社会・文化

岸田内閣指示率低下47%へ 内閣発足以来最低値

岸田内閣の支持率が下がり続けている。

安倍元首相の国葬や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への対応に不満が表れた結果となった。

8月末に実施された朝日新聞の全国世論調査で、岸田文雄内閣の支持率は47%(前回7月調査は57%)に下がった。

一方、不支持率は39%(同25%)と上昇し、内閣が発足されてから最高の30%を超えた。

読売新聞が今月2-4日に実施した世論調査においても、内閣支持率は8月調査より1ポイント低下し50%だった。

不支持率は同7ポイント上昇した41%で、初めて4割を超えた。

岸田内閣指示率低下

安倍元首相の国葬「賛成」4割「反対」5割

8月27、28日に実施された朝日新聞による全国世論調査(電話)では、9月27日に実施される安倍晋三元首相の国葬について、「賛成」は41%に対し、「反対」は50%と上回った。

年代別でも違いがあり、18~29歳は6割対3割と賛成が倍以上だったことに対し、60代以上では逆に3割対6割と反対が倍になる結果だった。

「国葬に反対」と答えた人の内閣支持率は29%で、それに対し不支持率は60%にも上った。

これは国葬への対応が支持率低下に影響したと言える。

国葬に関しては、8月26日、国費から2億5000万円の支出を閣議決定している。

しかし、これには、各メディアが伝えてきたとおり、海外要人の警護や警備にかかる費用、宿泊や飲食といった接遇に関する費用は含まれていない。

9月27日に行われる安倍元首相の国葬には、アメリカからハリス副大統領、オバマ元大統領、インドからモディ首相、ドイツからメルケル前首相らの参列が確実と言われている。

海外の要人はVIPで、飛行機はファーストクラス、宿泊先も一流ホテルでスイートルームが用意される。

過去の例より、「即位の礼」でVIPの滞在関係費に50億円が支出されたが、安倍元首相の国葬でも、海外の要人の滞在関係費を全て日本側が持つとすれば、それに近い経費が飛んでいくことになるだろう。

今後、費用の概算と財源は明らかにすべきだ。

「賛成」4割「反対」5割

旧統一教会問題への対応「評価しない」65%

政治家と宗教団体の「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」を巡る問題への岸田首相の対応も支持率低下に繋がった。

この問題に対して「評価する」は21%で、「評価しない」は3倍を超える65%という結果になった。

「評価しない」人の不支持率は53%で、これも支持率低下に繋がる結果とった。

今回の世論調査で、「政治家は旧統一教会との関係を断ち切るべきかどうか」を尋ねたことについて、「断ち切るべきだ」は82%で、「その必要はない」の12%を大きく引き離した。

次に「自民党の政治家が、旧統一教会との関係を断ち切れると思うかどうか」との質問には、「断ち切れる」は16%にとどまり、「断ち切れない」は76%と大差になった。

これまでの対応が、国民に見透かされているようだ。

政府のコロナ対応「評価しない」49%

今回「評価する」は45%(前回7月調査は57%)で、「評価しない」は49%(同34%)と上回った。

「評価しない」は過去最高の数値で、「評価しない」が「評価する」を初めて上回る結果となった。

コロナの対応に不満を抱く人たちの内閣に対する批判は強く、「評価しない」人の内に占める内閣支持率は30%で、不支持率は倍近い58%にのぼった。

内閣支持率の動向は、政府のコロナ対応評価と連動していると思われてきたが、今回もその通りの結果になった。

評価しない

岸田総理が挑んだ異例の会見

新型コロナウイルス感染の療養から復帰し、8月31日に行われた岸田総理の会見はどのようなものだったのか。

安倍元総理の国葬や旧統一教会の問題で逆風が吹く中、会見を行ったその背景には支持率低下に対する危機感があった。

会見が行われたのが午前11時という珍しい時間帯だったことから、かなり危機感をにじませる会見だったと言える。

岸田総理が最も伝えたかったのは2つだ。

一つは安倍元総理の国葬の件で、もう一つは国葬ともかかわってくる、旧統一教会と自民党所属議員の関係性の説明である。

旧統一教会について、岸田総理は自民党総裁として陳謝した。「党総裁として率直にお詫びする」と述べ、今後は関係を断つ考えを示した。

根本的な原因として、安倍元総理と旧統一教会との間にどういった関係性があったのかという部分が中々はっきりしない。

「安倍元総理がどのような関係性を持っておられたのか、このことについてはご本人が亡くなられたいま、十分に把握することについては限界があるのではないか」と述べた。本人から証言を得られないと、会見で限界を認めることなり、モヤモヤ感が残る結果となった。

そして、安倍元首相の国葬については、「国葬にかかる費用の全体像については、できるだけ早く示すよう努力する」とだけにとどまった。

国葬にした経緯や総費用に関しては、詳しい説明はないままで、世論の不満が払拭できない状態に終わった。

岸田総理としては、国会で説明をするなどで、世論の理解を得ようという戦略だろう。

安倍元総理の国葬まで1か月近くある。

岸田内閣が逆風を好転させるようなことは難しいのが現状だ。これから1か月、どのような説明があるのか注目である。

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