コロナ第8波!死者が急増している理由と新たな心配
コロナウイルスによる死者数が過去最多を記録
新型コロナウイルス感染症第8波の感染拡大は年明けも止まらず、1月11日に確認された新たな感染者は20万3,000人を超えた。
死者数は過去最速のペースで推移しており、11日には初めて500人を超え、過去最多を記録。
1月5日に記録した498人の記録を更新し、第7波を超える速さだと指摘する声もある。
2021年11月以降の死者数は毎日3桁を記録しており、11日に最も多い死者数が確認されたのは福岡県の45人。
愛知県32人、大阪府31人、東京都29人と続いている。
そのほか、山梨、静岡、三重、滋賀、愛媛、高知、福岡、大分、宮崎の計9県で死者数が過去最多となっている。
そして、都道府県別の新規感染者数は東京都1万6,772人、愛知県1万5,918人、大阪府1万4,024人。
第7波に比べても、感染力や感染するスピードが異様に速く、何倍もの速さで急増している状況だ。
何より気になるのは、感染者以上に死者数が急増している点。
特に、60代以上の死者が顕著に増えている。
死者数の増加には、感染拡大に医療が追い付いていないことも要因にあるという。
政府は今年の春にも新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げることを検討しているが、厚生労働省の専門家組織は11日に会合を開き、「(引き下げには)もうしばらく時間がかかる」との見解を公表。
引き下げる場合も、医療機関の診療体制や入院調整機能を確保するなど、医療への負担を踏まえて段階的に引き下げを行うべきだとしている。
専門家組織は、「重症化率は低くても、極めて強い感染力をもっているオミクロン株へのリスクがある」とし、一定の対策を継続する旨を訴えた。
岸田文雄首相は、1月4日に行われた年頭記者会見において「今年こそ平時の日本を取り戻す」と語り、コロナ禍からの社会経済の回復を誓った。
感染対策の停滞感や自粛疲れが見られる中、政府としては5類への引き下げが大きな一歩となるとの考えだ。
しかし、現在の感染拡大の状況の中、5類に引き下げられると医療費やワクチンが自己負担になるため、混乱が生じることが懸念される。
政府としてもタイミングを慎重に行う必要があり、専門家組織の意見を踏まえたうえで、5類への引き下げを視野に入れつつも対策の見直しを進める方針だ。

死者数増加の要因とは
専門家組織の会合後、脇田隆字座長が記者会見を行い、死者数増加の要因について「基礎疾患の悪化や老衰をコロナで後押ししている可能性があるが、それだけではない」と述べた。
そして、「今後、調査や分析が必要」だと指摘。
厚生労働省が会合に提出した集計によると、1月10日までの直近1週間の新規感染者数は、前の週より全都道府県で1.28倍の増加。
脇田座長は「年末年始の休診や検査の減少の影響で報告数が減少したこともあるが、非常に高い感染レベルだ」と指摘。
厚労省の集計で、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は全国で934人。
最多は宮崎県で1,898人、続いて佐賀県の1,701人。
西日本の多くの県で1,000人を超えており、さらに石川、徳島、鹿児島、沖縄では前週比1.5倍以上となっている。
病床使用率も全国的に上昇しており、救急車の到着後も搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」の増加も続いている。
総務省消防庁は11日、3週間連続で過去最多を記録していることを発表。
専門家組織によると、全国的に流行入りしている季節性インフルエンザの増加も見込まれることから、「冬休みが終わり、学校が再開した後は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に注意が必要」としている。

インフルエンザとの同時感染のリスク
新型コロナウイルスとインフルエンザに同時感染した場合、重症化しやすいリスクもある。
家庭内で、1人がコロナ、1人がインフルエンザに感染するという事態になれば、同時感染は一定の確率で起こるという。
同時感染した場合、重症化するリスクは新型コロナウイルスのみに感染した場合の約4倍、死亡する割合も約2倍になるという。
正月や3連休が明け、学校が本格的に再開した今、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が増えることが予測される。
普段から手指の消毒や、屋内にて人と近距離で接するときはマスクを着用することを心掛け、発熱などの症状がある場合は学校や仕事を休み、ほかの人との接触を避けて休養することが重要だ。
さらに、現在アメリカで急速に拡大しているオミクロン株の1種「XBB.1.5」が日本に流入してくることも心配されている。
松野博一官房長官は11日、XBB.1.5が、日本国内で4件確認されたことを明らかにした。
XBB.1.5は従来のオミクロン株に比べ、ワクチンや過去の感染による免疫が通用しにくい性質があり、もし国内で流行した場合は今以上の速さでの感染拡大は避けられないと見られている。
2023年になり、人々の中にコロナ慣れのような状態が見られるが、依然として感染拡大が続き、インフルエンザも感染が増加している中、新たなオミクロン株まで出てきて、依然として安心できない状況が続いている。
