ついにジブリパークがオープン!233万円分購入の客も!
1日愛知県長久手市に「ジブリパーク」がついにオープンした。
事前抽選制にも関わらず、朝から大行列となり、パーク外までファンの姿が見られた。
ショップで233万円分購入の客も
第1期となる今期は「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリアがオープン。
オープン初日は、今回指揮を執ったスタジオジブリの宮崎吾朗監督が来園者を出迎えた。
待ちに待ったジブリパークを存分に楽しむ来園者から、歓喜の声が聞こえてくる。
「映画の世界そのままで、本当にすごかった」
「ジブリ好きな人だったらたまらない」
一方、チケットを取れなかった熱いファンたちもパーク外に集う姿が。
「雰囲気を見に来ました。第3希望まであったので応募したが全部外れちゃいました」
チケットはないが、せめて外からでもジブリの世界観を味わいたかったとのこと。
ひときわにぎわいを見せていたのが、メインエリア「ジブリの大倉庫」だ。
レジを待つ客の列は店外まで続き、30分近く並ぶほどだった。
グッズや土産選びを楽しむ中、なんと一度の会計で233万円分を購入する客の姿も。
運営するジブリパーク社によれば、ショップでは100万円を超える腕時計など高額商品も扱っている。
愛知県の大村秀章知事は「足りなくなったらすぐにグッズを運べるよう近くに倉庫も用意しており準備万端だ。
どんどん補給し満足して帰っていただけるようにしたい」と述べている。
第2期は、来年秋以降「もののけの里」と「魔女の谷」のエリアがオープン予定。

鈴木敏夫氏よりオープンの裏話
スタジオジブリ代表取締役プロデューサー鈴木敏夫氏が、オープン前に宮崎駿監督とジブリパークを観に行ったときのことだ。
宮崎監督は『子どもの街』と『ネコバスルーム』を見て、「俺には思いつかない面白さがここにはある」と、いたく喜んでいたと言う。
息子である宮崎吾朗監督のことは、普段ライバル視して褒めないそうだが「俺には真似ができない」と何度も言っていたというのだ。
ジブリパークの制作現場を指揮する宮崎吾朗監督の仕事ぶりを絶賛していたとは期待が高まる。
鈴木敏夫氏は宮崎吾朗監督が何を作っているのか、あえて知らなかったと言う。
改めて見たら、鈴木氏が描いた『ギブリーズ episode2』のキャラクターが使われていたことに驚いたそうだ。
「それはどこで使ってもいいなという自由さがあり、そこが面白いと思いました。
解き放たれて自由になった方が、五郎君は面白いものを作るなと思いましたね」と、コメント。
「青春の丘」エリアにある「地球屋(耳をすませば)」を再現した施設も「面白かった」そうだ。
さらに「どんどこ森」にある「サツキとメイの家」について、「パークの中心になっていて、僕としてはそれが意味のあることだなと思いました」と、述べた。
三鷹の森ジブリ美術館は、子どもたちのために作ったそうだが、実際子どもたち以上に多くの大人も訪れている。
ジブリパークは子どものための場所になったという実感が湧いたそうだ。
最後にジブリパークを楽しみにしている子ども達に向けて、「世の中にはさまざまな価値観がある中で、僕は楽しいか、つまらないかという基準は大事だと思っています。
子どもたちにはこのジブリパークで、『世の中には楽しいことがいっぱいある』ということを知ってもらいたいです」と、語った。

気になる入場方法は?
各エリアへの入場には、日時を指定したチケットが必要。
チケットはこれまで、アクセス集中による混乱を避けるため、抽選制(入場3ヶ月前)、先着順(入場2ヶ月前)で販売してきたが、2023年2月入場分(11月10日午後2時発売開始)からは抽選制を終了し、3ヶ月前の毎月10日より先着順でチケットを販売する。
「青春の丘」は「ジブリの大倉庫」とのセット販売となり、チケット購入時には、「青春の丘」の入場時間を指定し、「ジブリの大倉庫」へはその前後の時間(最終入場は15時まで)に入場することができる。
よって、チケットは次の3種類だ。
(1)「青春の丘」「ジブリの大倉庫」セット券(平日3000円、土日休3500円)
(2)「ジブリの大倉庫」(平日2000円、土日休2500円)
(3)「どんどこ森」(平日、土日休とも1000円)。
別途、チケット1枚の発券につきシステム利用料110円がかかる。
チケットの購入は、Boo-Wooチケット、全国のローソン・ミニストップ店頭の「Loppi」より。

現実となったジブリの世界
ジブリパークの建設費の340億円は愛知県が負担し、管理会社は中日新聞社とスタジオジブリが出資している。
年間来場者数180万人、経済効果は480億円の見込み。
オープン日の賑わいから、関係者の期待通りだったのではないだろうか。
ディズニーランドなどのような派手なアトラクションはなく、そこは競合しないよう差別化されている。
この勢いを保ち、成功して欲しい。
スタジオジブリの作品は様々な地域、世代にファンがいる。
スタジオジブリは、作品の舞台となった場所を「架空の話」ということで、一切公認しない姿勢を貫いている。
そのため、「モデルになったと言われる」という地域はあったが、明確に「ここだ」と言われる場所はなかった。
アニメツーリズム協会の「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にジブリ作品は一つも入っていない。
現実世界を舞台にしていないからこそジブリパークがその世界を体現し、作品にかかわる「現実の場所」を今回ファンに提供することになった。
海外の観光客も解禁されつつあり、今後どのような観光地になるのか楽しみだ。
