日本の誕生石10石が加わる 63年ぶりに改定で選択肢が拡大!
クリスマスがもうすぐというこの時期、パートナーにプレゼントを贈ったり、頑張った自分にご褒美を、という方も多いのではないだろうか?
特に宝石をあしらったアクセサリーは喜ばれること間違いなしだ。
自分へのプレゼントなら迷うことはないだろうが、普段宝石に縁がないとか疎いという方々は、どれを選べばよいのか困ってしまうことだろう。
そこで、懐に余裕がある方は誕生石を基に選んでみてはいかがだろうか。
というのも、この度63年ぶりに日本の誕生石が改定されて新しく10の宝石が追加となり、選択肢が増えることとなった。
12月20日全国宝石卸商協同組合(東京都千代田区)が会見を開き、改定を行ったことを発表した。これによって、日本の誕生石はいままでの19石から29石へと大幅に増えることとなった。
今回追加された10種類の石をご紹介しよう。
2月はクリソベリル・キャッツアイ(猫目金縁石)、3月はブラッドストーン(血石)とアイオライト(菫青石・きんせいせき)の2つ、4月はモルガナイト(モルガン石)、6月はアレキサンドライト(金緑石)、7月はスフェーン(楔石)、8月はスピネル(尖晶石)、9月はクンツァイト(リチア輝石)、そして12月はタンザナイト(灰簾石・はいえんせき)とジルコン(風信子石)の2つ、である。
全国宝石卸商協同組合によると、国内ではさまざまな種類の誕生石があり消費者が混乱していたため、業界で統一することにしたのがこの度の改定の理由だという。
それに加え、新型コロナウイルスの感染拡大によって宝石業界も痛手を負ってしまった。
この度誕生石を改定して新しく宝石を追加することで、消費者が選べる幅が増え、宝石に対する関心がさらに高まることを期待している。
これからクリスマス、お正月、そしてバレンタインとイベントが続くこの時期に誕生石の改定を発表したのはタイミングとしては絶妙だ。
日本の誕生石は昭和33年(1958年)に全国宝石卸商協同組合がアメリカの宝石商協会(現・ジュエラーズ・オブ・アメリカ)の定める誕生石を基礎にして、それに日本独自の宝石であるサンゴとヒスイを加えて制定したものである。
そもそもの誕生石の概念は、旧約聖書にある宝石12石をもとに、アメリカの鉱物学者がそれを月ごとの守護石として整理、その後1912年にアメリカの宝石商組合が定め、1952年に改定して定めたものが基準である。
その後、誕生石という習慣がイギリスやフランスといった他国にも広がっていったが、それぞれ国によって多少の違いがある。
では、この度追加された宝石はどのようなものなのだろうか?全国宝石卸商協同組合の資料を参考にしてここにご紹介しよう。
2月クリソベリル・キャッツ・アイは和名「猫目金縁石」で古くから知られている。
2月22日が日本の猫の日、2月17日がヨーロッパの多くの国で世界猫の日と定められている。
そのため2月の誕生石とした。
またこの石は「目が出る」という良い意味を含んでいる。
3月、アイオライトはギリシャ語の紫色と石という言葉に由来しており、和名は「菫青石(さんせいせき)」。
方向によって青紫色、灰黄色、淡青色がの3色がみられる。アイオライトの鉱石名コーディエライトが地質学者の名前にちなんでいるため、この地質学者の誕生月である3月の誕生石とした。
また、ブラッドストーンは和名「血石」、細かい粒の石英の結晶が集まってできたジャスパー(碧玉)の一つで、赤や赤褐色の斑点がある。太陽を呼び戻す石ともいわれている。
4月、モルガナイトはベリル(緑柱石)のピンクからオレンジピンク色のもので、エメラルドやアクアマリンと同じ鉱物だ。
モルガナイトの名前は1911年にアメリカのモルガン財閥の創始者モルガン氏にちなんで名づけられた。
このモルガン氏の誕生月が4月、そしてこの石は日本を代表する花である桜の色合いを持っていることから4月の誕生石とした。
7月、スフェーンは結晶の形が楔(くさび)形なのでギリシャ語のくさびを表すスフェノスに由来している。
よって、和名も「楔石」だ。1787年にヨーロッパの科学ジャーナリストで実験的自然哲学者ピクテによってスフェーンが新種の鉱物と初めて認識された。
このピクテの誕生月が7月であること、そしてスフェーンの輝きが強く日本の夏の森のような色合いがあることから7月の誕生石とした。
9月、クンツァイトは鉱物スポジュメン(和名「リチア輝石(きせき)」)のうちのピンク色から紫色をした変種のことで、方向によって紫色、ピンク色、無色の3色がみられる。
1902年にこれを発見した鉱物学者クンツにちなんで名づけられた。このクンツの誕生月が9月であったため9月の誕生石とした。
6月のアレキサンドライト、8月スピネルそして12月タンザナイトとジルコンは現ジュエラーズ・オブ・アメリカが誕生石に追加したため、日本の誕生石にも追加した。
せっかく選んで買った宝石、保管方法によってはだめにしてしまうこともあるので注意が必要だ。いつまでも美しいコンディションを保つために、次の4つに気を付けよう。
まずはじめにを直射日光を宝石に絶対当てないこと。
日光は変色、劣化する原因になる。
次に、防虫剤、乾燥剤を入れないこと。
実は宝石には適度な湿度が必要なのだ。
乾燥剤は劣化の原因になるので気を付けよう。
そして3つ目はこまめに洗って油分をためないこと。
身につけるものなので自然に皮脂や油が付着してしまう。
そこで洗剤を使わずにぬるま湯で優しく洗浄してこれらの付着物を落としてあげよう。
最後に、宝石がぶつかったりかさなったりしないように、空間を持たせて保管すること。
硬度が違う宝石をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと、思わぬ傷の原因となる。
大事な宝石にはゆったりした場所に保管しよう。
誕生石を身につけると幸運が引き寄せられる、または石が危険から身を守ってくれる、と言われている。
信じるかどうかは別としても、選択肢が増えた誕生石のなかから自分の、またはパートナーにピッタリな石を選ぶというのは、暗いニュースが多い昨今なんだか心ワクワクする話ではないか。