ユーミン、半世紀の偉大な歴史
目次
松任谷由実 デビュー50周年!!
今年2022年は、多くのビッグネーム達が周年を迎える年である。1992年デビューのMr.Childrenは、今年デビュー30周年。
1982年デビューの中森明菜、小泉今日子ら“花の82年組”の元アイドル達はデビュー40周年。
そして、ユーミンことシンガーソングライターの松任谷由実は、1972年7月5日にシングル「返事はいらない」でデビューしたので、デビュー50周年を迎える。
50年もの間、つまり半世紀に渡って、(多少の浮き沈みはあるにしても)ずっと第一線で活躍し続けているまさに日本を代表する偉大な女性シンガーソングライターである。

もはやレジェンド!シングル41枚、アルバム39枚
50年の間にシングル41枚、アルバム39枚をリリース。映画やドラマの主題歌として起用された曲は80曲を超え、100曲以上がCMソングとして起用されている。
更に他のアーティストとのコラボ曲や他のアーティストへの提供曲も加えたら、とてつもない数の名曲を生み出してきたわけである。
ファンではなくても、この50年間ユーミンの楽曲を耳にしなかった年はないと言っても過言ではない。
これだけのキャリアを重ねても創作意欲は衰えず、最新アルバム『深海の街』がリリースされたのは2年前の2022年12月。
2000年以降でも3~4年に1枚アルバムを制作し、この20年に限っても9枚のオリジナルアルバムをリリースしている。
ユーミン自身は過去のインタビューで、「もう曲を作らなくても、アルバムを出さなくても、興行的には十分やっていける。曲を作り続けているのは名声とかお金のためではなくて、レコード会社のためでもない。自分のため」と語っている。
そして、今年5月にNHK総合テレビで放送された「The Covers ユーミン・ナイト!~デビュー50周年SP~」に寄せられたメッセージでは、「いつの頃からか、夢は次のアルバムを作ること。そして、そのアルバムを携えたツアーに出ること」と語っている。
恐らく創作意欲が衰えないというよりも、才能はもちろん本人のモチベーションの高さや責任感、使命感のようなものによって、創作意欲が衰えないように努力しているのではないだろうか。
更にライブも精力的に行い、現在は最新アルバム『深海の街』を引っ提げた全国ツアー中。

「魔女か!スーパーレディか!新感覚派荒井由実登場!!」
2021年9月からスタートしたこのツアーは、今年の7月9日の神戸国際会館こくさいホールまでの全60公演。
デビュー翌年にリリースされた1stアルバム『ひこうき雲』の帯には、「魔女か!スーパーレディか!新感覚派荒井由実登場!!」と書いてあったが、まさに魔女なのではないかというほどのパワーである。(ここで、若い世代に向けて解説しておくと、当時はアナログレコードの時代で、LPと呼ばれるアルバムには帯と呼ばれる細い紙が付けられ、曲目やキャッチコピーなどが書かれてあった。また、デビューから結婚前の1976年までは、旧姓の荒井由実として活動していた。)
しかし、今思えばこの1stアルバムのコピーを考えた人は、本当にすごい。
デビュー時のキャッチコピーが、50年たっても違和感ないどころか誰でも納得して大きくうなずけるアーティストなんて、そうそういないのではないだろうか。

ファン待望のキャンペーン!
50周年記念リクエスト・ベストアルバムの収録楽曲を決める
今年の5月9~29日には、全国99のラジオ局で、「Takara Leben Group presents 民放ラジオ99局キャンペーン~WE LOVE RADIO 松任谷由実50th ANNIVERSARY ユーミンリクエストWEEK~」と題したキャンペーンが行われた。
ユーミンの50周年を記念してラジオのリスナーからのリクエストやエピソードを募集し、今秋リリース予定の50周年記念リクエスト・ベストアルバムの収録楽曲を決めるという企画だ。
選ばれたエピソードは、アルバムのブックレットに掲載されるという。
女性を中心にたくさんの人々の思い出を彩ってきたであろうユーミンの名曲の数々が、そのファン達のエピソードとともにベストアルバムになるというユーミンファンにとっても夢のようなこの企画は、ユーミン本人の希望だという。
「その人その人、それぞれの思い出になって、物語になっていく。そんなエピソードを聞かせてもらうと、歌を作っていて放蕩によかったな、歌を歌っていて本当よかったなって思えます」とのユーミンのコメントが、自身の所属レコード会社やキャンペーンのサイトにて公開されている。
2018年に「第66回菊池寛賞」を受賞した際には、授賞式で「音楽は“時間をデザインする”ということ。歌作りは、ある音律にそれしかないという音律を持った言葉を乗せて編んでいく。歌はそれを口ずさむ人が死に絶えてしまったら消滅する。そう遠くない未来に私が死んで、私の名前が消え去られても、私の歌だけが詠み人知らずとして残っていくことが理想」だと語っている。
51年目以降も、まだまだ新しい曲をたくさん聞かせてほしいし、できるだけライブで楽しませてほしい。まずは、今秋リリース予定のファンが選ぶベストアルバムの選曲を楽しみにしながら、デビュー50周年を祝おう。

