フィギュアの「かなだい」が人気 髙橋大輔と村元哉中ペア
フィギュアスケートの村元哉中(かな)と髙橋大輔の「かなだい」ペアが人気を集めている。
2年に一度開催される国別対抗戦が4月13日に東京体育館で開幕。
アイスダンスのリズムダンスで村元と髙橋は自己ベストまで1.18点に迫る78.38点を記録し、6カ国の中で4位につけた。

快心の演技 髙橋「フォーって叫びました」
髙橋にとっては10年ぶりに帰ってきた国別対抗戦の舞台。
日本の先陣を切って「かなだい」が滑った。
2人が息のあったダンスを披露し、多回転の片足ターン「ツイズル」を決めていく。
滑り終えると観客はスタンディングオベーションで2人に歓声を送った。
ほぼノーミスで滑り切った髙橋は雄叫びをあげた。
「フォーって叫びました。
最初から最後まで、いいパフォーマンスができた。
シリーズ最後にリズムダンスをきれいに締めくくれてよかった」。
観客や仲間の後押しを受け、楽しみながら滑る姿が印象的だった。
村元は「後半だんだん体力的にキツくなってきたところでお客さんの声援がパワーになって、声援のおかげで最後まで滑ることができた」と語った。
応援した他の日本の選手たちと一緒に得点を待つ間、手作りの大きな兜をかぶるパフォーマンスも見せた。
これは野球のメジャーリーグでエンゼルスの大谷翔平やチームメイトが本塁打を打った時に、ベンチで本物の兜をかぶるセレブレーションが注目されており、真似したものとみられる。
チームの雰囲気の良さが伝わってくる一幕だった。

3季目のかなだい 息もぴったり
「かなだい」がペアを組んだのは2019年9月から。
今季が3シーズン目となる。
髙橋は男子シングルでは2010年のイタリア・トリノでの世界選手権で優勝し、2010年のバンクーバーオリンピックでは銅メダルを獲得した。
その後、2014年に一度引退し、アメリカ・ニューヨークに拠点を移して語学やダンスを学び、アイスショーなどに出演していた。
2018年7月に現役復帰を発表。
2018-19シーズンには全日本選手権で2位となり、世界選手権への出場も打診されたが、「若い選手が経験する必要性の方が大きい」と辞退して後輩に譲った。
2019年9月にアイスダンスに転向して村元とペアを組むことを発表した。
村元は女子シングルでは全日本選手権で10位の成績。
2014-15シーズンからアイスダンスに転向し、野口博一とペアを組んだ。
その後、クリス・リードとペアを組み、2015-16シーズンの全日本選手権で初優勝。
2018年の平昌オリンピックにも出場した。
「かなだい」となってからはアメリカを拠点とし、2021-22シーズンに四大大陸選手権で2位となり、アイスダンスの日本勢史上最高となる銀メダルを獲得した。
結成当初は髙橋が「テクニックの部分に目を向けることができなかった」と振り返るなど、難しい面もあったが、フロリダで共に時間を過ごす中で滑りを合わせてきた。
村元も「息とかタイミングも合ってきて、全体的にベースが底上げできた」と語る。

髙橋は16年ぶり思い出の「オペラ座の怪人」
14日はフリーダンスで「オペラ座の怪人」を披露する。
髙橋は2007年の世界選手権で同じ東京体育館で「オペラ座の怪人」を舞い、銀メダルを獲得した思い出の曲。
16年ぶりに再びその曲で踊る。
髙橋は「初めて世界選手権でメダルを取れたのが東京体育館で、その時もオペラ座の
怪人で、まさかシーズン最後に東京体育館に16年ぶりに戻ってきて、またオペラ座の怪人を滑れるというのは狙っていなかったので。
まさかね、すごい奇跡的だなっていう風に思ってるんですけど、終わった後に、なんかここにつながってるのかなと思えるような演技ができればいいなと思います」と語る。
日本が国別対抗戦で優勝したのは2012年と17年。
12年は髙橋が、17年は村元がそれぞれ主将を務めた。
今大会は「かなだい」として日本を引っ張る。
