ジャニー喜多川氏による性的被害疑惑!今度こそ大手メディアは取り上げるのか?

日本外国特派員協会にて記者会見

多くの人気男性アイドルを輩出してきたジャニーズ事務所。

創業者の故ジャニー喜多川氏(2019年死去)から性被害を受けたと告白し、2023年4月12日に東京都丸の内の日本外国特派員協会にて記者会見を行ったカウアン・オカモトさん。

オカモトさんは以前ジャニーズJr.のメンバーで、現在はミュージシャンとして活動している。

オカモトさんがジャニーズ事務所に入所したのは2012年。

このとき15歳だったオカモトさんは、2016年まで事務所に在籍していた。

オカモトさんによると、入所した翌月にジャニー氏から初めての性的行為を受け、対処するまでに15〜20回ほど繰り返されたという。

ジャニー氏の性的加害に関する噂は、以前から何度も報じられてきた。

光GENJIが大ヒットを連発していた1988年には、元フォーリーブスの北公次氏による『光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記 』というタイトルの暴露本が出版され、ジャニー氏による性被害の様子が綴られている。

当時、この本はベストセラーとなり、シリーズ化されて何冊も出版された。

その後もジャニーズ事務所の元所属タレントによる暴露本が、続々と出版されている。

1989年には、ジャニーズの元メンバー中谷良著『ジャニーズの逆襲』。

1996年には元ジャニーズJr.の平本淳也著『ジャニーズのすべてー少年愛の館』。

1997年には、70年代にジャニーズ事務所に所属していた豊川誕(じょう)著『ひとりぼっちの旅立ちー元ジャニーズ・アイドル 豊川誕半世紀』、

翌1997年は元光GENJI候補生だった木山将吾著『SMAPへーそして、すべてのジャニーズタレントへ』が出版。

これだけの暴露本が出版されたにもかかわらず、大手メディアは大きく報じることはなかった。

その後、1999年11月〜12月にかけて、『週刊文春』が「ホモセクハラ追求キャンペーン」と題した企画で、ジャニーズ氏から性的被害を受けたという10人以上の証言を次々に掲載。

ジャニーズ事務所は出版社の文藝春秋を名誉棄損で訴えたが、東京高裁は「疑惑の重要な部分で真実である証明があった」ことを認める判決を下している。

ジャニーズ側は上告したが、2004年2月に最高裁は上告を棄却している。

しかし、このときも大手メディアが取り上げることはなかった。

大手メディアが取り上げていたら入所はなかった?

オカモトさんがジャニーズ事務所に入所したのは判決が出た後だが、入所前には判決や疑惑、噂についてオカモトさん本人も両親も全く知らなかったという。

記者会見では、NHK報道局のディレクターから

「もし大手メディアが報じていたら(事実を知っていたら)、ジャニーズ事務所に入所していなかった?」と質問し、

オカモトさんは「多分、入所しなかったのではないか」と回答。

「そのときにならないとわからない」と前置きしたうえで、「もし当時テレビが取り上げていたら大問題になるはずなので、親も行かせないと思う」と話した。

被害に遭っていた当時は家族に打ち明けられず、退所してから約3年後にやっと打ち明けたという。

オカモトさんの入所後に噂を知った家族からはジャニーズ事務所在籍中に被害に遭っていないか心配されたことがあったが、そのときは否定していた。

オカモトさんが今回の記者会見の場に日本外国特派員協会を選んだのは、

「日本のメディアは、残念ながらこの問題について極めて報じにくい状況にある」という理由がある。

「自分以外に、性的被害を受けたとはっきりわかるのは3名ほど」

「(ジャニー氏の自宅を訪れた)ほぼ全員が被害を受けたと思っている」

「(性的加害について)事務所のトップの人達に認めてほしい」などと語ったオカモトさん。

会見会場には10代以上のビデオカメラが並び、中には民放キー局のカメラもあった。

共同通信による会見の模様の速報はYahoo!ニュースのアクセスランキングで1位になり、加盟する地方紙がネットニュースとして報じた。

また、TBSラジオや文化放送でもこのニュースが放送されたほか、大手新聞社も4月13日の朝刊やネットニュースで報じ、大きな話題となっている。

朝日新聞は、オカモトさんの会見の様子だけではなく、別の男性による被害の訴えもウェブサイトで報じている。

ジャニーズ事務所のコメント全文

3月には、英BBCがジャニー氏の性的加害を取り上げるドキュメンタリー番組を制作し、世界に配信したことが話題になった。

ジャニー氏の性的加害の疑惑は何十年も前から出回っているにもかかわらず、大手メディアが放置している日本の現状に着目したことによって製作された。

番組では元ジャニーズJr.だった人や週刊文春の記事を担当した記者、当時の裁判で文春の弁護を担当した弁護士などが取材を受けて証言している。

ジャニー氏の自宅にはジャニーズ事務所所属の少年達が集まり“合宿所”と呼ばれていたが、その合宿所での様子も赤裸々に語られている。

取材したBBC記者のモビーン・アザー氏は、性的被害を受けた男性が「今でもジャニーさんが大好き」と笑って話す様子に“グルーミング”の影響だと話す。

グルーミングとは、わいせつ目的で相手を手なずける懐柔行為のこと。

アザー記者らがジャニーズ事務所にコメントを求めたところ、藤島ジュリー景子社長から

「今回、このような内容で貴社よりご取材いただいたことを大変重く受け止めております。

2019年の弊社代表の死去に伴う経営陣の変更を受けて、時代や新しい環境に即して、経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス遵守の徹底、また偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等、全社一丸となり社会から信頼いただける透明性の高い組織体制及び制度整備を一歩ずつ進めております。

具体的には、新体制が発足して最初の年明けになる2023年1月に、新体制及び新制度等の発表、施行を計画しております」との文書が届いた。

今回のオカモトさんの記者会見を受け、共同通信の取材に対しては、

「弊社としましては、2019年の前代表の死去に伴う経営陣の変更を踏まえ、時代や新しい環境に即した、社会から信頼いただける透明性の高い組織体制および制度整備を重要課題と位置づけてまいりました。

本年1月に発表させていただいておりますが、経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です」とのコメントを発表した。

再び大きな話題となっているジャニー氏の性的加害疑惑。

今度こそ大手メディアは取り上げるのか、目が離せない状況だ。

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