政治

18歳以下への10万円給付、クーポンか現金か?

自民と公明が新型コロナウイルスの蔓延で経済的な困難に陥った世帯を援助するため、18歳以下の子供に10万円の給付を決めたというニュースはすでにご存じのことだろう。

10万円給付は衆議院選挙で公明党が未来応援給付として公約にあげていたものだ。

その支給の方法は今年中にまず現金5万円を配り、残りの5万円は2022年春にクーポン発行で支給する。

ただし受け取るにあたっては所得の制限を設けることとなった。

これはバラマキ批判をかわすため所得の制限を求める自民党と公約違反を懸念する公明党の主張の折衷案と受け取れる。

去年政府は特別低額給付金として国民1人あたり10万円を配布したが、その70%以上が貯蓄におさまってしまったという結果から、今回の18歳以下へは半分クーポンとすることで子育てに関連する消費を促進させるねらいがある。

どうなる10万円給付
一体、どのような形でこの10万円給付は決着をつけるのだろうか

ところが、支給額の半分をクーポンにするには、発行に際してコストがかかることに加え、クーポンが適用できる店との間の業務が増える。そのためクーポン分を現金で支給することを政府に希望する自治体がでていた。

大阪市の松井市長などは、10万円全部を現金で一括して給付したいと求めていた。

支給される側の意見も分かれている。クーポン発行にかかるコストなどが心配、またはクーポンは使える店が限定されるから現金の方が使いやすい、との声がある一方で、現金にするとやはり貯えにまわしてしまうので、消費を刺激するならばクーポンのほうがよい、という意見もある。

そんななかで政府は、自治体が2022年6月末までにクーポンの支給ができない見込みである場合に限って理由書を提出することで自治体が求める現金での給付をみとめることにするという。

これは12月10日の立件民主党の会議に出席した内閣官房の担当者によって明らかにされたが、12月3日に「現金による給付を許容するケースについて」という題の書類を政府から都道府県を通じて全市町村に送られたという。

政府から送られた書類には、この度の給付金は、2022年春の卒入学、新学期を支援する目的であるので、2022年6月末までにクーポン給付をできない見込みである場合に限って現金による給付を認め、適用にはクーポン給付ができなかった特別な理由、原因を記した理由書を内閣府に提出する、などが説明されている。

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また、中学生以下へは10万円の一括給付としてほしいとの要望に関しては、一括給付はこの度の趣旨や想定する実施時期を考えると適切でないため政府としては想定していない、とのことである。

理由としては、5万円を先に給付するには予備費と児童手当の仕組みをつかって年内に支給をはじめて、5万円のクーポン給付事業は補正予算に計上、2022年春の卒入学および新学期を支援するものとして実施するため、と説明されている。

一方、所得制限については960万円という数字が独り歩きしているが、一律この数字ではなく、また世帯の収入の合算でもない。

世帯で収入が最も高い方に基準をあわせ、そのうえ子供の数によって変化する。例えば、夫婦とも働いていてどちらも500万円ならば制限以下とされるが、片方の収入が1千万円だと対象外となる。

しかし、片方の収入が1千万円でも年収103万円以下の配偶者と子供の数をあわせて4人以上ならば給付の対象となる。

そんななか、政府の方針が変わったことによって、所得制限を取り払ったり、全額を現金で給付するという自治体が出てきている。

兵庫県小野市は年収の所得制限を取り払って給付を決めた。小野市によれば、収入にかかわらず苦労は同じとし、18歳以下の子供すべてに、まず今年中に5万円、来年3月までにのこりを現金で配る予定にしている。

鳥取県江府町はクーポン発行のコストがかかるうえ、クーポンが使えるような店が町内にはほとんどないという理由で後半の配布も現金にする方針だという。

その他に大阪府箕面市、岡山市、静岡県の静岡市、浜松市、島田市、それに沖縄県石垣市などが全額を現金で支給することを明らかにし、続々と全額を現金で支給する方法を選ぶ自治体がでてきている。

今後は自治体によって支給方法が変わることが考えられるため、支給対象となる家庭は居住する場所の自治体の発表に留意する必要がある。

また、政府は今回の支給は児童手当の方法を活用するということだが、児童手当の仕組みでの給付は高校生はカバーされていない。

ということは、支給の範囲に入る世帯で高校生がいる場合は自治体に申請しなければうけとることができないことになるから、注意が必要だ。

最後に、家計簿アプリを運営するZaimが家計簿利用者にむけておおこなった調査によると、今回予定されている給付金のうけとり対象は全体の 37.8%。

その対象者のなかでつかいみちはやはり子供の貯金と投資だった。

次に多かったのが、子供の学費と教育費、そして子供の食品と衣類、と、上位のつかいみちはすべて子供のためということだった。

この給付金が目的通り子供たちのために有効に使われ、コロナ禍で困窮する家庭がすこしでも楽になることを願うばかりだ。

TCnippon357

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