集団自決発言が批判を浴びている成田悠輔氏がMCを務める新番組スタート
4月から冠番組スタート
イェール大学助教で経済学者の成田氏は、大谷翔平選手について「これだけ完璧だと、裏側で実はすごく性格が悪いとかあってほしい」などと発言し、たびたび物議をかもしている。
SNSでは「#成田悠輔をテレビに出すな」というハッシュタグが付くほど。
その成田氏が、4月から冠番組をスタートさせる。
3月9日にテレビ朝日で『バラバラ大作戦』の4月新番組発表記者会見が行われた。
『バラバラ大作戦』は、豪華出演者と若手クリエイターがタッグを組み、平日の深夜に放送する新感覚のバラエティー。
2020年10月に放送が開始され、14番組が放送されている。
成田氏がMCを務めるのは、毎週木曜日の深夜2:47から放送される『ソレいる?六本木会議』。
テレビ離れの世代や番組の若手スタッフがワイドショーに対し、「ソレってどうなの?」と感じる疑問や不平不満を忖度なしに議論する内容。
記者会見に出席した成田氏は冠番組が決まったときのことを問われ、
「最近、朝や夜にニュース番組に出ると、“成田をテレビに出すな”というタグがトレンド入りしてしまうので、深夜に逃げ場所を作っていただいてありがたいなと思いました」と発言。
会見に同席していた真空ジェシカのガクは、
「それで言ったら僕や(相席スタートの)山添(寛)さんも同じ立場なので、そういう人達が集まって『バラバラ大作戦』ができている」と、笑いを取っていた。

繰り返される問題発言
成田氏は「高齢者は老害化する前に、集団自決すればいい」などとABEMAの番組やYouTubeなどでたびたび発言し、問題視されている。
2021年12月に放送された『ABEMA Prime』では、
「結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないか。
僕は大真面目に言っている。
やっぱり人間は引き際が重要だと思う。
別に物理的な切腹ではなくて、社会的な切腹でもいい。
過去の功績を使って居座り続ける人が多過ぎる」などと語った。
「#成田悠輔をテレビに出すな」のハッシュタグが生まれたのも、この発言がきっかけ。
東京大学名誉教授で、ベストセラー『バカの壁』(新潮新書)の著者である養老孟司氏は
「彼の発言にはいろんな背景があると思うが、その1つに“社会は順送りだから仕方ないという感覚が消えてしまっていること」と話す。
「今の若い人は、ウザくて邪魔な年寄りが大勢いるせいで、自分達の世代ばかりが損しているという感覚になっている。
しかし、実際は世代間で順送りになっている。
彼の発言は、問題にする気も起きない。
放っておけばいい」と述べた。
2020年の「このミステリーがすごい!」など3つの主要ランキングで1位を獲得した推理小説『たかが殺人じゃないか』などで知られる作家の辻真先氏は、
「彼は若いから自分は死ぬはずがないと思っているのだろうが、年寄りになっても主張が変わらなかったら、その時は自ら高齢者問題を解決してください」と語った。
「YouTubeで皆さんが気楽にお話しされていることはよいこと」としつつ、
しかし「今回に関しては『自分が高齢者になってから言え!』と思った」と怒りを露わにしている。
一方、吉本興業ホールディングスの大崎洋会長は、「『謝りなさい』と一言言いたい」と対談を申し入れた。
そして、大崎会長は3月13日に放送された『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)にゲスト出演し、成田氏との対談が実現したことを明かした。
自身の連載が掲載されている雑誌『月刊Hanada』の副編集長との雑談で成田氏について話したところ、翌日成田氏からOKの返事が届いたという。
初対面の成田氏の印象は「すごくいい人」だったそうで、「僕みたいなアホでもわかる『あ、この人天才なんやな』っていうのと、すごく気を遣う人」と語った。
「巷で言われている論破するイメージとは全然違う感じで、すごくいい奴だった」と対談の感想を述べていた。

ニューヨーク・タイムズでも報道
問題発言は日本国内にとどまらず、2023年2月12日付の米紙『ニューヨーク・タイムズ』には、「これ以上ないほど過激」だと報じられた。
記事によると、「成田氏はアメリカの学会では無名だ」とされ、「彼の極端な主張は、高齢化による経済の停滞に不満をもつ何十万もの若者のフォロワーを獲得している」と書かれている。
『ニューヨーク・タイムズ』の報道を受け、イェール大学の公式サイトでは、成田市のプロフィール欄に「大学の見解を代表するものではない」との注釈が入れられた。
また、報道以降は成田氏への英文での批判がSNSでたくさん見られる事態になっている。
渦中の成田氏が冠番組をスタートさせることになり、ネット上では「集団自決発言でこれだけ叩かれているのに、テレ朝はなぜ新番組に起用するのか理解に苦しむ」
「『バラバラ大作戦』に成田悠輔を起用するなんて最悪」など、批判や疑問の声が多く挙がっている。
