政治

岸田首相が低所得世帯に一律3万円の現金給付を検討に対するさまざまな声

低所得世帯に対する現金給付案

岸田文雄首相は物価高に対する新たな対策として、低所得世帯に向けて現金の給付を検討する考えを表明した。

3月15日、自民党の萩生田光一政調会長や公明党の石井啓一幹事長らと相次いで会談した岸田首相。

先に会談した萩生田政調会長が、低所得世帯にきめ細やかな手当てを求めて一律3万円給付などを提案した。

その後、石井幹事長も会談で、低所得の子育て世帯に、子ども1人当たり5万円の給付が必要だと提起したという。

岸田首相は、暮らしに欠かせない食品や電気料金などの影響が大きい低所得者を重点的に支援する必要性を強調。

岸田首相は「とりわけお子さんの数に応じた対策をしていきたい」と、児童扶養手当を受給するひとり親世帯や住民税非課税世帯について、現金給付の考えを明らかにしたという。

会談後に石井幹事長が記者団に明らかにした。

石井氏によると、食料やエネルギー価格高騰による影響は低所得世帯ほど大きいことから一律3万円を支給し、子育て世帯には子ども1人当たり5万円を上乗せするとしている。

政府は3月中に物価高対策をまとめる方針で、低所得世帯への給付は、自治体の裁量で使うことができる地方創生臨時交付金に特別枠を設ける案を検討する。

また、2022年度予算の予備費を財源として使用するという。

萩生田、石井両氏は、そのほかLPガスの料金抑制、電気使用量が多い中小企業向けの電気料金負担軽減策も提言した。

食料面では、酪農や養鶏などの餌の高騰対策や、小麦の価格高騰に関する激変緩和措置なども盛り込まれている。

萩生田政調会長は記者団に対し、「厳しい状況に置かれている低所得者への対応がまず必要」と述べ、

「電気やガス代も食費も、子どもが多ければ多いほど負担が大きくなるので、その人数に応じた支援が必要だ」と語った。

2021年、2022年にも政府は低所得の子育て世帯対象に、子ども1人当たり5万円の特別給付金を支給。

さらに、2022年は住民税非課税の世帯などに、一律5万円を給付した。

低所得世帯3万円給付などを提案。
低所得世帯3万円給付などを提案。

現金給付は選挙目当て?

岸田内閣は、現在支持率が低迷している。

そのため、今回の現金給付案は、4月の統一地方選、衆参両院の補欠選挙のため、支持率上昇を狙ったアピールだと受け止められ、批判の声が聞かれる。

今のところ、具体的な給付条件は示されていない。

しかし、2022年9月、住民税非課税世帯に5万円が給付されたときに、国民全員が納税しているにもかかわらず、低所得世帯だけが対象となったことなどに反発の声が挙がった。

今回も非課税世帯という区切りが設けられているため、生活苦であっても給付を受けられない層がある。

そして、少子化対策や貧困問題に力を入れているとのアピールにはなるかもしれないが、あくまでも一時的な給付なので、抜本的な対策にはならない。

今回も、「物価高の影響は子どもがいる世帯だけではない!」

「物価高は国民全員に差別なく影響している」

「選挙前のバラマキで、また事務費に税金を使うことになるのでは?」などの批判の声が既に上がっている。

生活苦であっても給付を受けられない層がある。
生活苦であっても給付を受けられない層がある。

内閣の支持率は上昇

現金給付案が選挙のためかどうかはともかく、いろいろな意見が出るのは当然のこと。

また、もらえる人ともらえない人がどうしても出てしまうので、不公平感が生じてしまうのもやむを得ない。

しかし、物価高に苦しんでいるのは、現金給付の対象にならない人々も同じこと。

子育て世帯の中には、生活保護や特例貸し付け、家賃援助を受けられず、困窮している世帯が多い。

しかし、低所得世帯や子育て世帯に限らず、中間層も苦しんでいるため、アメリカのように中間層にも給付の対象を広げるべきという考えもある。

子育て世帯は確かにお金がかかるが、その子育て世帯を支えている保育士や病院で大変な勤務を頑張っている人達など、ほかにも苦しんでいる人は多い。

独身の納税者は、税率の控除やこども手当などに該当するような手当てもない。

経済的事情で結婚を選ばない(選べない)人もいるのだ。

「給付は税金から行われるのに、税金を納めるだけ収めて何も返ってこない」

「現金給付より減税してほしい」など、さまざまな声がある。

もちろん、給付に賛成する人もいる。

「『みんな困っている』という意見も多いけど、困っていない人もいるはず。

しかし、困っている人の一部しか救済されないのが問題」

「将来を見据えて費用対効果が高いところや、緊急性のあるところに給付するべき」などの意見もある。

3月13日に更新されたNHKの最新の世論調査では、岸田内閣を支持すると回答した人は41%で、前回の調査よりも5ポイント上昇となった。

支持しないと答えた人は前回より1ポイント下がって40%。

2022年8月以来、7カ月ぶりに「支持」が「不支持」を上回った。

支持する理由は「ほかの内閣よりよさそうだから」(47%)、

「支持する政党の内閣だから」(27%)、

「人柄が信頼できるから」(11%)となっている。

一方、支持しない理由には「政策に期待がもてないから」(43%)、

「実行力がないから」(32%)、

「支持する政党の内閣でないから」(9%)などが挙げられている。

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