社会・文化

草野仁、37年間務めた『世界ふしぎ発見!』の司会を3月で勇退

クイズ番組の司会最長記録

1986年4月から放送されている人気紀行クイズ番組『世界ふしぎ発見!』(TBS系)の総合司会を、番組開始から37年にもわたって務めてきた草野仁が勇退し、後任を石井亮次アナウンサーが務めることが分かった。

草野は3月で司会を降板するが、4月15日放送の会からは、クイズマスターとして番組への出演は継続し、ヒントを出す役割などを担うという。

元NHKのアナウンサーとして知られる草野は、中国で生まれ、2歳で長崎県鳥原市に移住した。

父親は長崎大学名誉教授で数学者の草野萬三郎、母親は音楽教師。

東京大学文学部社会学科を首席で卒業し、1967年に、NHKに入局した。

1985年にNHKを退社した1年後に番組がスタートしたので、フリーに転身してからのキャリアのほとんどを『世界ふしぎ発見!』の司会として務めてきたことになる。

レギュラー出演者の黒柳徹子や野々村真も草野同様初回から出演を続けているが、今後もレギュラー出演するという。

番組は、「世界へ行こう、世界を知ろう」をテーマに日本国内や世界各地のあらゆる不思議を紹介しながら問題を出題する内容。

黒柳の豊富な知識による解答や、野々村のユニークな珍回答などが、長い間視聴者に愛され続けている。

37年間クイズ番組の司会を務めるのは日本最長記録で、放送回数は、レギュラー放送だけで1665回を数える。

『世界ふしぎ発見!』といえばミステリーハンターと呼ばれるリポーターがさまざまな土地に出向き、その土地や歴史にまつわるクイズを出題し、解答者が競い合っていた。

しかし、2023年になってからは、解答者全員がディスカッションして解答する形式に変更。

長い間親しまれてきた“ヒトシ君人形”がポイントを表示したり、答えを間違えるとヒトシ君人形が“ボッシュート”されたりする演出もなくなるなど、内容がリニューアルしていた。

さらに、番組の顔と言えるMCを交代し、放送38年目に突入することになった。

クイズマスターとして番組への出演は継続。
クイズマスターとして番組への出演は継続。

後任の石井アナの驚きと喜び

草野の後任に決まった石井アナウンサーは、現在同じTBS系で放送されている昼の情報番組『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!~』のMCとして人気。

愛知県のCBSテレビで活躍した石井アナは、2020年3月に退社して以来全国に進出。

ゴゴスマをはじめ数々の番組に出演し、活躍している。

石井アナは、草野の後任に決まったとき「驚きすぎて、しばらく声が出ませんでした」と明かした。

さらに、「幼い頃から見ていた番組に加われる!黒柳さんはじめ、皆々様とご一緒させていただけるなんて、望外の喜びでございます」と喜びを語った。

草野は「何と言っても、この番組の強さは、全スタッフが一丸となれるところ。想像を超える驚きをお届けします」と、

今後も番組のサポーターとして立場で盛り上げていくことを約束した。

そして、後任の石井アナには、

「37年間という信じられないほど長く続いたこの番組。

新年度は、新司会者に新風を吹き込んでもらい、より魅力的な番組になるように努めていただきたいです」

とエールを送った。

また、黒柳徹子は

「『世界ふしぎ発見!』が38年目に突入!!

感謝の気持ちでいっぱいです。

当初は、こんなに長く続くとは夢にも思っていませんでした。

1〜2年かなと思って、この番組だけは着物を着て出ようと決めましたが、なんと37年。

着物を用意するのも大変でした」と笑い、

「これまで数々の驚きや発見を、番組を通して見させていただき、まるで自分が海外に行ったかのような感動や喜びがありました!!

これからも、私自身より楽しみながら、皆様にとって魅力的な番組をお送りできるように頑張ります!」

とのコメントを寄せた。

後任の石井亮次アナウンサー。
後任の石井亮次アナウンサー。

イメージを裏切る多彩な才能の持ち主

現在79歳の草野は、東大出身の知性や優しそうな印象の外見、そしてソフトな口調などのイメージとは裏腹に、運動神経は抜群で肉体派としても知られる。

中学、高校時代は陸上選手として活躍。

大学時代は相撲で国体予選の出場経験もあるほか、剣道二段の有段者でもある。

NHK時代は、1976年のモントリオールや1984年のロサンゼルスなどのオリンピック中継をはじめ、数多くのスポーツ実況やキャスターとして活躍。

競馬中継も担当していたが、自身も大の競馬ファン。

2001年の菊花賞に出走したメイクマイデイの所有者でもある。

また、テレビ朝日系で放送されていた冠番組『草野☆キッド』やCMなどでマッチョな肉体やボケキャラも披露し、意外性が話題になった。

ベンチプレスでは100キロを超えるウェイトを上げ、リンゴを片手で握りつぶしたり電話帳を引きちぎったりする怪力の持ち主だった。

現在も、自宅でトレーニングを継続しているという。

歌唱力にも定評があり、CDをリリースしたりテレビ番組で度々歌声を披露したりなど、多方面にわたり多彩な才能を発揮している。

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