異例の長期契約!近藤健介選手がソフトバンクへ!
プロ野球のソフトバンクが日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使した近藤健介外野手の獲得を発表した。
契約は異例の7年もの長期で、総額約50億円。
ソフトバンクの他にもロッテ、西武、オリックスが獲得に乗り出し、日本ハムも残留を打診していたが、最終的にソフトバンクが5球団の争奪戦に競り勝った。
近藤選手は1993年生まれ。
千葉県出身の29歳。
171センチ、86キロで右投げ左打ち。
横浜高校では捕手として夏の甲子園に出場し、2011年のドラフト会議で日本ハムから4位指名を受けて入団した。
プロ入り後も捕手としてプレーしていたが、送球に難があったことや、膝を痛めた影響などで2015年頃から指名打者や外野手での出場が増えていった。
2017年には規定打席に届かなかったものの、4割1分3厘の高打率をマーク。
2019年から2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得し、18年、20年、21年はベストナインにも選ばれ、パ・リーグを代表する外野手へと成長していった。
2021年には東京オリンピックで侍ジャパンの金メダル獲得に貢献した。

2022年シーズンは5月に右脇腹を痛めた影響で一時は登録抹消されたが、最終的に99試合に出場し、打率3割2厘の成績を残した。
9月には史上314人目となる通算1000本安打、史上517人目となる通算100試合出場を達成。
7月に出場選手登録日数が9年に達し、海外FA権を獲得した。
ソフトバンクが5球団による争奪戦を制したのは、7年総額約50億円の好条件を提示したことが大きい。
交渉解禁日だった11月11日に真っ先に獲得に名乗り出た熱意も届いた。
21日には藤本博史監督に加えて長谷川勇也1軍打撃コーチも交渉の席に加わり、当初は4年総額20億円を提示していたというが、交渉を重ねる中で大幅に上積みされた。
背番号は「3」。
ソフトバンクで三冠王を獲得した松中信彦がかつて背負っていた番号であり、球団の顔とも言える背番号を用意した姿勢も近藤に響いたものと思われる。
ソフトバンクは今季、ペナントレースではオリックスに次ぐ2位。
クライマックスシリーズでもファイナルステージでオリックスに敗れ、日本シリーズ出場を逃した。
来季は3年ぶりのリーグ優勝、日本一を目指して戦う。
王座奪還に向けて、近藤の獲得に成功し、DeNAからも国内FA宣言をした嶺井博希捕手を獲得。
同一年にFA宣言した選手を2人以上獲得するのは2020年の巨人以来で、ソフトバンクとしては9年ぶり4度目。
大型補強に優勝への本気度がうかがえる。
ソフトバンクの幹部は近藤について「出塁率が高く、大事な場面でしつこくヒットを打てる、日本を代表するアベレージヒッターが加われば、相手にとっても嫌な破壊力のある打線になる」と獲得理由を語る。
近藤の最大の特徴は選球眼の良さ。
2017年は231打席で60四球を記録し、四球での出塁率が25%を超えた。
2019年、20年は三振よりも四球の方が多く、レギュラーに定着した18年以降は5年連続で出塁率4割超をマークしている。
近藤の加入によってソフトバンクの打線に粘り強さがプラスされるのは間違いなさそうだ。
近藤が選球眼の良さを生かして出塁が増えれば、柳田悠岐の打力による得点も増えるだろう。
通算出塁率が4割1分3厘の近藤の補強は、今のソフトバンクにいないタイプの選手をうまく補強したと言える。
守備面では柳田が右翼、牧原大成が中堅につくことが予想され、近藤は左翼が候補となる。
近藤の打順について藤本監督は「出塁率が通算4割を超えている。やっぱり1番。1から5番まで打てる」と考えているようだ。
ソフトバンクは、ロッテを自由契約となったオスナ投手、阪神を退団したガンケル投手も獲得する方針。
本気の4大補強で3年ぶりの日本一を狙う。
