世界各国が哀悼の意を示した安倍元首相の銃撃事件…。
目次
参院選への影響は?
7月8日金曜日、日本の成長に大きく貢献してきた「安倍晋三元首相」が亡くなった。
参院選の応援演説の最中に起きた銃撃事件。
日本中に衝撃が走り、誰もがテレビやネットに釘付けだったのではないだろうか。
安倍元首相の死亡報告から数日たった今も、世界各国からの声明や弔電が相次いでいる。
安倍元首相の死は、日本だけでなく世界にも衝撃を与え、トップニュースとして各国で取り扱われていた。
アメリカ大統領はじめ、インドや欧州各国、そして中国やロシアと親交のあった世界各国が安倍元首相の死に深い哀悼の意を示す内容の声明を出したのだ。

アメリカの有名雑誌では特集の予定も
アメリカの有名雑誌「タイム誌」では、次号の表紙を安倍元首相にすると発表。
さらに公式Twitterでは「日本で最も長くリーダーを務めた安倍晋三のレガシー」と投稿し、特集をする予定だと公表した。

台湾の総統も祈りを捧げるツイート
台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統は、「安倍元首相を悼み、台湾に示してくださった友情に感謝するため、7月11日は半旗を掲げるようすべての政府機関に指示しました。私たちは、安倍元首相が世界の自由と民主主義に果たされた医大な功績を決して忘れません。」と政府機関に祈りを捧げるよう要請したとSNSでツイートした。
各国の反応
欧州連合(EU)のシャルルミシェル常任議長は、「卑劣な襲撃に衝撃を受けるとともに、悲しみを覚えている」とツイート。
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、「安倍晋三氏に対する卑劣な攻撃の知らせを受け、心の底から愕然とするとともに、悲しみを覚えた」とSNSに投稿。
他にも、シンガポール・タイ・オーストラリアが次々とSNS上で安倍元首相の死を受けて、悲しみを綴っていた。

事件による参議院選挙への影響は?
安倍元首相の事件をうけ、各候補は予定していた街頭演説等の選挙活動を中止。
選挙の行方が注目されていたが、選挙戦最終日の9日には予定通り街頭演説が行われた。
そして安倍元首相が亡くなって2日、7月10日は第26回参議院選挙の投票日。
選挙結果にどのような影響を与えるのか予想が困難な中、開票が始まった。
今回の選挙で自民党は「単独で選挙区45、比例代表で18、合わせて63議席」を獲得した。そして憲法改正に前向きな自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党の4党で、憲法改正の発議に必要な参議院全体の3分の2の議席を確保。
さらに今回の選挙では、女性候補者の当選が35人と過去最多の人数となった。
投票率も前回の選挙を3.25ポイント上回る52.05%という結果に終わったのである。
投票者の1票
安倍元首相の銃弾事件を受けて有権者達は、さまざまな思いで1票を投じていた。
取材に応じた男性は「もともとは違う政党を支持していた。でも今回の事件で自民党に投票した。今までの功績を考えた素晴らしい人だし、安倍さんの後も頑張って欲しいという思いもある」と答えた。
さらには「日本のために一生懸命だったのにこんなことになってしまい、かわいそうだ。自分たちに何かできることはないかと思って自民党に投票した」といった回答をした人もいた。
中には、今回の事件と投票は別と考える人も少なくない。
「投票の瞬間まで事件のことが頭をよぎったけれど、最終的には政策で決めました。」「かなりショックな事件ではあったけれど、投票とはまったくの別物」といった意見も。
さらには、「立派な政治家の方だったから、民衆にしっかりと自分の意見をお話ししていて、それに賛同してくれるかたや同意してくれるかたを集めて選挙を買っていくのが、安倍さんのやり方だと思う。だから今回の事件で、自分が亡くなったからといって同情票が自民党に入るのは望んでいないのではないかと思う」といった意見まであった。

今後の自民党の行方は?
今回の事件を受けて岸田首相は、「祈りも空しく、こうした報に接することになってしまった。誠に残念で言葉もありません。心よりご冥福をお祈りしたい」と涙を浮かべながら、事件について非難した。
一方で今回の突然の事件により、岸田政権にどのような影響があるのか議論がかわされている。
安倍元首相がいない今、慰安婦問題や日韓合意、日露交渉などどうするのか。安倍元首相を支持している支持層をどのように抑えていくのか。
安倍元首相がいなくなって自民党は不安定になるのではないかなど、課題は山積みだ。
最大派閥である「安倍派」を失い、今後後継をめぐる派内紛争も想定される。
さらには、安倍元首相の盟友であり岸田政権を支える最高実力者ともなっている「麻生太郎副総裁」。
そして麻生氏とともに支柱となり支えていた「茂木幹事長」。安倍元首相がいなくなった今、この両者と岸田首相との力関係も微妙に変化していくのではないか、と予想されているのだ。
自民党勝利で幕を閉じた参院選であったが、岸田政権が難しい状況にあるのには変わりない。今後岸田首相はどのようになっていくのか、その動向に国民が注目している。

