加速する三笘薫 プレミアでレギュラー獲りは確実?
サッカーのイングランド・プレミアリーグが再開され、ブライトンの三笘薫は26日にあったサウサンプトン戦に左ウイングで先発フル出場した。
日本代表でのFIFAワールドカップカタール大会で「三笘の1ミリ」と称された鮮烈な印象を残し、プレミアリーグでもレギュラーポジションの確保へ好調な再スタートをきった。
チャンスはほぼ三笘から
三笘はワールドカップ後のリーグ再開初戦となったサウサンプトン戦に先発出場した。
前半3分に味方のスルーパスでディフェンスラインの背後に抜け出すと、ドリブルで1人をかわしてシュートまで持ち込む。
惜しくも相手GKに阻まれたが、ワールドカップでも見せた鋭いドリブルを開始早々に披露した。
前半35分には左サイドでボールを受けるとドリブルで持ち上がり、敵を引き付けてオーバーラップした味方にパス。
そのパスを受けた選手のクロスが相手のオウンゴールを誘発した。
前半38分、自陣深くでパスを受けた三笘は巧みに相手のプレッシャーをいなしてボールキープし、そこから味方に預けて一気に左サイドを突破。
左クロスに三笘が頭で合わせたが、ゴールの枠はとらえられなかった。
前半46分にも三笘のキープとドリブルから左サイド深くまで進入し、三笘のクロスは合わなかったもののチャンスを作った。
三笘にとってこの試合最大の決定機が訪れたのは後半16分。
右クロスに三笘がゴール前でフリーでヘディングシュートを放ったが、ゴール左に外れた。
後半17分と20分には立て続けに三笘らしいドリブルで左サイドを突破。
この試合のブライトンのほとんどのチャンスに三笘が絡み、チームの3対1の勝利に貢献した。
リーグ再開後の初戦に先発した意味は大きい。
監督も当然ワールドカップでの三笘の活躍を評価しての起用で、ワールドカップ前までは途中出場が多かった三笘の序列が上がったと言える。
サウサンプトン戦の活躍を見れば、レギュラー定着も間違いなさそうだ。

流暢な英語「頼もしい」
三笘はプレミアリーグで、試合後に記者の取材を受けるミックスゾーンでは英語で対応しているという。
そうした姿勢が世界最高峰のプレミアリーグに早く順応している要因とも言える。
ジャパンタイムズの外国人記者は三笘が英語でテレビのインタビューを受ける映像を見て、
「頼もしい。2010年代から海外挑戦した日本選手はコミュニケーションに苦労したが、新しい世代は語学の重要性を理解している」とツイートした。
三笘は筑波大学出身。
川崎フロンターレのユースに所属していた高校生の時に、トップチーム昇格も打診されたが、それを断って大学に進んだ。
三笘は「高校を卒業した時点では体も小さくて、もしプロに入ったとしても中途半端に体作りをしてしまったかもしれない。
人としても成長できていない段階でプロに入るのは怖さもあった」と振り返る。
大学でフィジカルを強化し、栄養学なども学んでサッカーに生かした。
筑波大に進むためには学力も必要で、将来の海外移籍も見据えて英語は地道に勉強してきたのだろう。
川崎フロンターレに入団した当初のプロフィールにも、これから身に着けたいこととして、「英語、話す力」と記している。

日本代表でもスタメン狙う
三笘がプレミアリーグでレギュラーを確保できれば、日本代表にも好影響があるのは確実だ。
ワールドカップでは試合途中からジョーカー的に、相手の守備網を崩す役割だったが、三笘本人も先発出場したいという思いは強く持っている。
「スタメンから出てチームを勝たせるところに持っていかないと。
90分通して脅威にならないといけない」と三笘は語る。
2023年の日本代表の初戦は3月23日の国際親善試合の予定。
三笘がプレミアリーグで、日本代表でこれからどんなプレーを見せてくれるのか、期待は高まる。
