未婚男女「子ども欲しくない」半数 将来、男性の半分は子どもなしの生涯に?

先月29日、ロート製薬が妊活に対する意識調査「妊活白書」を公表した。

18歳~29歳の未婚男女400人のうち、「将来、子どもを欲しくない」と回答した割合は49.4%。

調査を実施した過去3年間で最も高かった。

理由として、「経済的な問題」や、「出産・子育て」を懸念していることがわかった。

パートナーと妊活に向きあう割合が激減!

「子どもを欲しくない」と回答したのは、男性53%、女性は45.6%だった。

理由は「子育てにかかるお金が高すぎる」など経済的理由が目立った。

他には「将来の日本が心配なので子どもがかわいそう」と漠然とした不安もある。

また、25歳~44歳の既婚男女800人に「パートナーと協力して妊活できている」と回答したのは48.1%だった。

ピークだった20年度の60.3%から大幅に下がっている。

この原因についてロート製薬の担当者は、コロナ禍から元の生活に戻り、パートナーと向き合う時間が減ったからではないか、と考えている。

日本は無子率が世界一高い

1970年に生まれた50歳女性の無子率について、日本は27%と先進国で最も高い。(経済協力開発機構より)

この15年急激に増えている。

これは日本だけでなく、イタリアやスペイン、フィンランドなど先進国では無子率上昇が顕著だ。

しかし、この状況の中で、アメリカだけが例外的に16.3%から11.9%に減少している。

とは言え、生涯子どもを持たない女性が減ったが、一人当たりの出生数は減っている。

将来、男性の半分は子どもなしの生涯に?

女性の無子率のことに注目してきたが、相手があってできること。

実は男性の無子率もあり、女性より高いのだ。

なんとそれは4割近くになっている。

このままいけば、やがて男性の半分は生涯子なしで人生を終えることになる。

無子率が世界一であるのは、未婚率が高いことが原因だ。

出生が増えないのは、独身で歩む人が増えたからである。

政府が少子化対策で子育て世代の支援をしているが、実際のところ、未婚率が高いことの方が深刻なのだ。

「生涯結婚しない」

「結婚しても子どもは持たない」

と、子どものいない人生を決断したことは尊重されるべきだ。

しかし、「結婚したいのにできない」という“不本意未婚”や、「子を持ちたいけどあきらめた」という“不本意無子”は解決されるべき。

問題の本質は「生涯結婚しない」割合が増えたことでなく、「結婚したいのにできない」という“不本意未婚”が増えたことなのだ。

20歳~34歳の未婚男女のうち、不本意未婚は4割以上存在する。

ひと昔前、1990年代前半までは結婚を希望する人はほぼ全員が結婚できていた時代があったとは信じられない。

2005年から現在のような不本意未婚が増えた。

「少子化社会対策大綱」では、子育て支援より上位に「若い世代が将来に展望を持てる雇用環境等の整備」「結婚を希望する者への支援」があげられた。

これは少子化対策に向けた本質を突いたもので評価できる。

しかし、実際はまだその取り組みが整備されず、子育て支援へのバラマキ給付で終わっている。

その上、税金や保険料を除いた、自由に使える手取り額が圧迫されている状態だ。

それも子育てへの給付も大切なことだが、不本意未婚に対する具体的な対策もお願いしたいところ。

出生数が1人から2人に増えることより、0人から1人になるよう「結婚したいのにできない」が解決されることを願う。

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