日テレ桝太一アナが転身 「理系版の池上彰さんを目指す」と意気込む
日本テレビに所属する桝太一アナウンサーが今月23日、自身がメインキャスターを務める「真相報道バンキシャ!」の中で3月末で日本テレビを退社し、今後は研究者の道へ進むことを発表し、研究するテーマや目標についても語りました。
4月から桝アナは同志社大学ハリス理化学研究所で専任する「科学を社会に適切に伝える方法」を研究員(助教)として研究していくと述べた。
現在メインキャスターを務めている「真相報道バンキシャ!」については、そのまま出演を継続していき、研究と同時進行で番組を通し「科学を適切に伝える」ことを実践していきたいと話した。
研究者の道で「科学と社会の懸け橋に」
大学でやれることに関しては4月以降で明確になってくるが、大まかな研究テーマとしては科学を伝えるまたは社会との架け橋として「テレビの影響力や役割」、「メディア、媒体の特性を活かし方」、「人材の育成と社会への広げ方」についてと答えました。
科学の中でも自分が得意とする生き物や自然現象のような、いわゆる「楽しい科学」や現在のコロナ禍での正しい数字や知識を取り入れた実践的な「必要な科学」などを扱うとした。
また、研究者の道を選ぶきっかけや、家族の反応については、「社会と科学を繋ぐ架け橋が必要」という考え自体、高校生の頃から考えてきたことであり、その後社会人で日本テレビに入社し現場での経験を数多くしてきた中で具体的な課題や役割が見えてきて、自分がそれを担うにはアカデミアの分野に本気で取り組み、本格的にそういった環境に身を置く必要があると感じるようになったという。
そして自身の妻には早くから相談していたことを明かし、妻にはフリーでのアナウンサーになることはずっと反対されてきたとのことだが、今回は転職であること、社会に貢献しようとする意図が明確だったから、「それならばやりたいことをやっていいし、止めない」と言ってもらえたそうです。
生活面においても、共働きをしており、奥さんからは「もし今回の転職が上手くいかなかったとしても何とかするから」と言ってもらえたのは大きかったといい、今回の決断にプラスになったようです。
桝アナのキャリア
千葉県千葉市に生まれた桝太一は東京大学農学部を卒業し、東京大学院農学生命科学研究科を終了している。
大の生物好きだった桝は学生時代にはよくアナゴやアサリの研究をしており、2006年に入社した日本テレビでは当初、自然現象を相手としたレポーターを志望していたとされるが、プロレス班の配属になった。
主にスポーツの実況などで経験を積んでいった後、朝の情報番組「ZIP!」の総合司会、「全国高等学校クイズ選手権」の司会を始め、「24時間テレビ」など日本テレビを代表する番組に多く出演し、2016年には好きな男性アナウンサーランキングで5年連続の1位獲得をし、殿堂入りを果たしました。
決断と今後について
16年のアナウンサーのキャリアを歩んできた中で今回、これまでの肩書がなくなり、新たに研究者としてのキャリアを始めることに怖さや不安についてや、また今後の目標などについて以下の通り述べました。
「日本テレの局員としてもやれたが、自分に甘い僕はそういった選択をしたら、どうしてもお客さん気分が抜けずにそのまま人生が終わってしまうんじゃないかと思い、本気で取り組むには、まずは自分自身を追い込もうと思った。
0から再スタートになる部分は多いため、怖さや不安は正直あるが、日テレ時代で20代でZIP!を始めた時も同じだった。
そんな時こそ、人は大きく成長するものだと思うし、必要な不安なんだろうと自分に言い聞かせている」
「2021年4月から「真相報道バンキシャ!」のメインキャスターとして、これまで学生自体に取り組んできた生物に関する知識やそれを活かした企画など、SDGsに取り組む現場を数多く取材してきたので、これからキャスターと研究の二刀流で活動していこうと思う。
テレビ局から離れ、より俯瞰的、客観的な考え方や伝え方ができると思っているし、これまで独自の手法や解説で行ってきた、テーマの取材に関してもこれから積極的に参加していきたい。
また、最終的には視聴者の方から『桝太一が言うことなら・・・』と興味をもってもらったり、見てもらえたりとみんならか信頼されるような伝え手になりたい。
欲を言えば理系版、池上彰さんを目指していければ」と決意を語った。
ネットユーザーからの反応
これまで長年勤めていただけでなく、多くの視聴者から支持を受けていた桝アナウンサーの突然の転身報道には多くの人が驚いたことだろう。
しかし、今後の活躍を期待し、多くの方が温かいエールを送っている。
「アナウンサーでも成功している中で、びっくりしたが、それを辞めてまで自分がやりたいことをするのは素敵なこと。寂しいけど、頑張ってほしい」
「転職がうまくいかなくなっても何とかするという、奥様は素敵な方。頑張ってほしい」
「日テレを退社し、フリーアナというポジションではなく、研究者として自分が好きでやりたいことに挑戦するところは桝アナらしくて好感が持てる」
「人生は一回しかないのだから、自分がやりたいと思うことを見つけ、決断し行動できるのはとても素敵なこと」