大谷翔平は780億円の価値? WBC優勝で再評価 イチローがダル労う
WBCワールドベスボールクラシックで2009年以来、3大会ぶりの優勝を果たした日本代表「侍ジャパン」。
選手たちは所属チームに戻り、新たなシーズンの開幕に向けて準備している。
その中でもMVPを獲得した大谷翔平(エンゼルス)の評価はうなぎ上り。
オフにフリーエージェント(FA)を獲得する見込みの大谷は6億ドル(約780億円)規模の争奪戦も予想される。
最年長でチームを牽引したダルビッシュ有(パドレス)は共に2009年のWBCを戦ったイチロー氏から祝福を受けた。

大谷がMLB選手ランキングで1位に
WBCでMVPを獲得し、名実共に世界トップの選手となった大谷。
WBCでも二刀流で大活躍し、打率.435、投手としては2勝1セーブで優勝投手にもなった。
2018年からプレーするエンゼルスでは、なかなかポストシーズンの緊張感がある試合を経験できていない。
WBCでは高校時代に甲子園でプレーしていた時の大谷のような、楽しみながら全力でプレーする姿が印象的だった。
準々決勝のイタリア戦では一球ごとに大きな声をあげて力投し、イタリアが守備で極端に右に寄った「大谷シフト」を敷けば、セーフティーバントを決めてチャンスを広げる賢さも見せた。
こうしたプレーが大谷のアメリカでの評価をさらに高めた。
米スポーツ専門局のESPNは、メジャーリーグの専門家ら5人による「MLB選手ランキング100」を発表。
3位ジャッジ(ヤンキース)、2位トラウト(エンゼルス)を上回り、大谷が1位に選ばれた。
大谷について「2023年のシーズンに向けて、大谷が1位になることは誰も驚かないはずだ。
WBCでの活躍を見ていると、大谷が世界最高の野球選手であることは明らか。
MVPに匹敵するようなシーズン、さらには5億ドル(650億円)超の契約を期待したい」と評価した。
WBCの前には、ニューヨーク・ポストが「大谷翔平はMLB初の6億ドルのプレーヤーになるか」という記事を掲載。
ドジャースやジャイアンツ、メッツ、マリナーズやヤンキースなど複数の球団が獲得に向けて動く可能性があると報じた。
2023年シーズンに大谷がどのような活躍を見せるのかと同時に、オフの移籍を含めた契約関連も大きな注目を集めそうだ。

イチロー氏がダルを祝福の抱擁
ダルビッシュは3月26日のマリナーズとのオープン戦を前に、マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏と再会。
握手を交わしダルビッシュはイチロー氏から祝福の抱擁を受けた。
2009年の大会では決勝の韓国戦でイチロー氏がセンター前への決勝打を放ち、最後はダルビッシュが三振を奪って世界一に輝いたふたり。
多くを語らずとも共有している思いがある。
今大会に向けてダルビッシュは2月17日の宮崎合宿初日から参加。
イチロー氏にならって36歳の最年長としてチーム作りに力を注いだ。
この姿勢をイチロー氏は「今回何よりうれしかったのは、ダルが日本代表の招集日初日から参加してくれたこと。
2009年の最後のメンバーですから。
ダルの思い、意気込みも含めてチームを引っ張るという覚悟。
繋げてくれている証だと僕は思っている」と語っていた。

ダル「イチローさんも結構大変だったんだな」
イチロー氏の言葉に対し、ダルビッシュは「もちろん光栄ですね。イチローさんに褒められることなんてないと思うので」としたうえで、
「大会期間中イチローさんと自分のやり方は違ったと思いますけど、置かれている立場というのはすごく似ていたので、
『イチローさんも結構大変だったんだな、やっぱり』とか、いろいろ考えることはありましたね。
覚悟というか、自分がどういうことを求められているかというのは、自分の年齢だったり、今までの経験だったりというところで、理解はしてましたので。
だから、そこはちゃんとできたのかなというところはあります」と振り返った。
例年はアリゾナの温暖な気候でキャンプをしているが、宮崎の寒い環境ではコンディションが思うように上がらなかった。
それでも、若手投手の質問に答えたり食事会を開いたり、自分よりもチームを優先した。
ダルビッシュは新シーズンの初登板、4月4日(日本時間5日)の本拠地でのダイヤモンドバックス戦に向けて調整を進めている。
