ロスジェネ非正規単身女性、貯金10万円未満3人に1人で通院も断念

ロスジェネ世代の単身女性を対象とした最新の調査、報告書によると行政の支援も長らく受けることができず、2人に1人の年収は200万円未満であり、貯蓄額は10万円未満の人が最も多いことが分かった。


さらには収入の低さから病院にも行けず、苦しい生活を送ってきた。

この調査を行ったのは2021年3月、横浜市の委託を受けたという「交易財団法人横浜市男女共同参画推進協会」。


正規、非正規雇用の双方を対象に行われ、収入および貯蓄に大きな差が出た。

年収200万未満が43.9%と半数近くあった非正規雇用の人たちに対し、正規雇用の人はわずか3.2%だった。


さらに非正規雇用の8割が300万円未満であると答えている。

そして、貯金額に関しては非正規の10万円未満がほぼ3人に1人の30.5%で最多で、雇用形態ではパート・アルバイトの割合が高く、46.2%であった。


一方で正規の貯金額で最も多かったのが「1500万円以上」で26.4%と老後の備えという面で非正規雇用の女性たちが大きなリスクを抱えていることが裏付けられる形になった。

収入の低さは健康面にも影響し、過去1年の間で不調を感じたにも関わらず非正規38人のうち、半数の19人が「金銭的理由」で医療機関を受診していなかった。


報告書内では経済的理由で適切な医療にかかれないことは将来の健康リスクを高めることにつながるとしている。

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また、別の調査で首都圏在住の34~49歳の働く単身女性300人のうち非正規141人、正規159人を対象に仕事に関する悩み、不安を聞いてみたところ、非正規の53.2%が「収入が少ない」、39%が「雇用継続の不安」を挙げた。


これらがロスジェネ世代の非正規単身女性が抱える将来への大きな不安要素になっている。

実際に、「収入が少ないので将来に不安がある」「40代、50代で雇い止めになるのではないか」など収入や雇用継続の不安の声が目立つ。


「非正規の立場が弱く、いくら仕事ができても、正社員の方が評価される風習がある」などもあった。

また、非正規で働き続ける理由については「正社員として働ける仕事がない」が39%で最も多く、中には正規だった時期もあったが、企業のブラック体質やパワハラなどで辞めざるを得なかったという人も少なくないという。


非正規であることは低収入と雇用継続への不安がつきまとい、年齢を重ねるごとに「50歳になるまでに正規雇用に」と追い詰められている人は多い。

ロスジェネ世代の老後への不安

低収入と雇用継続の不安

30~40代で特にロスジェネ世代にあたる単身女性は将来に対し大きな不安を抱えている。


というのも男性に比べ、派遣や契約社員などの不安定雇用率が高く、老後を支える年金や貯蓄、家族の支えも脆弱なケースが多い。


そんな彼女たちにはこれから超高齢化していく社会において「老後レス」の不安が高まっていく。

1990年代後半から2000年代半ばの就職氷河期に社会出たロスジェネ世代で現在、未婚の43歳である女性は先月9月9日の朝、台風15号の影響により鉄道がまひし、4時間半をかけて出勤したという。


「休みたくても皆行くし、行かないといけない。時給制ですし休むと仕事が滞り、次の日の仕事にも影響がでる」


また、仕事のメールはすぐに返信し、昼食以外では席を外すことはできず、給湯室でゆっくりお茶をすることもできないなど、常に根を詰め働いても現在の年収は280万円ほどだという彼女は、子供手当などのように、ロスジェネ手当も出してほしい、時代が悪かったというだけで見捨てられたくないという想いだった。

ロスジェネ非正規単身女性、貯金10万円未満

ロスジェネ世代への支援策

これらの状況に対して、同協会では現在、国の交付金などで当事者20人が参加する正規雇用化に向けたプログラムの開催を行っており、パソコンスキルの向上に向け、動画教材を用意したり、応募書類の書き方講座、キャリアカウンセリングなども行っているという。

プログラムを担当する方は「これまで、非正規としてしか扱われてこなかったことから、自分に自信がない人が多い」と話し、さらに、「会社内でも名前を覚えてもらえない、会社の情報が自分に共有されないなどの経験が自己肯定感をそいできた人が多い」とも語った。

プログラム内ではワークを通じ自信をつけたり、同じ立場の人と交流することで自己肯定感を高めていける環境を作っている。


自分と同じ境遇からお互いに励まし合い、学び合えることで当事者同士の輪ができることを期待しているという。

このプログラムを実施する女性方もロスジェネ世代であり、就職時になかなか内定をもらえなかった、卒業後も非正規の仕事をしてきた経験があることから「努力不足ではなく、生まれ年の不運でこうなったことも大きく、女性が不利な立場に置かれる現在の雇用慣行や不公平な社会保障制度は変えていかなければならない」としている。

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