「ゴルゴ13」作者死去後も継続して連載する意向 生前に残した想い
目次
「ゴルゴ13」の作者であり、漫画家のさいとう・たかをさんが24日、すい臓がんにより亡くなったことが分かった。
享年84歳だった。
1968年11月から小学館「ビッグコミック」で連載中だった「ゴルゴ13」は超一流のスナイパー(狙撃手)・暗殺者「ゴルゴ13」ことデューク東郷の活躍を描く物語になっている。
単行本の刊行数は単一マンガシリーズとしては世界一となる202巻に上り、2021年3月時点ではシリーズ累計発行部数は3億部を突破しているという。
そんな超ビッグコミック編集部では「今後は、さいとう・たかを氏の遺志を継いで、さいとう・プロダクションが作画を手掛けるとされ、脚本スタッフとともに「ゴルゴ13」の連載を続けていくと伝えた。
編集部によると、さいとう・たかを氏のこれまでの功績に関して賞嘆と感謝を述べるとともに、生前にさいとう・たかを氏が残した、本作への想いも綴った。
「さいとう氏は生前から、自分抜きでもゴルゴ13は続いていってほしいとと言われていた。今後はさいとう・たかを氏のご遺志を継いだ、さいとう・プロダクションが作家を手掛けるとともに、脚本スタッフ、ビッグコミック編集部とで力を合わせ「ゴルゴ13」の連載を継続していく」と伝えている。
本ページではさらに、1968年から続いてきた超大作、「ゴルゴ13」について振り返るとともに、どのような内容なのかということを伝えていきたいと思う。
ゴルゴ13とは一体何者なのか
まず、主人公であるゴルゴ13ことデューク東郷について。
ゴルゴ13とはコードネームのことをいい、デューク東郷または東郷十三と名乗ることが多い。
しかし、これらも本名ではなく、あくまで偽名として使用されている可能性が高いと言える。
ゴルゴ13は180㎝超えの身長、体重が80キロ前後と大柄で銃器や刃物などのあらゆる武器に加え、格闘センス、乗り物の操縦能力なども高い。
さらに、数十各国語の言語を扱うことができる超一流の殺し屋だ。
無口であるが常に冷静沈着で遠く離れた位置から正確に的を得ることができる高い狙撃能力を有している。
大抵、自分一人で何でもできてしまうが、門外漢な分野は専門家を雇うなど戦略的な頭脳も持ち合わせいる。
しかし雇った専門家を酷使することが多く無茶難題な注文を押し付けるが、その分の報酬はしっかりと払う。
ゴルゴ13の愛用している銃は「M16」で狙撃銃ではなく、アサルトライフルという全自動射撃に加え、半自動射撃の切り替えが可能な着脱式マシンガンを備えた突撃銃を使用している。
射撃制度が劣る突撃銃を使用している理由については「俺は一人の軍隊だ」という風に語られている。
しかし、狙撃する位置が遠すぎる場合にはさすがにM16ではなく遠距離狙撃に適した銃や依頼内容に適した拳銃から重機関銃、バズーカなど幅広い銃器や火器を使用している。
一匹狼的要素が強く、勢力争いなどには興味がなく、あくまでも「己のルールを厳守すること」や「依頼を完遂する」ことを重要視しており、報酬以外の金銭を受け取ることを硬く断っているほど、厳格な面がある。
その他、人種、国籍、経歴など能力以外の情報については謎に包まれている。
ゴルゴ13の特徴的な行動主義
握手をしない
ゴルゴは「利き腕を他人に預けるほど自信家ではない」ということから、一切誰とも握手をしない。
ただし、潜入捜査や情報を入手するために、行分ければならない任務の時には握手をする。
任務遂行のため握手をした際には相手の筋力を測り、任務を遂行するための敵の力量を用心深く分析する。
仕事前に娼婦を呼ぶ
理由は明らかにされていないが、一種の験担ぎではないかと言われている。
他人に背を見せない
プロの殺し屋らしく、人の話を聞く際などが壁に寄りかかるなど、決して他人には自分の背は見せないようにしている。
出されたものを疑う
職業柄、全てのものを疑う習性があり、飲食のものは先に相手にたべさせたり、薬を出された際も相手にまずは使用させたりなど自分の身を第一に守ることを徹底している。
熟睡から即座に覚醒
寝ている最中でも相手が近づくと、一瞬で気づき背後に回ることで反撃に出る。
高い学習能力
新しく身に付ける知識や技能の場合は専門家に直接教わるが、1週間という短い期間で習得してしまうなど高い学習能力を持つ。
0.17秒
後ろを振り向きつつ拳銃を抜いて、撃つまでの時間。
任務外における生命への不介入
トレーニングの道中で、転がる鶏の卵を無理な体勢で避けるなど、普段目にしない行動をとることがある。
ゴルゴ13の名言集
ゴルゴ13は大柄な体の持ち主で、太い眉毛やもみあげを持ついかつい坊主頭の超一流のスナイパーである。
デューク東郷ともいわれ、数々の伝説を作っています。
そんなゴルゴ13の中でも名言とされてきた言葉をご紹介していきたいと思います。
① 「10%の才能と20%の努力、そして30%の臆病さ。残る40%は運だろうな」
② 「俺は本能的に後ろに立つ者を排除する」
③ 「利き腕を人に預けるほど俺は自信家じゃない、だから握手という習慣も俺にはない」
④ 「ふふふ・・・女は信用しないことだ」
⑤ 「人を殺す時にはつまらんおしゃべりをしてるひまに引き金を引くことだ」
⑥ 「けっこうだ、俺はどこででも眠れる」
⑦ 「俺はただ、依頼者が絶対的に求める技量と価値観を身に付けるようこころがけているだけだ」
⑧ 「おまえ、プロの掟を知っているな?プロは二重に仕事を引き受けないことだ」
⑨ 「侵入が困難な守りの固いところほど脱出への備えは甘いものだ」
⑩ 「誇りは気高いが過剰になれば傲慢だ」
⑪ 「感情と規律は本質的にちがうものだ」
⑫ 「俺がウサギのように臆病のせいで、こうして生きている」
⑬ 「その正義とやらはおまえだけの正義ではないのか」
さいとうさんは1936年11月3日に和歌山県で生まれた。
1955年に「空気男爵」で漫画家デビューをかざり、1968年「ビッグコミック」創刊号にて「探し屋はげ鷹登場!!」を連載。
そして同年、同誌にて「ゴルゴ13」の連載を開始し、同作で第21回小学館漫画賞、日本漫画家協会賞「大賞」、第50回小学館漫画賞審査委員特別賞を受賞した。
2003年には紫綬褒章、2010年に旭日小綬章を受賞。
2018年、「ゴルゴ13」連載50年、昨年2020年には画業65年を迎えた。