宮崎駿監督の新作長編映画『君たちはどう生きるか』が2023年夏に公開決定!

『風立ちぬ』以来10年ぶりの新作長編映画

スタジオジブリの宮崎駿監督10年ぶりの新作長編映画が、来年の夏に公開されることがわかった。

12月13日に東宝が会見を開き、2023年の新作映画ラインアップを公表し、宮崎監督の新作『君たちはどう生きるか』を2023年7月14日に公開することを発表。

2013年7月20日に公開され、興行収入120億2000万円を記録した前作『風立ちぬ』以来、ちょうど10年ぶりの新作になる。

『風立ちぬ』が公開後の2013年9月6日に宮崎監督は都内で会見を開き、長編映画製作からの引退を発表していた。

しかし、宮崎監督は引退宣言から3年後の2016年7月に、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに企画書を渡し、新作長編映画の準備に入っていた。

2017年2月23日に鈴木プロデューサーがこの事実を明かし、事実上の引退撤回を示唆。

さらに、同年10月に『君たちはどう生きるか』というタイトルも判明し、ファンは新作の公開を、首を長くして待っていたが、遂に公開日が発表になった。

今回の新作映画で、宮崎監督は監督のみならず原作と脚本も務めている。

少年時代に読み感銘を受けた吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』にインスパイアされた内容で、小説と同タイトルだがオリジナルストーリーになるという。

スタジオジブリは2017年に新作映画の準備中との情報が流れた時点で、吉野源三郎の小説からタイトルを取ったこと、小説が映画の主人公にとって大きな意味を持つ内容であることを発表していた。

さらに、2022年11月28日に、名古屋市で翌29日から開催された巡回展『ジブリパークとジブリ展』の開会式に出席したスタジオジブリの星野康二社長が、宮崎監督の新作の完成が間近であると語っていた。

尚、前作『風立ちぬ』はベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたほか、米アカデミー賞にノミネートされた。

2023年夏に公開決定!
2023年夏に公開決定!

ベールに包まれたストーリー

東宝の会見では、宮崎監督直筆による白と青の羽をもつ鳥のようなものが描かれたポスタービジュアルも公開された。

しかし、東宝の上田太地映画企画調整部長によると吉野源三郎の小説と同タイトルで、内容は異なるオリジナルであるということ以外ストーリーの詳細は聞かされていないという。

東宝の市川南取締役執行役員は、「製作途中のものをその都度見せていただきますが、今回は拝見せずに今日を迎えました」と明かした。

そのため詳細はあまりわからず、「5年間作り続けている超大作であるのは間違いない」と語った。

さらに、過去の宮崎作品では公開近くに完成することが多かったが、「今回は少し早く完成するのでは?」との見通しを示した。

映画の内容について「吉野源三郎の小説が映画の重要なカギになるのではないか?」との質問に対し、市川氏は「吉野さんの小説は原作ではないので、何らかの形で出てくるのか? 内容を聞かされていないので、今後のお楽しみ」と述べた。

そして、鈴木プロデューサーから聞いた話を基に、「80歳を超えている宮崎監督ですが、若々しいファンタジー作品になるのではないか」と予想していることを話した。

宮崎作品が不在だった10年の間に、『君の名は』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』などメガヒットしたアニメ作品が多数出ている。

それだけに、日本国内のみならず世界中から注目を集める宮崎作品への期待は大きく、夏休みに公開されることに関しても、市川氏は「期待の表れ」だと話す。

「興行収入を少しでも上げられるように、老若男女問わずあらゆる世代に向け、配給活動をしていきたい」と力強く語った。

「80歳を超えている宮崎監督ですが、若々しいファンタジー作品になるのではないか」
「80歳を超えている宮崎監督ですが、若々しいファンタジー作品になるのではないか」

『君たちはどう生きるか』がトレンド1位を獲得

宮崎監督の新作公開決定のニュースを受け、タイトルの『君たちはどう生きるか』がトレンド1位を獲得した。

前作から10年経っても、変わらぬ注目度の高さを物語っている。

同時に“引退詐欺”というワードも急上昇しているが、これは批判しているのではなく、引退撤回を喜ぶファンの気持ちの表れのようだ。

宮崎監督は『風立ちぬ』公開後に引退会見を行ったが、それ以前にも新作の発表後に引退を口にしていた過去があるため、高齢のため引退を口にしつつも創作意欲の衰えない監督の復活と新作の公開を喜ぶがあまりの表現だ。

宮崎駿監督は1941年(昭和16年)生まれで、現在81歳。

学習院大学経済学部を卒業後、東映動画に就職し、『ルパン三世』や『アルプスの少女ハイジ』などのテレビアニメの制作に携わった。

1978年、テレビアニメ『未来少年コナン』を実質的に監督として制作。

翌年、初の劇場映画『ルパン三世 カリオストロの城』を監督。

1984年には代表作『風の谷のナウシカ』を制作し、翌1985年にスタジオジブリを設立した。

以降は『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』など説明不要の大ヒット作を数々手掛けた。

特に、『もののけ姫』(1997年)と『千と千尋の神隠し』(2001年)は、当時の興行収入を更新する大ヒットを記録し、社会現象となった。

2012年には、文化功労者にも選ばれている。2001年には“三鷹の森ジブリ美術館”を開館し、館主を務めている。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。