっちを見てからというか、微妙なところですけど。最後の回はいいと言われたので、そこら辺、注意してやってくれという感じでしたね」と語った。
大谷は早いくらいのテンポでも抑えることができた。
今後慣れていけば問題なく昨季15勝と同様のパフォーマンスを発揮できるだろう。
