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ダルビッシュ対村上が実現 本塁打浴び「いずれメジャーに」

 3月のWBC(ワールドベースボールクラシック)に向けて宮崎で強化合宿中の日本代表のダルビッシュ有投手(パドレス)が2月21日、試合形式で投手と打者が対戦する「ライブBP」に登板した。

2022年に史上最年少で三冠王を獲得したヤクルトの村上宗隆にバックスクリーンへの本塁打を打たれて苦笑いする場面もあったが、「久しぶりに日本で投げる機会だった。全体的に楽しくできた」と手応えを語った。

ねえ、こんなところで公開処刑されて。ちょっと悲しいですと苦笑い。
ねえ、こんなところで公開処刑されて。ちょっと悲しいですと苦笑い。

ダルが村上の「おかわり」をお願い

 ライブBPでダルビッシュと最初に対戦したのが村上だった。

昨年、歴代2位で日本人選手のシーズン最多本塁打記録となる56本を放った23歳。

日本屈指の左の強打者で侍ジャパンの四番候補と、日米通算188勝を挙げているエースの夢の対決がいきなり実現した。

 初球は内角低めの速球を村上が空振り。

2ボール1ストライクからの4球目。

真ん中高めのツーシームを村上がとらえた。

高く上がった打球はバックスクリーンへ。

 ダルビッシュは「打った瞬間、行ったかなという風に思ったので。

でも、ねえ、こんなところで公開処刑されて。

ちょっと悲しいです」と苦笑いした。

 「ツーシームをインコースから入れようとしたんですけど。

高めに吹き上がって。

真ん中高めに浮きましたけど、あの球をそんなに簡単にはメジャーのバッターでも打てないので。

それを一発で打ったのでびっくりしました。

いってファウルかなという感じだったんですけど、それをしっかり芯でとらえてる」と村上のバッティングを賞賛した。

 村上は打った直後に「泣きそうだもん。

感動して泣きそう、ヤバイ。

ボールまじで欲しいです」と喜びを語った。

 村上の後に大城、近藤、岡本、牧と対戦。

ここで終わる予定だったが、ダルビッシュが「村上もう一回いいですか」と「おかわり」を要求。

 初球を一ゴロに仕留めたが、2球目のスライダーは村上が流し打って左前へ。

「いや、もう、おかわりしといてしっかり打たれるという、ちょっとすごく恥ずかしいあれだったんですけど。

外からのスライダー、結構簡単に通るような球ですけど、しっかり待って逆方向に軽打してきたので。

本人は外からのスライダー来ると思いましたって言ってたので、そういう所も頭がいいなと思いました」とダルビッシュ。

 村上については「これからいずれメジャーとかに行く可能性もありますから」と高い評価をした。

ダルからおかわりのご指名を受けた村上宗隆選手。
ダルからおかわりのご指名を受けた村上宗隆選手。

6年総額140億円で契約延長

 2022年のダルビッシュは、パドレスで16勝を挙げた。

これは2012年に初めてメジャーリーグに挑戦した年に記録したメジャーでの自己最多タイの勝利数。

 36歳となった今も年齢的な衰えはほぼ見られず、多彩な変化球を操る投球術は円熟味を増している。

パドレスもダルビッシュのグラウンド内外での貢献を高く評価し、6年総額1億800万ドル(約140億円)の大金で契約を延長した。

 WBCへの出場も栗山監督が熱望し、渡米してダルビッシュと直接交渉。

 12月にツイッターで「栗山監督に『来年のWBC出場しなさい』と言われたので出場します」と発信。

2009年に日本代表が優勝した時にはクローザーとして世界一を決めた右腕が3大会ぶりのWBC出場を表明した。

 メジャーリーガーはチームとの契約が細かく設定されており、大谷翔平(エンゼルス)らダルビッシュ以外は日本代表の合宿に初めから参加できず、アメリカで調整している選手もいる。

だが、ダルビッシュはベテランということもあって自身の裁量に任されている部分が多く、初日から日本代表に合流できた。

焼肉で親睦をはかるダルビッシュ兄貴。
焼肉で親睦をはかるダルビッシュ兄貴。

焼肉会で結束強める

 ダルビッシュの早期合流はチームへの効果も大きい。

合宿では若手投手が積極的に質問してダルビッシュに教えを請う場面があったり、焼肉店で投手会が開かれたりするなど、コミュニケーションをとって関係を深めている。

 オリックスの宇田川優希が豪華なメンバーになじめず、「気疲れっていうのは出てきている。

チームにまだ慣れていない部分もある」と語っていた記事を見たダルビッシュは焼肉会で宇田川とたくさん話をしたという。

 店の前で集合写真を撮った時には「とりあえず宇田川君真ん中で」と声をかけて宇田川を中心に。

ツイッターに「宇田川さんを囲む会に参加させていただきました!宇田川さん、ごちそうさまでした!」と投稿した。

 ダルビッシュが気遣いもできる兄貴分的な存在として、日本代表の結束を強めている。

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