「見せ物じゃねーぞ」ラッパーの「ベル」が二度目の逮捕 薬物売人の胸を刺す
横浜市で先月、男性を集団で暴行し、刃物で左胸を刺したとしてラッパーの男が警察に逮捕された。
違法薬物の売買をめぐるトラブルとみている。
傷害の疑いで逮捕されたのは、ラッパーの「ベル」と名乗る住居不定の永井竜也容疑者(21)。
先月19日、22歳の男性を横浜市港南区の路上で集団で暴行し、刃物で左胸を刺して、全治1カ月相当の重傷を負わせたとみられている。
28日に警察署から姿を見せたベル容疑者は報道陣に対して中指を立て、「見せ物じゃねーぞ、このヤロー」と激怒していた。
刺された男性は違法薬物の売人とみられ、警察は薬物を巡るトラブルとみて、他にも暴行に関わった数人の行方を追っている。

精力的に活動し、好成績をおさめていたラッパー「ベル」
ベル容疑者は神奈川・横須賀出身。
小学生時代から札付きのワルだったという。
その中でヒップホップに出会い、「俺の方が口喧嘩は強い」と16歳からラップを始めた。
「ベル」という名は飼い犬の名前からつけたと言われている。始めは父親の会社で型枠大工として働きながら、イベントやバトルに参加していた。
その後ラップバトルイベント『高校生RAP選手権』や、ZeebraさんがMCを務める番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)にも出演。
リーゼントヘアや、横須賀出身の不良として生きてきたことを武器に活躍した。
その後も精力的に活動して実力を磨き、MCバトル大会で好成績をおさめる。
今年8月には日本武道館で開催された国内最大規模の『BATTLE SUMMIT』に参戦。
草刈紅蘭さんの元夫でラッパー・RYKEYさんとバトルし、結果はRYKEYさんの勝利だった。
また、総合格闘家の朝倉未来選手がスペシャルアドバイザーを務める格闘技イベント『Breaking Down』のオーディションに参加。
そこでは他の参加者と激しい喧嘩になり、警棒を持って暴れた。
それを朝倉選手がYouTubeで公開し、「警棒ニキ」と呼ばれて注目を集めた。

去年は強盗殺人未遂で逮捕「それが俺のリアル」
2021年5月に強盗殺人未遂で逮捕、懲役2年執行猶予4年の有罪判決を受けた。
「賛否両論はあると思うけど、それが俺のリアルだから」とツイート。
「犯罪自慢」をしていると、ファンからも批判が多く、「リアルとは何か」その定義について多くの議論を呼んだ。
今回の逮捕はその期間中に起こったため、2年以上の実刑判決になる可能性が高い。
2021年10月には、過去の獄中での体験をもとにした楽曲「零四六」を発表。
300万回以上再生され、注目度の高いラッパーということがわかる。
歌詞にある「アクリル板越しのグータッチ」はTikTokでバイラルした。
今年1月には『bento』を発表。弁当とは「執行猶予」という意味の俗語だ。
「弁当食い切るぞ 無駄にしないアイツらの分も あん時より見せたい成長」
「なんもわかってねぇ 仲間守るためにやっただけ」
と、自分の気持ちを表現していた。
8月14日に公開された動画では、今後はトラブルを起こさず、一人前のラッパーになりたいと語っていただけに、二度目の逮捕は残念だ。

