侍ジャパンの順調なチーム作り 練習後も結束強める
3月に開催されるWBCワールドベースボールクラシックに向けて、宮崎県内で合宿中の日本代表。
エンゼルスの大谷翔平ら、メジャーリーガーが一部合流できていないが、選手たちはグラウンド内外で積極的にコミュニケーションをとって結束を強めている。
36歳で最年長のダルビッシュ有と年が離れている選手も日に日に打ち解け、仲良し同級生の姿も見られる。

佐々木と宮城は高校時代からの仲
4年前は高校日本代表で共に戦った2人がWBCの日本代表入りを果たした。
ロッテの佐々木朗希とオリックスの宮城大弥。
2001年生まれで21歳のふたりは、2019年に行われたWBSC U-18ワールドカップに出場した。
大船渡高校だった佐々木は全国選手権の岩手大会で敗退し、興南高校の宮城も沖縄大会の決勝で敗れ、甲子園出場はならなかったが、世代屈指の投手として侍ジャパンU-18日本代表に選ばれた。
その頃から仲が良くなり、プロ入り後もオフシーズンには食事をする関係。
佐々木のことを宮城は「僕はマネージャー的な存在なんです」と笑う。
マイペースな佐々木が食事の時間に遅れないように、宮城が部屋まで呼びに行って一緒に食事会場に行くなど、管理しているという。
そんな同級生がいることで宮城は「すごい先輩方ばかりなので一緒にいて安心します」と語る。
佐々木は2022年に史上最年少での完全試合を達成し、日本プロ野球記録かつ世界記録の13者連続奪三振、プロ野球タイ記録の1試合19奪三振を成し遂げた。
最速164キロの「令和の怪物」は侍ジャパンでも先発として期待される。
宮城は2022年は11勝をマークしてオリックスの26年ぶりの日本一に貢献。
最速154キロのストレートに、キレのあるスライダーや100キロに満たないスローカーブを織り交ぜるサウスポー。
コントロールが良く、侍ジャパンでは第2先発を務めるとみられている。
WBCでは右と左の同級生の投手リレーもあるかもしれない。

憧れのダルとスワンボート
宮城は宮崎合宿では休日返上で15歳年上のダルビッシュと自主練習した。
2人の関係は2019年にさかのぼる。
沖縄大会での宮城の投球を見たダルビッシュがツイッターに「興南の宮城投手いいわぁ。
投げ方、球筋、総合的に好きすぎる。
俺あんなピッチャーになりたかったわぁ」と投稿。
その後、宮城はプロとなり、今回の合宿で初めて対面することができた。
合宿前にオリックスのインスタライブに登場した際には、「ダルビッシュさんに評価していただいてドラ1になれたので、そのお礼も直接言いたい。
楽しみです。緊張してますけど」と語っていた宮城。
緊張はすぐにほぐれたようで、ダルビッシュに質問攻め。
合宿初日に佐々木と共に「ダルビッシュ塾」に入門。
変化球の握りや投げ方をじっくりと教わり、翌日のブルペンではフォークを試してみた。
休日返上の練習後にはダルビッシュと一緒にスワンボートに乗ってリフレッシュするなど、「弟キャラ」ぶりを発揮している。

5時間の熱い野球談義
ダルビッシュは野手組と食事をした様子をツイッターに投稿。
西武の山川穂高と源田壮亮、巨人の大城卓三、DeNAの牧秀吾、ソフトバンクの近藤健介と計6人で野球談義が盛り上がったという。
「昨日は山川くんに無理を言って普段なかなか話せない野手の方と食事に行ってきました。
盛り上がりすぎて5時間ぐらいご飯食べていました笑
打撃、守備の話がレベル高すぎて感動しましたし、なんならもう5時間一緒にいたかったです笑」(原文まま)
投手と野手は調整の仕方が違うので時間が合わないことが多いが、この日はうまく合わせられた模様。
雰囲気の良さが伝わってくる。
大谷や鈴木誠也、吉田正尚、ヌートバーが合流したら、野手会も開かれる予定といい、3月9日の初戦に向けてチーム作りを進めていく。
