年間視聴率トップランナー 「めざましテレビ」は今年も爆走
1月4日に2021年の全番組の年間視聴率が確定し、フジテレビ系の朝の情報番組である「めざましテレビ」第2部が2018年以来4年続いて民法同時間帯視聴率1位を獲得したことがわかった。
ビデオリサーチの調べによると、関東地区における「めざましテレビ」の番組平均個人全体視聴率は4.6%、世帯視聴率は8.3%であった。
この2021年の年間平均視聴率は、2021年1月4日から2022年1月2日までの間の視聴率のことである。
このなかで、個人全体視聴率がもっとも高かったのは2021年4月9日放送で、5.2%となった。
この日の報道内容は、新型コロナウイルス関連、競泳の池江璃花子選手の東京オリンピック代表内定のニュースと、東京の錦糸町で若い女性の注目を集めている現象などであった。世帯視聴率も9.5%とこの日が最も高かった。
フジが腹を決めて作っためざまし
「めざましテレビ」は1994年4月1日から、毎週月曜日から金曜日にかけて朝の時間に放送が始まった情報番組である。
当時同時間帯視聴率1位を走っていた日本テレビの「ズームイン!!朝!!」との差別化を軸に、子供から大人まで幅広い層をターゲットに、見るラジオ、聴くテレビというふれこみで始まった。
放送にあたって視聴者にはこの番組を目覚ましのかわりに見てほしい、と紹介していた。
1980年代、他局が次々と朝の情報番組を強化してゆくなかで、フジテレビは朝の情報番組が長く続かず、この朝の時間帯を前日のスポーツニュースやアニメの再放送、子供向け番組などを放送し続けていた。
この状況を打破するために視聴率が低迷しても最低5年は継続するという決意のもと1994年「めざましテレビ」が始まったというから、フジテレビとしては相当な覚悟だったと思われる。
視聴率争奪戦にもまれつつ
しかし放送開始当初は朝番組の先駆けである日本テレビの「ズームイン!!朝!!」や1993年に始まったNHKの「NHKニュースおはよう日本」との競り合いで苦戦を強いられ、1997年ごろまでは平均視聴率が2~3%であった。
しかし、その後視聴率は徐々に上がってゆき、2004年2月9日放送分で「めざましテレビ」第2部が初の時間帯民放1位を獲得した。
その後2005年6月、2006年7月、2009年1月、2009年10月から11か月連続で同時間帯月間視聴率1位を取り、2009年には番組放送開始後初めて第2部の年間視聴率が同時間帯1位に、そして翌年も1位を持続し、2015年まで年間視聴率首位を守った。
2011年7月18日放送分で第2部短縮版が最高平均視聴率17.2%を記録しているが、この日の放送は2011FIFA女子ワールドカップの日本対アメリカの決勝戦で日本の優勝直後であった。
他局とトップの座を取り合うことが続いたが、2018年にようやく年間民放1位に返り咲き、以来その地位を守り続け、今回の発表で4年間キープしたことになる。
2022年のめざましテレビは?
2021年4月は放送28年目に突入し、三宅正治、井上清華、生田竜聖の3人がメインキャスターにすえられた。
この年の春、小説を音楽にするユニットであるYOASOBIと組んで、テーマソングの原作となる小説を一般公募した。
応募された5,605の小説の中から千春著「めぐる。」が選ばれ、この小説からテーマソングであるYOASOBIの「もう少しだけ」が作られた。
この年12月には「めぐる。」が実写ドラマ化、井ノ原快彦が主演で10日にわたって放送され、この初めての試みが注目を集めた。
2022年の「めざましテレビ」はまだ始まったばかりだが、すでに新しい試みがみられている。
それはこの番組の人気コーナー「めざまし占い」のリニューアルだ。
5時58分からの「めざまし占いがツイッターで連載されている人気キャラ「ちいかわ」とコラボレーションして「ちいかわ占い」がスタートした。
この春からは「ちいかわ」のアニメ化が決定。番組内で毎日放送されることになる。
キャラクターの声には作者のナガノさんの希望が強く反映されているということで、動いてしゃべる「ちいかわに期待が高まっている。
「ちいかわ」は2017年ごろからイラストレーターのナガノさんがツイッターに投稿している漫画である。
2020年から単独アカウントで連載が始まった。
ちいさくてかわいいキャラクターたちの日々が描かれているが、かわいいだけではなく時にシュールという、とても不思議な漫画だ。
作者のナガノさんは当初ツイッターのアカウントで、こういうふうになって暮らしたいという説明をつけていた。
登場するキャラクターは言葉を発することがなかったため、人気もほとんど上がらなかったが、言葉を操るキャラクターのハチワレの登場によってストーリーが飛躍し人気が上昇した。
2021年には講談社から「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」と題した単行本が出されている。
一方「めざましテレビ」のもう一つの人気コーナーである「きょうのわんこ」はどっしり安定したポジションで変わらず継続されている。
2021年には放送27年を迎え、6300回以上放送されてきた。
このコーナーでは、主役の犬の動画だけではなく、犬と飼い主との日常の様子や散歩の風景を映しながら、犬と家族との出会いや関係をナレーションで紹介するものだ。
毎回違う犬と家族が登場し、約1分間で犬の持つ魅力や家族との関係をまるでドラマのように見せるところが、長い間人を魅了してきた秘密かもしれない。