元ソフトバンクの真砂がWBC中国代表に ミギータに警戒
元ソフトバンクの真砂勇介外野手(28)が3月に開催されるワールドベースボールクラシック(WBC)の中国代表に選ばれたことがわかった。
真砂は京都で育ったが、父が中国籍で両親のどちらかの出身国で出場できるという資格を満たした。
日本代表は中国と初戦で対戦する。

強打と俊足、強肩そろった外野手
真砂は京都府立西城陽高校出身。
強打と俊足、強肩と身体能力が高い右投げ右打ちの外野手。
高校では1年の夏からベンチ入りしたが、2年の夏、3年の夏はいずれも京都府大会のベスト8で敗れ、甲子園出場はなかった。
高校通算52本塁打の打力を期待され、2012年のドラフト会議でソフトバンクから4位で指名を受けた。
ソフトバンクでは三軍や二軍で技術を磨く日々が続いたが、2016年にはU-23(23歳以下)ワールドカップに日本代表として出場。
全9試合に出場し、4番を担い打率3割8分7厘、4本塁打、14打点の活躍をみせ、大会のMVPとベストナインに選ばれた。
2017年に一軍デビューを果たし、初安打が初本塁打となった。
2020年から守備や代走で出場機会を増やし、41試合で打率3割1分4厘。
2021年は自己最多の79試合に出場し、114打数29安打、打率は2割5分4厘の成績を残した。
185センチ、85キロの恵まれた体格。
その潜在能力の高さから、同じチームで左の主砲柳田悠岐の愛称ギータにちなんで、右のギータという意味で「ミギータ」と呼ばれていた。
しかし、2022年は思うような成績を残せず戦力外通告を受けた。
現役続行を希望して12球団合同トライアウトに参加し、NPB球団からのオファーはなかったものの、社会人野球の強豪の日立製作所から声がかかり、今シーズンは日立製作所でプレーする。
中国の4番候補 課題は言葉
真砂は中国代表では中心選手と期待され、4番の候補とみられている。
日本代表は3月9日に東京ドームで始まる1次ラウンドで中国と対戦する。
2017年の前回大会も日本と中国は対戦し、その時は日本が7-1で勝利している。
日本から見れば明らかな格下だが、中国についてはあまりデータがなく、初戦ということで栗山英樹監督も警戒している。
10シーズン日本のプロ野球を経験した真砂が中国代表に加わるのは、日本の野球の特徴を伝えるという意味でも中国にはプラスになるとみられる。
ただ、真砂は中国語はあまり話すことができないといい、コミュニケーションの部分では課題がありそうだ。

3月9日に日本対中国
真砂のように両親のどちらかの国籍でWBCに出場するのは、今回の日本代表ではメジャーリーグのセントルイス・カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手がメンバーに選ばれた。
WBCは野球人気の世界への拡大を目指して、代表選手の資格は両親の国籍や出生地でも良いなど、本人の国籍を重視するオリンピックやサッカーのワールドカップと比べると、緩い基準が設定されている。
2017年の大会では、イスラエル代表が28人のうち27人がユダヤ系アメリカ人で構成されたこともあった。
WBCは、プールBの1次ラウンドは3月9日から13日まで東京ドームで行われる。
日本代表は、9日から中国、韓国、チェコ共和国、オーストラリアとの4連戦。
1次ラウンドで2位以内に入ると、15日か16日に東京ドームで行われる準々決勝に進む。
対戦相手はプールAの台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマの通過チーム。
日本が進出した場合は16日に試合が組まれる。
準決勝からはアメリカに戦いの場を移し、19日か20日。日本時間で20日か21日の朝に行われる。
決勝は21日、日本時間の22日午前8時プレーボールの予定。
