阪神近本が脇腹に死球 離脱避けられるか
プロ野球は7月2日、セ・リーグの巨人対阪神が東京ドームであり、2-2の同点で延長12回で決着がつかず、規定により引き分けとなった。
阪神の近本光司が7回に右脇腹に死球を受け、プレーは続けたものの重傷の可能性も出てきた。
3日に検査を受けるとみられる。

巨人-阪神は延長12回引き分け
試合は1回裏、巨人の1番ブリンソンが初球を逆方向へはじき返し、ライトスタンドフェンス際に飛び込む本塁打で1点を先行した。
阪神は4回、中野の二塁打と2四球で1死満塁とすると、6番ミエセスが足に死球を受け、1-1に追いついた。
続く梅野は三ゴロに倒れる。
さらに2死満塁で、木浪が右前適時打を放ち、2-1で一時勝ち越した。
しかし、巨人が4回裏に3番秋広が150キロの真ん中の直球をとらえ、右中間スタンドに運ぶ本塁打で再び同点となった。
7回、阪神は巨人のメンデスを攻め、1死一、三塁と好機を広げる。
ここで巨人はメンデスから左腕高梨へと投手を交代した。
打席には1番近本。
高梨が投じた初球が近本の右脇腹を襲った。
やや抜け気味の146キロが左打者の内角に向かい、近本はよけきれなかった。
近本は倒れた後にしばらくうずくまり、苦悶の表情を浮かべた。
それでも、立ち上がって一塁へ。
阪神は1死満塁の勝ち越しの好機を作ったが、続く中野は遊飛。
投手が高梨から鈴木に代わり、ノイジーは空振り三振で得点を奪うことができなかった。
巨人は9回裏に2死二塁と一打サヨナラの場面を作り、梶谷に代えて長野を代打に送った。
長野は変化球をとらえ、打球は岩貞のグラブを弾いたが、浮いた球を岩貞が捕り直して送球し、スリーアウト。
12回裏にも巨人は2死一、二塁の好機を作り、代打中田を起用した。
だが、中田は空振り三振に倒れ、2-2の引き分けに終わった。
近本、死球後もゴールデングラブの好捕
死球を受けた近本は7回のセンターの守備で、左中間への大きな飛球をフェンスにぶつかりながら好捕。
2021年、22年と外野手部門で2年連続ゴールデングラブ賞を受賞した技を見せた。
痛めた右脇腹付近がフェンスに接触したが、その後も最後までプレーを続けた。
試合後は近本は死球について「ノーコメント」と言及を避けた。
4日から広島との3連戦があるため、移動日の3日にも検査を受ける可能性がある。
近本はここまでリーグ戦73試合すべてにフル出場。
打率.275、4本塁打、35打点を挙げ、盗塁はリーグトップの12。
首位を走るチームを牽引するリードオフマンだけに、離脱につながる重傷はチームとしては避けたいところ。
近本は昨シーズンは30盗塁で自身3度目の盗塁王のタイトルも獲得。
2年連続ゴールデングラブ賞と合わせて走攻守で28歳の今季も好調を維持している。
ここまで73試合ながら42四球を選び、プロ5年間で最多だった昨シーズンの132試合41四球をすでに上回った。
選球眼が良くなり、出塁率も現時点でキャリアハイの.371を記録している。
1番近本とWBC(ワールドベースボールクラシック)日本代表の2番中野のスピードある上位打線が今季の阪神の象徴でもある。

18年ぶり優勝へ 近本と佐藤輝が鍵
首位を走る阪神だが、近本がもしも離脱となれば悩みの種が増えることとなる。
交流戦は7勝10敗と負け越し、10位に沈んだ。
6月下旬にはDeNAとの横浜スタジアムでの首位攻防3連戦で3連敗し、一時首位をうばわれた。
また、5番として期待されていた佐藤が不調から二軍での調整を命じられた。
昨シーズンは近大からの加入2年目でチームで唯一の全143試合出場を達成。
143安打を放ったが、今季は64試合で52安打、打率.229とその打撃が影を潜めている。
まだ一軍再昇格のめどは立っていない。
阪神の18年ぶりの優勝へ、近本の存在や佐藤の復調が鍵を握る。
