コロナ給付金4630万円誤送金の男性に返還求める
山口県阿武町が、新型コロナウイルス対策関連の給付金として、1世帯10万円を振り込む予定が、全世帯分4630万円を過って町内在住の男性にすべて振り込んだとして問題になっている。
町は男性に返還をもとめるも振り込まれた男性は拒否。そのまま連絡がとれなくなったことから町は、引続きお金の返還を求め、さらに弁護士費用の支払いを求める訴えを起こした。
男性側の弁護士は、5月16日の会見で「お金は使いきった」「一円も手元に残っていない」といった内容を話し、お金の具体的な使い道については説明していない。
しかしその後の取材で、男性側の関係者が「お金は複数のネットカジノで使い切った」という説明していることが判明した。

阿武町の花田憲彦町長の対応
男性側の弁護士からの説明に花田町長は、「あれだけのお金がいっぺんに消費されるとは考えにくいですが、そういうこともあるのかな」と言及したうえで、「そうですか、ではお金の回収は断念しますというふうなことは全く思っておりません」、と引き続き返還を求める姿勢を見せた。
そして、「もし本当にネットカジノで使ったことが事実なのであれば、許せないという気持ちはある」と憤りをあらわにしている。
そして男性に対して提訴していることを公表したのだ。

男性側の弁護士は
男性の弁護士は、町役場は男性と連絡がとれないと騒いでいるが、行方不明になっているわけではないと説明した。
男性は2022年4月の段階で、山口県内の警察署に任意で出頭し、事情聴取を受けているとこのこと。
その際にことの経緯と事情を説明し、男性が使用しているスマートフォンの提出を任意で求められたため男性は提出。
そのスマートフォンは2022年5月段階でまだ本人に返還されていないという。
おそらくスマートフォンが戻ってきていないことが原因で町役場では連絡がとれなくなったと誤解したのではないかといっている。
現在、男性と弁護士は連絡がとれる状態にあるので、警察などから出頭の要望等があれば応じる考えだ。
男性に対する町の声
4630円を町から受け取り、返還の意思がないと問題になっている男性に対して世間の声は厳しかった。
これまで町では、男性に対する素性を一切明かしてこなかったが、一転、町民に対する説明文書に男性の名前と住所を記載したのだった。
そして同じ情報をHPにもアップしたことで、SNSを通じてあっという間に全国に男性の情報が知れ渡ってしまったのだ。
これは事実上の全国指名手配といえるのではないだろうか。
この町の行動に対して、「やりすぎなのではないか」といった声も一部挙がったが、実際には「お金をネコババしたのは誰だ」と問い合わせの電話が役場に殺到しているという。中には男性を犯罪者扱いするような発言もあるようだ。

4630万円誤送金のいきさつ
2022年4月15日山口県阿武町は、全世帯分のコロナ給付金を誤って1世帯にすべて送金したことを公表した。
お金を受け取った町内在住の24歳男性は、お金の返還を拒み問題となっている。
ことの始まりは、誤った振込用紙が銀行に持ち込まれたことだ。
阿武町はコロナ給付金を対象の463世帯に振り込む手続きをし、必要なデータを銀行に渡した。しかしそのデータの中に、463世帯に10万円ずつといった内容とは違う、1世帯に4630万円を振り込む用紙が含まれていたのだ。
誤送金に気づいた役場職員は、男性に電話やメールで連絡するも連絡がつかず、また自宅や職場を訪れても会えない状況が続いていた。
その後ようやく男性と面談できたが、お金を受け取った男性は「お金はもう別の口座に移したから元には戻すことができない。逃げもしないし罪は償う」としたうえで、お金を返還する意思を示さなかったという。
この時点で、男性がお金を使ったのか、使ったのであれば何に使ったのか、そしてどのくらい残っているのかなど、お金に関する流れが一切把握できていない状況だった。
これを受け町では、警察や弁護士に相談し、告訴も視野にいれて対応していく考えである。
男性の不可思議な行動
2022年4月8日に誤送金が起きてから、同月21日に男性が「お金はもう動かしたから戻せない」と告白するまでの間に、町の職員は再三返還を求めたという。
8日に町の職員が男性を訪ねた際に、男性の口座がある銀行まで職員同行のもと組戻しの手続きに向かった。
しかし男性はそこで「今日は手続きしない。後日公文書を郵送してくれ」といい手続きをしなかった。その後も、何かと理由をつけては職員から逃げ続けていたようだ。
その間も職員は、男性の母親や弁護士に接触し、返還を求め続けていたが、男性はその間に多額の金額を毎日のように引き出し、他の口座に移動していたのだった。
そしてわずか2週間あまりで4630万がはいっていた口座を空っぽにしてしまった。その後男性は、住んでいた自宅から姿を消してしまった。

