ファンはがっかり!マクドナルドがポテト販売を制限
日本マクドナルドは、全国に展開するマクドナルドの店舗で12月24日から30日の間 マックフライポテトのMサイズとLサイズの販売を休止することを12月21日発表した。
そしてその間、Sサイズだけの販売に制限することになった。
そして、Sサイズの販売はセットメニューを含むということである。
販売停止は24日に始まり、12月31日午前10時30分から今まで通りの販売を再開する予定にしている。
この制限の対象となる店舗は日本全国にある約2,900店。対象となる商品とその対応は以下のようになる。
マックフライポテトのMサイズとLサイズは販売休止し、Sサイズのみ販売。
バリューセット、バリューランチでサイドメニューをマックフライポテトで注文の場合、セット価格から50円引きとしたうえでマックフライポテトSサイズを付けて販売する。
そして夜マック®のポテナゲ大とポテナゲ特大に関しては販売を休止する予定だ。
バリューセット、バリューランチは通常時でもサイドメニューのマックフライポテトのMサイズをSに変更した場合50円引きにしているのでいつもと変わらないことになる。
また、朝マックのハッシュポテトは今回の販売停止の影響は受けず、通常通り販売する。
また、マックフライポテトMサイズとLサイズを含むデリバリーセット商品は販売を休止することになる。
今回の販売制限の理由として日本マクドナルドは、新型コロナウイルスの影響でコンテナの数が足りず世界的に物流ネットワークが混乱しているという悪影響に加え、同社はポテトを北米から船便で輸入しているが、船の経由地であるカナダのバンクーバー港近郊で大規模な洪水が発生して港に混乱が生じ、原料である加工したジャガイモの輸送に遅延が発生していることを挙げた。
同社は、これまで航空便を使うなどしてポテトの販売を継続してきたというが、最終的に販売休止にせざるを得なくなったようだ。
ちなみに、同社は2014年12月にも一度マックフライポテトの一部販売休止を行っている。
その時の理由はアメリカ西海岸で労使交渉が長期化していたことが理由だった。
さて、今回の理由の一つであるコンテナ数の不足による輸送の遅延ついてみてみよう。
新型コロナウイルスの感染が拡大で外出自粛が増え、2020年3月、4月ごろから欧米で巣ごもり需要の高まっていった。
それによって運搬する貨物が増加する一方、その作業に従事する働き手が足りないという状態に陥ったことがコンテナ不足の原因とされている。
昨年下4半期は特に北米向け航路では25%もの増加がみられた。
ところが、北米の港では港湾労働者やトラックの運転手の不足が生じ、コンテナ船が港に着いても荷下ろしがすぐにできず、荷物量の処理能力を超えるという混乱した状態が続くようになった。
このように北米でコンテナが大量に滞ってしまったため、本来なら世界中の港で使われるはずのコンテナが足りない状態になってしまったのだ。
コンテナが不足すると輸送が遅れるという問題に加えて、もう一つ、商品の値上がりするという問題も発生する。
コンテナ船の運賃は1年で3倍以上になり、過去最高水準にまで高騰してしまっている。
運賃が上がるということは、コストに反映してくるので、輸送コスト上昇分が商品に上乗せされる可能性がある、ということだ。
では、コンテナを増やすという選択はあるのか、というとこれがまた難しい話なのだ。コンテナの9割以上は中国で生産されている。
新型コロナウイルス以前は米中貿易摩擦によって輸送量が減少、コンテナ生産者は生産を大幅に減少させていた。
いまあるコンテナ不足は一時的なものかどうかの見極めが難しい中、生産者は生産を増やすことには慎重だ。
では、日本マクドナルドの言う航空便で輸送を増やすことはどうだろうか?
実は、航空貨物も新型コロナウイルスの影響で今までにない大規模な需要高になっている。
欧米から輸入される医薬品、医療機器の取り扱いが増加したことと、在宅ワークが広まってIT関連機器に必要な半導体や電子部品の輸出取り扱いも増加した。
また、航空便には貨物便とともに旅客便もつかわれるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で各航空会社は国際線を減らしているため、貨物の需要と輸送の供給のつり合いがうまくゆかない状態になっているのだ。
今回のマックフライポテト販売休止は、カナダ・バンクーバー港近郊の水害、そして世界的なコンテナ不足の影響がとうとう私たちの身の回りにまで迫ってきたことを表している。
ところで、日本マクドナルドのホームページでは、マックフライポテトがどうやって生産されているかを紹介するページがあって興味深い。
ページによると、ポテトはアメリカとカナダ産を使用しているということで、ここに写真で紹介されているのはアメリカ・ワシントン州の農場だ。広大な土地で栽培されているポテトの原料ジャガイモ。
生産者は水質や土壌をチェックし、農薬使用を最小限にとどめてその成長を細かく管理している。
そうやって管理されたもとで収穫されたジャガイモは工場に送られ、人と機械の両方による品質管理のもとポテトへと加工される。
検査を経たポテトは急速冷凍されて袋詰めされ、そしてコンテナに積まれてはるばる日本にやってくるのだった。
フライドポテトというものは毎日毎日食べるものではないが、こうやって急に販売休止といわれれば、休止期間が短いとはいえ無性に食べたくなってくる。
手に入らないのが残念にと思うようになるから、なんとも不思議なものだ。