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瀬戸内寂聴さん99歳死去、作家・僧侶 文化勲章受章者

「夏の終わり」「美は乱調にあり」などの情熱的な愛と生を綴った小説や法話などの活動で知られる作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏が9日に京都市内の病院で亡くなったことが分かった。

瀬戸内さんはこれまでに400冊以上もの本を出すなど、ベストセラー作家として長きにわたり活躍してきたが、一方で自身の恋愛も波瀾万丈の人生であった。

次女として生まれ、20歳で東京女子大在学中に最初の夫と結婚した。

そして卒業後の5年後、夫の赴任先の北京に渡るが、夫の教え子と恋に落ち、3歳の娘を残して家に出た。

さらに作家の井上光晴との道ならぬ恋を終わらせようと、51歳で出家を選ぶ。

出家を選んだ寂聴さんは出家が人生最大の「捨てること」だったと振り返り、こうつづっていた。

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「捨てることは手に入れることよりもエネルギーがいる」

そして捨てて後悔してきたのは、子どもだとした。

「もとはいいお手本になるような嫁だったけれど、25歳の時に3歳の娘と夫を置いて、家を出た。

小説を書きたい、才能を生かしたい、無知な女でありたくない、そういう一心で不倫相手のもとに向かった」

当時を振り返り、決して無力で非力な子供を捨てるような真似はうあってはいけないと、本当は一緒に子供を連れていきたかったが、女一人でまともに食べさせていくことはその時代でできなかった。


父親のもとであれば娘が食べるのには困らないと考えてやったが、今でも後悔は尽きないと語った。

無償の愛
無償の愛を持って生きることができるだろうか

人間はなぜ多くのもを持ちたがるのか、なぜ欲には際限がなく過剰に生まれてしまうのだろうか、当時91歳だった寂聴さんが明かした「捨てる哲学」とは・・・

人間は生まれた時から欲があり、よりよい豊かな暮らしをしたい、さらにもっといい相手に巡り合いたい、欲や煩悩が尽きないのは当たり前で、それを捨てたからと言って穏やかな日常は送れるかもしれないが、豊かな人生だとは言えない。

だから、捨てられないのは人間だからとしか言いようがない。

自分以外の誰かを愛することに関しても、無償の愛というのはなかなかないものだ。


無私を装いながら、根底では相手に尽くしたい自分の欲を満たしているのに過ぎない。


親から子どもへの愛も期待に応えてくれないと怒りの感情になったり、何らかの将来の見返りを期待していたり。

しかし、そのように欲深い生き物だからこそ、それらも含め人間はいじらしい存在であるとしている。

さらには欲望はどんどん欲望を生み、最近では過剰にとどまることを知らないよう精子提供や卵子凍結など、子どもを産む際でも、とにかく何でもできるも技術や手段は使い、目的を達成しようとしている。

人間が持つ欲求とは
私たち人間が持つ欲求とは一体何なのか

他にも綺麗に若くありたいという欲望も整形技術でいくらでも達成できる。

以前は今とは違い整形に失敗すると後悔もしたけれど、今ではそういった後悔しようがないくらい技術が進み、完璧に出来上がるくらい欲がコントロールできなくなってきている。

原発はその代表例であるかのように、人間は何でも自分たちの手でできるという自信過剰の思い上がりがあるようだ。


原発があるのも、より良い暮らしやより便利な社会を手に入れたいという欲の結果だ。

しかし、原発事故により多大な被害出ていることには目を背けてはならない。


原発の再稼働はもっとのほかで、捨てるべきものは原発であり、原発事故で困っている人たちのことを決して忘れてはいけない。

人が過剰な欲を求め続けるのはなぜなのか、なぜ生まれるのだろうか。

自分らしく生きる
自分らしく生きることに価値がある

それは、その欲が本当に自分がほしいものではなく、他人の目を気にした結果なのだ。


洋服一つをとっても本当に自分に似合うものはこの1枚なのに、コロコロと流行が変わるため、そのたびに増えていってしまう。

結婚相手を選ぶときも、本当に自分が好きなのはこの人のはずなのに、他人の目すなわち学歴や務めている会社などを気にしてしまう。

自分が満足したらそれでいいはずなのに、他人の目が入ってくるために欲にきりがなくなってしまう。

人間は他人の目を気にするばかり、自分が本当に好きな物、ほしいものではなく、それ以外のものを過剰に欲してしまう生き物なのだ。

しかし、そういう過剰なものは手に入れるときの欲だけ満たされれば、あとはすぐに飽きてしまい手放してしまいたくなり、また新たな過剰なものを欲してしまう。

例えば自分が本当にほしいと心のそこから願い、手に入れた服であるのであれば、ほつれを直してでも長く着続けようとするし、例え着れなくなったとしても他人にあげてでも、もっと生かそうとする。

しかし、流行に流されてしまえば飽きるし、すぐにまたその時の流行のものを欲しくなるように、流行など周りの目ほどいい加減なものはないだろう。

モノでも人間関係でも、全て厳選して手に入れるようにすることが大切であり、自分好みで選ばなければならない。

最近ではインターネットや携帯電話があるから、色んな情報が入ってくるようになり、ますます他人の目が気になるし、あんなものがあるから悪いと批判する年配者などがいるが、そういうのはたいてい僻み。

10年後には今では思いもつかないようなものなど新しい技術ができている。


それだけ、欲望を掻き立てられる状況や選択肢が増えているので、他人に流されない、自分の好みを持つことが大事だ。


それが欲を適度にコントロールし、捨てるものを過剰に増やさない秘訣じゃないのではないかと述べた。

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