松井秀喜氏が5月3日に始球式 高津監督と対決あるか?
プロ野球の巨人やメジャーリーグのヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(48)が5月3日のヤクルト戦(東京ドーム)で始球式を務める。
松井氏がプロ初本塁打を打った1993年5月2日のヤクルト戦から今年は30年の節目。
相手投手だった高津臣吾氏(54)は現在ヤクルトの監督として指揮しており、30年の時を経ての巡り合わせとなる。

東京D巨人戦の始球式は長嶋氏と以来10年ぶり
松井氏が東京ドームで始球式を務めるのは、2018年11月10日の日米野球第1戦以来、約5年ぶり。
巨人の公式戦では、2013年5月5日に長嶋茂雄氏と共に国民栄誉賞を授与された広島戦以来、10年ぶりとなる。
2013年の時は松井氏が55番、長嶋氏が3番のユニフォームを身にまとい東京ドームのグラウンドに登場。
長嶋氏は脳梗塞の病気の後遺症が残りながらも自らの足で歩いて打席に向かい、左手で握ったバットを構えた。
キャッチャーを務めたのは原辰徳監督。
松井氏がゆったりとしたフォームから投じたボールはやや高めに浮き、長嶋氏が振ったバットは空を切った。
松井氏はもっとストライクゾーンに投げて長嶋氏に打ってほしかった様子で頭を抱えた仕草が印象的だった。
ファンは野球界のスーパースターの恩師と教え子の共演による始球式という、贅沢な時間を堪能した。

プロ初本塁打から30年 高津監督は「抑えられた」
今回のヤクルト戦ではベンチには高津氏がいる。
1993年は星稜高校(石川)からドラフト1位で巨人に入団し、18歳だった松井氏。
1-4で3点を追う9回裏、2死一塁でカウント2ボール1ストライク。
松井氏が高津氏の内角低めの133キロを強振すると、弾丸ライナーがライトスタンド上段に突き刺さった。
ベンチでは長嶋氏が監督として見守っていた。
今は亡き野村克也監督が「まさにゴジラ打法やな。
ただ、あれは内角の球をどう打つか見てみたかったから投げさせたんや。
リードしてなきゃ投げさせんよ」と語り、松井氏を試したという逸話も残っている。
その後にクローザーとしての地位を確立していった高津氏にとっては、この日がプロ初セーブだった。
松井氏が内角を打てるのか、高津氏のストレートに18歳の高卒ルーキーがどう反応するかという狙いがあったことは後で知ったという。
直球を求める捕手の古田敦也氏のサインに何度も首を振ったがサインは変わらず、「仕方なく投げたストレートを打たれた。
変化球なら抑えられる自信があったんですけどね」と高津氏は振り返る。
あれから30年、もしかしたら当日はピッチャー松井氏とバッター高津氏の対戦がサプライズ実現することもあるかもしれない。

松井氏は野球教室で子どもに楽しさ伝える
松井氏は現在はアメリカのニューヨークを拠点にしながら、国内外で子どもたちの野球教室を開いて精力的に指導している。
NPO法人「松井55ベースボールファウンデーション」を2015年に設立。
「野球というスポーツ、そして応援してくださったファンの皆様への恩返しの一環」として、自らがボールを遠くへ飛ばす姿を見せることで、子どもたちに野球の楽しさを伝えている。
ホームページでは不定期で野球教室の参加者を抽選で募集している。
子どもの野球教室を開くかたわら、解説者も務めている松井氏。
5月3日に始球式をした後は、日本テレビで地上波で中継される放送に2019年以来、4年ぶりに解説として出演する。
WBCワールドベースボールクラシックで優勝した日本代表の巨人の岡本和真と、ヤクルトの村上宗隆の打席に注目が集まる。
2人のホームランバッターに対する松井氏の解説も興味深い。
解説陣には松井氏と共にプレーした前巨人監督の高橋由伸氏と、巨人やレッドソックスで活躍した上原浩治氏も参加する予定で、先輩後輩の和気あいあいとした解説もファンは楽しめそうだ。
