社会・文化

『すずめの戸締まり』、中国の興行収入が日本超え!韓国では日本映画の興行収入歴代1位

中国や韓国で記録的大ヒット

2022年に公開され、大ヒットしたアニメ映画『すずめの戸締まり』が、現在アジア各国でも爆発的なヒットを記録している。

中国では公開からわずか1カ月で日本での興行収入を超え、7億5,200万元(約146億円)の興行収入となったことを中国メディアが報じた。

『すずめの戸締まり』が中国で公開されたのは3月24日。

累計観客数は、わずか1カ月足らずで2,200万人を超え、中国で公開された日本のアニメ映画の歴代記録を更新する大ヒットとなっているという。

中国の短文サイト“微博(ウェイボ)”では、上映期間の延長を希望する声や「5回見た」などの投稿が多数寄せられている。

また、韓国の映画振興委員会の総合電算ネットワークによると、4月17日までの累計観客数が469万6,848人となり、韓国興行収入ランキングの日本映画成績1位記録を更新。

2023年に韓国で公開された映画の中で最も高い興行成績となったほか、韓国で公開された日本映画の興行収入でも歴代1位の記録となった。

『すずめの戸締まり』は、『君の名は。』や『天気の子』などの大ヒット作を手掛けた新海誠監督作品。

東日本大震災を題材に、“災いの元となる扉”を閉めるために旅をする少女“鈴芽(すずめ)が、扉を探す不思議な青年“草太”と出会い、災いをもたらす扉を閉めるため日本各地の廃墟を訪ねるロードムービー的ストーリー。

鈴芽の声を担当するのは、オーディションで選ばれた原菜乃華。

草太の声をSixTONESの松村北斗が務め、日本では2022年11月11日に公開された。

「日本のアニメーションの世界興行が別のフェーズに入った」

アジア各国では日本のアニメ映画が人気を呼んでいるが、4月20日は『THE FIRST SLAM DUNK』の公開が予定されている。

前売り券の売り上げは5,000万元(約9億8,000万円)を超え、北京大学で行われた先行上映の際は、会場には約4,000人のファンが詰めかけた。

会場内には映画のキャラクターを描いた巨大な看板や特設のバスケットゴールが設置され、『SLAM DUNK』のコスプレをしている人の姿も多く見られ、かなり盛り上がっていた。

中国では1990年代に『SLAM DUNK』のテレビアニメが放送され、大ヒットして以来、多くのファンがいる。

そして、韓国で『すずめの戸締まり』が日本映画の歴代興行収入1位を更新する前に1位だったのが『THE FIRST SLAM DUNK』。

韓国では1月に公開され、累計観客数450万人に迫る大ヒットを記録していたが、短期間での記録更新となった。

ちなみに、『THE FIRST SLAM DUNK』の前に歴代1位だったのは、『すずめの戸締まり』と同じ新海監督の『君の名は。』の381万人だった。

この状況を受け、新海監督は自身のTwitterに「個人的には、日本のアニメーションの世界興行が別のフェーズに入ったと実感しています」とツイート。

『すずめの戸締まり』公開時にも韓国を訪れていた新海監督は、映画の大ヒットを受け、4月末に再び韓国を訪問する予定だ。

新海監督は韓国のファンに向けて、「いつも熱い愛情と関心を送ってくださる韓国の皆さんに心から感謝している。

また皆さんと会って映画を観た感想を分かち合う日を楽しみにしている」とのメッセージを送っている。

日本でも画集の発売や展覧会の開催が決定

中国での興行収入が日本を超えたと言っても、日本でも累計観客数は1,000万人、興行収入144.5億円を突破する大ヒットで、新海監督の前作『天気の子』の142.3億円を超え、日本の歴代興行収入ランキングで14位にランクインしているのだ。

5月1日には、『すずめの戸締まり』の美術背景を収録した『新海誠監督作品 すずめの戸締まり 美術画集』(KADOKAWA)が刊行されることが発表された。

新海監督や丹治匠美術監督へのインタビューやクリエイター達のコメントとともに、映画の中の数々の美術背景が掲載されている。

九州、四国、関西、東京、東北など鈴芽が訪れた場所の風景のほか、貴重な美術設定などの制作資料も多数収録。

208ページのオールカラーで、価格は税込3,300円。

そして、4月19日からは、松屋銀座(東京都)にて『すずめの戸締まり展』が開催され、その後札幌、大阪、金沢、福岡など全国を巡回することも決まっている。

作画や絵コンテ、美術背景など貴重な制作資料が展示されるほか、造形やグラフィックで映画の名場面を再現。

鈴芽の旅の足取りを追う形でストーリーの追体験をし、映画の世界観が堪能できる内容になっている。

会場では、さまざまなグッズ販売も行われるのも、ファンにとっては嬉しい。

中国、韓国以外にも香港、マカオ、台湾、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ベトナムなど各国で公開され、すべての国と地域でデイリーランキング1位を獲得している『すずめの戸締まり』。

いよいよ欧米でも公開が開始され、どのような反響を呼ぶのか注目が集まっている。

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