水際対策緩和後、初の週末
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訪日外国人による爆買い「140万円分」
7日より新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、初めて迎えた週末。久々に多くの外国人が観光地を訪れ、賑わう姿が見られた。

円安による爆買い「140万円」
水際対策の緩和により、外国人観光客にとって日本旅行への敷居が低くなった。日本に訪れる楽しみの一つとして挙げられるのは、円安による買い物だ。
シンガポールから訪日した男性より。
「今日は1万ドル(約140万円)買い物をした」
ハイブランドのバッグや、高級ウイスキーを購入。一日の買い物額は、なんと140万円だった。
「これだけ買った理由は円安だ。日本で買い物するほうが安い。同じものでも、シンガポールは3割高だ」
歴史的な円安となっている日本。7日には一時1ドル145円に迫り、24年ぶりに記録的な円安となった。それにより、外国人観光客は外貨を円に両替することで、安く買い物できるのだ。

円安で秘密に婚約指輪を購入
買い物天国日本を満喫している、アメリカから来たマイクさんに話を聞いた。
マイクさん:「ドルと比べたら5割くらい得なので、日本の買い物は最高。日本らしい婚約指輪を買いたい。(婚約者には)秘密に」
アメリカに住む婚約者には内緒で、婚約指輪を買いたいというマイクさん。早速、友人と指輪を選んでいく。
マイクさん:「アドバイスは『ダイヤモンドがあった方がいい』でしょ。考え中だ」
マイクさんの友人:「結婚指輪はダイヤモンドが入っていないけど、婚約指輪は入ってる方が特別に感じる」
マイクさん:「木目入りの指輪が気に入った。日本らしいデザインだ。日本滞在中に買うつもり」
11月までの滞在中に、円安に乗って購入するそうだ。

アニメグッズも爆買い「また買い物に来ます」
日本ならではの買い物リストにはこんなものもあった。
日本アニメの大ファンだというアメリカ人留学生の2人が、初めに向かったのは秋葉原だ。
アメリカでも人気が高いアニメのフィギュアとDVDを購入し、次に訪れたのはゲームセンター。
初めてクレーンゲームに挑戦し、3000円使っても景品は取れなかったが、楽しんだとのこと。
その後、玩具店でお目当てのプラモデルを見つけた。
少し悩んだ様子だが、4400円でプラモデルを購入。
アメリカでは、倍の値段だという。
他にも、アニメグッズやTシャツなど、計6点で2万1200円の買い物になった。
アメリカ人留学生:「欲しいものが次々出てきて、アメリカより安いので、思わず手が伸びた。最高だった。必ずまた買い物に来るよ」

これからの水際対策は
政府は、新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和し、入国者数5万人の上限の撤廃や個人旅行の解禁を行う方向で調整を進めている。
取得に時間がかかることから、外国人旅行客にとってネックとなっていた観光ビザも免除する予定だ。
その対象として、ワクチンの3回目接種か、入国前の陰性証明書の提示を義務づける方針である。
入国者数の上限を撤廃し、ビザなし入国が再開されると、円安によって一気にインバウンド(訪日外国人観光客)が増え、日本経済にプラスになるだろう。

水際対策緩和による問題点とは
水際対策が緩和される一方で、厚生労働省は新型コロナの感染症法上の扱いを季節性インフルエンザと同じ位置づけに引き下げることについて「現時点では現実的でない」とし、政策の整合性が取れていない。また、規制緩和で入国者が増えると、海外でほぼ撤廃されているマスク着用の問題も浮上する可能性がある。入国者数の上限撤廃は「新型コロナの感染法上の位置づけの引き下げとセットで行うべき」という専門家の声も挙がっている。
また、インバウンドに対して、サービス業界の人手が不足している問題がある。
日銀短観(6月調査)では宿泊・飲食業の雇用人員判断DIが、マイナス34と大幅なマイナス圏で推移している。
既に人手不足が示されていることから、インバウンドの本格再開前に労働者を確保することが課題だ。
これら業種が雇用を促進することで、日本の労働需給が引き締まり、賃金が上がることが期待される。
