いくつになっても自分の足で歩けるように 足腰の鍛え方について
目次
「最近、足腰が弱くなって・・・」と思うことはありませんか?
人は、高齢になるほど体力が低下しやすくなり、対策をしなければ介護が必要な状態に移行する可能性があります。
歳をとっても体は若々しく
日本では、少子高齢化が進んでいます。
そんな中、健康寿命の延伸を目的とした「国をあげての取り組み」が行われています。
取り組みの中で特に「高齢者の栄養と体力に関係の深いサルコペニアとフレイル」の予防が重要です。
サルコペニアとフレイル
サルコペニアとは、ギリシャ語で筋肉を意味するsarx(サルコ)、喪失を意味するpenia(ペニア)を合わせた言葉で「加齢に伴い身体の筋肉量が減少して筋力や身体機能が低下している状態」を指します。
また、サルコペニアは転倒や骨折、さらには寝たきりなどの原因などにもなるため、死のリスクを伴うものとして、最近になってメディアなどでも取り上げられるようになってきました。
フレイルは、「介護が必要となる前の段階」のことを指す言葉で、筋力だけでなく、バランスや運動処理能力、さらには認知機能や疲労感などといった、多岐にわたる体の衰えや虚弱の状態を表します。
サルコペニアとフレイルの原因は、いずれも加齢や栄養不足、身体活動量の低下などが挙げられ、さらにはサルコペニアはフレイルに繋がり、フレイルになるとさらにサルコペニアが進むなど、この二つの状態はお互いに関連し合い悪循環となることもあります。
すなわち、高齢者の元気な身体をつくるには、「栄養と運動」がきわめて重要な要素となるわけです。
適切な栄養を摂り、日常の運動を心がけることで、筋肉の量や力の維持に大きな効果をもたらします。
肉や魚、豆類や乳製品などのタンパク質、野菜や果物などのビタミン類を日頃からしっかり採り、適度な運動を行うことを心がけることが重要です。
毎日少しづつ続けられるような強さの運動で構いませんが、レジスタンス運動といわれる「筋肉に負荷をかけて行う運動」が効果的です。
毎日の運動習慣でサルコペニアを予防
サルコペニアを予防する運動をあげると、主に2つあります。
まずはスクワットで、太ももやお尻を鍛える効果が期待でき、慣れないうちは転倒しないように椅子や机を支えとして、手を添えて行いましょう。
背筋を伸ばし、腰をゆっくり下に落とし、深呼吸をするペースで膝の曲げ伸ばしを5~6回繰り返します。
動きは単純でも、ゆっくりと運動を行うことで適度な負荷を身体にかけることができ、この動きを1日3回を目安に行うとよいでしょう。
そして、二つ目はバランス能力をつけるのに適した運動の片足立ちで、スクワットと同様に転倒防止のため椅子や机などにつかまって行いましょう。
片方の手を支えとなるものに添え、片足を床から離し1分間片方の足でバランスを保ちます。
片方の足だけでバランスを取ろうとすることで体幹も鍛えることができ、身体の中心がしっかりしてきます。
これを左右それぞれの足で1分間ずつ、1日3回程度を目安い行います。
サルコペニア予防の習慣が、いざという時に始めようとしても、中々身に付きません。
高齢者となる前の青年期、中年期から始めて習慣にしておくと、高齢になった時の筋肉を維持できます。
今が人生で一番若い日です。
今から、少しずつ、ちょっとしたすきま時間を活用して、未来の自分に投資していきましょう。
下半身の筋肉を鍛えるメリット
基礎代謝の向上
基礎代謝のおよそ40%は筋肉運動で消費しているエネルギーなため、筋肉量が増えれば増えるほど向上する傾向にあります。
この基礎代謝を底上げすれば、痩せやすく太りにくい体に。
「体重を落としたい!」「痩せたい。」という男性は、まず痩せやすい体を作ることから始めるのが吉。
トレーニングの質を上げる
「デッドリフト」や「ベントオーバーローイング」といったバーベルを使う筋トレ種目では、足腰の強さが非常に重要になります。
どんなにきつい筋トレも、正しい姿勢をキープできなければ効果は期待できません。
効率よく筋トレを行うために、下半身トレーニングも抜け目なく行っていきましょう。
瞬発性が高くなる
下半身の筋肉は全体の筋肉量が多いため、瞬発的に使われる筋肉(速筋)も自然と多くなります。
速筋とは瞬発的に使われる強い力を持った筋線維のこと。
人によって多かったり少なかったりと上下しますが、鍛えることで従来の自分よりも素早く動ける体に仕上がります。
バレーボールや野球、バドミントン、卓球など瞬発性がモノを言うスポーツに取り組んでいる男性は、下半身トレーニングに取り組みましょう。
補足としてジャンプ力の強さは、「下半身の中でも腓腹筋と大腿四頭筋が大きな役割を担っている」ということも覚えておくといいかも。