学校給食のパンの中にゴキブリの脚混入! 起きてはならない給食の異物混入事件
児童がパンをちぎって黒い異物を発見
兵庫県加古川市教育委員会は、10月18日に3つの市立小学校の給食に提供したパンの中にゴキブリの脚が混入していたことを、10月24日に発表した。
市教育委員会によると、パンの中から見つかったことから製造する工程において混入した可能性が高く、該当業者の納入を停止し、立入検査を実施。
業者に対し、工場の入り口に前室を設けることやパンの生地を入れる容器に蓋を付けることなど10項目について衛生面の改善を求めたという。
さらに、再発防止などの対策を講じたことが確認できるまでは、同業者のパンの納入は再開しないとしている。
パンは市内の製パン業者が製造し、市内の3つの小学校で児童がパンをちぎったとき、中に黒っぽい異物が入っていることに気付いた。
ゴキブリの脚が混入していた3校とも見つけた児童が担任の教師に伝えたが、いずれの学校も児童が給食を食べるのをやめさせなかったという。
食べるのをやめさせなかった理由については、「その場では異物が何かわからなかったから」とのこと。
尚、見つけた児童は3人ともパンを口に入れていなかった。
学校は市教育委員会に連絡し、精査会社が調査したところ、異物はクロゴキブリの脚だということがわかった。
異物が混入していたパンは各校1個ずつの計3個。
同じ個体のクロゴキブリの左脚が3本に分かれ、それぞれ混入していたことがわかっている。
大きさはそれぞれ9ミリ、11ミリ、25ミリだった。
同業者は市内の15小学校を含む17施設に約7900食のパンを提供しており、同日は小学校8校を含む市教育委員会管轄の10施設に約3800食を納品したが、今のところ体調不良者は出ていない。
市教育委員会は発見した児童3人の保護者に謝罪し、該当する小学校の保護者に文書で経緯を説明した。

過去の学校給食異物混入事件
児童が食べる給食にゴキブリの脚が入っていたというのは、保護者にとっては心配になる出来事であるし、児童にとってもパンを食べられなくなってしまう子も出るかもしれない衝撃的な事実であろう。
インターネット上には「子ども達の精神的ショックが心配」「食の楽しさを教えるのが学校給食のはずなのに、ゴキブリが出るような場所で調理するなんてあり得ない」などのコメントが寄せられている。
給食の中の異物混入事件は、過去にも起きている。
今回の異物購入は故意ではないようだが、今年6月には愛知県岡崎市の公立学校の給食に汚物を混入したとして20代の女性職員が名古屋地裁に書類送検されるという事件が起きた。
学校で働く職員が故意に、しかも人間の排泄物を給食に混入するという信じられない事件。
本事件が起きたのは2021年の10月8日で、同校の校長が給食を検食しようとした際、異臭と偏食に気付いたという。
検査の結果、食材が腐っただけでは検出されない大腸菌が入っていた。
給食を提供する前に気付き差し替えたため、誰も口にすることはなく健康被害はなかった。
岡崎市立の小中学校の学校給食は給食センターで作られ、各学校に配送されていたが、他の学校では異臭や変色は見つからなかったため学校関係者の犯行が疑われ、女性職員の犯行だと判明した。
尚、女性職員は容疑を否認しており、犯行の動機はわかっていない模様。

記憶に新しい身勝手な女性教諭の混入事件
記憶に新しいところでは先月、埼玉県川越市で勤務する小学校のカレーの食缶に塩素系漂白剤を混入したとして女性教諭が逮捕された事件が起きたばかりだ。
このときは、配膳係の児童が異臭に気付いて回収されたため、児童らに健康被害はなかったが、もし口に入れていたらと思うと恐ろしい事件である。
この女性教諭はクラス担任を持ち上がることができなかったことに対する不満から犯行に及んでいた。
しかもその恨みを、自分が昨年担任した生徒の給食に向けるという身勝手極まりない犯行だった。
給食にゴキブリが混入していたことは今回が初めてではなく、2018年には群馬県の中学校にて、給食の中からゴキブリの死骸が発見されている。
このとき、学校からの連絡を受けた給食センターが、同じ給食を提供していた他校への連絡をしなかったことも問題視されていた。
給食センターで、野菜を切って茹でる工程中に混入した可能性が高いという。
2017年6月には佐賀県の小学校給食にプラスチック片が混入。
2018年10月に福島県の中学校給食で出された佃煮にカビのような異物が混入しているのが見つかった。
さらに、2021年1月には茨城県の小学校で、1週間の間になんと3回もプラスチック片などの異物が混入していたという事件も起きている。
ここ数年の間にも、給食の異物混入事件は何度か発生している状況だ。

今後異物混入を防ぐために
昔は、学校給食と言えば学校内の給食室で調理員が作って提供する学校がほとんどだった。
しかし、最近は給食センターなどに外注する学校も増えており、現在は給食センターで作った学校数が1番多くなっている。
異物混入の過程は様々で、前述した事件のように調理過程に誤って混入してしまったものから、故意に入れられたものまでいろいろある。
しかし、どんな理由であっても、給食は子ども達や教師、職員の口に入るもの。
異物によっては命にかかわる場合もあるため、異物混入などということは絶対に避けなければならない。
各市町村、各学校、各給食センターや製造業者において防止策を講じることは必須であろう。
