カンヌ国際映画祭、是枝裕和監督 12分間の喝采

出品作「ベイビー・ブローカー」に好反応

フランス現地時間5月26日、第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作で、是枝裕和監督の韓国映画「ベイビー・ブローカー」の上映が行われた。

上映終了後には拍手と歓声のスタンディングオベーションが12分間も続き、是枝監督や主演のソン・ガンホさんらが喝采に応え手を振るたびに感嘆の声が上がった。

是枝監督は「どのくらい字幕で伝わるかは不安だったが、上映中に笑い声が起きたときは、出演者と手を握り合った。」とパルムドール(カンヌ国際映画祭の最高賞)への大きな手応えを感じていた。

拍手喝さいの中、上映後のスピーチで是枝監督は「こんなにたくさんの拍手で迎えてくれて、本当にありがとうございました。」と、笑顔で会場に呼びかけ、

「一体感のある現場でスタッフ、キャストが一丸となって作り出した映画を、カンヌ国際映画祭で皆さんへ届けられた事をとても嬉しく思っています」と演説した。

ベイビーブローカーのあらすじ

赤ん坊を匿名で預けられる“赤ちゃんポスト”をきっかけに出会った人々の一風変わった旅路を、是枝監督が描いたストーリー。

土砂降りの雨の晩に、若い女によってポストに預けられた赤ん坊が、ベイビー・ブローカーのサンヒョンとドンスによって連れ去られてしまう。

翌日、赤ちゃんを連れ戻しにきた若い女が、赤ん坊がいない事に気付き、警察に通報しようとした所、サンヒョンとドンスは赤ん坊を売ろうとしていたことを白状。

成り行きから赤ちゃんを育ててくれる里親を3人で探す旅に出ることになる。

日本では6月24日から公開される。


『撮っている時はこんなに感動的な映画になるとは思っていなかった。』

上映が終わってから起きた12分の大喝采を受け、肩を組み喜び合う是枝監督と出演者たち。場内を見上げて手を振り満面の笑みを見せた。

その後の、囲み取材で、フランスで映画を見た観客の反応について聞かれると、監督は「現場で感じていたことが、異国でどのくらい字幕で伝わるかは不安だったのですが、上映中に笑い声がかなり起きていたので、大丈夫だったなと思いました」とフランスでも手応えを感じた様子であった。

完成後に映画を見た主演のソン・ガンホさんからは、『本当に良い映画になった、撮っている時はこんなに感動的な映画になるとは思っていなかった。』と言われたことを明らかにし、作品のできあがりにはとても満足していることを語った。

今回のカンヌ国際映画祭のノミネートに対しては

「韓国と日本の言葉を超えて繋がれたという印象がスタッフともキャストともあるので、自分でも納得ができる作品でまたここに帰ってこられて本当にうれしいです」とコメントを残した。

今回の観客の反応がとてもよかったので、影響を受けたイギリスの映画監督ケン・ローチと同じく、2つのパルムドールを獲ってしまうのでは?という記者からの質問に対しては「そんなことが起きたら、本当に嬉しい事です」と回答した。

最高賞の発表は今月28日に行われる。

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