古橋がスコットランド年間最優秀選手に 俊輔氏以来
サッカーのスコティッシュプレミアシップのセルティックに所属するFW古橋享悟がスコットランドPFAの年間最優秀選手に選ばれた。
古橋は5月13日までの公式戦で30ゴールを決めて、セルティックのリーグ2連覇にも貢献。
スコットランドで年間最優秀選手賞を日本人選手が受賞するのは、2007年に同じくセルティックに所属していた元日本代表の中村俊輔氏以来、2人目となった。

今季の公式戦30ゴール
古橋は現地時間5月7日に行われたハーツ戦、後半22分にペナルティーエリア右に抜け出したMF旗手怜央の折り返しをニアポストで相手GKの寸前で左足で合わせる技ありのゴール。
この得点で今季のセルティックでの公式戦30得点を達成。
セルティックが2-0で勝利し、2年連続53度目の優勝を果たした。
古橋は2021年夏にセルティックに加入し、ハーツ戦でのゴールでセルティックでの通算50得点も達成した。
今季のプレミアシップではここまで33試合に出場し、24得点を決めている。
2022年8月28日のダンディー・ユナイテッド戦のハットトリックや、4試合連続ゴールを二度記録するなど、コンスタントに得点を重ねてきた。

大学まで無名からイニエスタとプレーし自信に
大学までは無名だった古橋がスコットランドの最優秀選手にまで上り詰めた。
大阪の興国高校のサッカー部出身。
今でこそ興国高校は全国高校サッカー選手権の常連校となったが、古橋が所属していた当時は全国選手権には出られず、古橋は中央大学に進学した。
興国高校の同学年にはフランス1部モナコの南野拓実がいた。
南野は当時セレッソ大阪のユースに所属していて、高校時代にJリーグデビューを果たしていた。
一方の古橋は中央大で全日本大学選抜にも選ばれるプレーを見せていたが、Jリーグのクラブからなかなか声がかからなかった。
古橋は複数のクラブの練習に参加。
一時はプロに進む道を諦めかけたというが、最終的にFC岐阜からオファーを受け、2017年からFC岐阜でJ2からプロのキャリアをスタートさせた。
プロに入ると才能が開花した。
もともとDFラインの背後への動き出しの良さとスピードが抜群で、シュートテクニックも高い。
その能力を生かしてJ2で得点を重ねた。
2018年には26試合で11ゴール。
この活躍がヴィッセル神戸の目に留まり、神戸からオファーを受けて移籍した。
神戸でも2018年夏からの半年で13試合で5ゴールを記録。
同時期にバルセロナから神戸にやってきたアンドレス・イニエスタとのホットラインが構築されていった。
古橋の動き出しに合わせて、イニエスタが魔法のようなパスを通す。
J1で2019年は31試合10ゴール、2020年は30試合12ゴールと二桁ゴールを達成。
2021年は21試合で15ゴールを決めて海外移籍をつかみ取った。
PFA年間最優秀選手にノミネートされ、最近連絡を取っているかなどイニエスタとの関係性を現地メディアに尋ねられた古橋は
「深い話をしたことはないですが、時々『調子はどうだ』と聞かれます。
彼と一緒にプレーしたことで、ここに来る自信がつきました。
だから、プレーする準備はできていました。
僕が結果を出したことで、彼も喜んでくれているはずです」と答えている。

6月の日本代表戦で代表復帰なるか
2022年のカタールワールドカップには日本代表入りが有力視されていたが、メンバーから落選した。
次回の2026年大会に向けてスコットランドで活躍を続ければ、再び代表に選ばれる可能性はある。
古橋は今季の公式戦30得点について「間違いなくもっと取れた。サッカー選手として、また人間として、常に向上したいと思っています」と語る。
6月の代表ウィークの試合に古橋が選ばれるか注目される。
