コロナ陽性を会社に報告していない人が約3割… 「手続きがめんどくさい」「有給消化は困る」といった声が
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コロナ陽性は会社への報告が義務ではないが…
今もなお猛威を振るっている新型コロナウイルス。
感染したら職場に報告するのが“当たり前”のように思っている人も多いだろう。
しかし実際は感染及び感染の疑いがある人の3割が職場に報告していない、という調査結果がでているのだ。
転職全般の調査を行っている「Job総研」で20代~50代の835人の社会人男女を対象に7月調査が実施された。
調査内容は「過去にコロナに感染した経験がある人」「感染を疑う症状あり」のひとのうち、「感染を職場へ申告しなかった」人はどのくらいいたのかというものだ。
この調査で「感染を職場へ申告しなかった」と答えた人はなんと、31.9%もいたという。
また、申告しなかった人へ「今後感染した場合には申告しますか?」という質問には94.4%が“申告する”、5.6%の人が“申告しない”と回答した。

どうして申告しなかったのか?
31.9%もの人が会社への感染を報告していなかったという実態に、驚いた人も多いのではないだろうか。
実際に申告しなった人の中で最も多かった理由が「フルリモートなので報告は不要と感じた」という内容で36.1%。
フルリモートであれば、職場の人に感染を広めてしまうリスクがないので、わざわざ報告する必要はないのではないかと感じている人が多いようだ。
次いで多かった理由が「手続き等がめんどうくさそうだから」というもので27.9%。また「休まざるを得ず業務に支障をきたすから」と答えた人も23.0%と続いた。

調査結果にSNSでは……
この調査結果にTwitter上では賛否両論の声が上がっている。
「感染しているのに出勤したってこと?自分は無症状でも周りに感染させて感染した人が重症化したらどうするんだろう…」「こうやって感染拡大しているんだろうな。ウイルスをバラまいている自覚してほしい」といった“無責任”といった意見も。
一方で「フルリモートなんだけど感染したから報告したら、本当に手続きがめんどくさかった」「職場で自宅待機者がでると、残りの少ない人数でいつも通りの業務をこなす必要があるから大変」といった声も多く見られる。
フルリモートで就業している人からは「体調不良で休むなら連絡するけど、いちいち何がどうで…って細かくいう必要はないと思う」「無症状であれば問題なく仕事できるから報告する必要ある?」という意見もあった。
感染が確定後、「治療に専念できる」「業務に支障がでない体制が整っている」のであれば、会社へ報告し支持を仰ぐひとも多くなるかもしれない。
しかしコロナにかかっただけでも心身ともに不安な状態なのに、「社会人であれば体調管理も仕事だ」「休んだ分は有給消化」と言われたり、山のような手続き書類の提出を求められたりしては会社への報告躊躇してしまうかもしれない。

感染したら有給消化になるのか?
感染したり濃厚接触者になったりした場合、会社によっては有給を使わざる負えない場合や病欠を選択させられる企業もあるようだ。
そうなっては給与が減ってしまい生活に影響が出る人もいるだろう。
実際に保育園や学校が休学になり、保護者が仕事を休まなくてはいけない。けど有給はもう残っていない…。という親御さん問題も深刻だ。
休業補償制度をしっかりと整備している企業がもっと増えれば、国民は安心してコロナに備えることができるのではないだろうか。
無申告31.9%という結果は何を示すのか?
会社にコロナ陽性を報告していないと報告した人が3割に上った今回の結果。アンケートに答えてくれたコロナ陽性を経験した方は285人。
この3割であれば約90人程度と少数に感じられるかもしれない。
しかしこれを日本全体のコロナ陽性者に当てはめた場合、恐ろしい人数になってしまうのだ。
現在のコロナ感染者は1300万人を超えた。
1300万人の3割は約390万人。
全国的にみるとこれだけの人が会社への方向をしていないということになる。
感染者にはフルリモートや就業者も含まれているが、決して軽視してはいけない調査結果といえるだろう。
コロナの終息がみえない今、やはりひとり一人の行動が感染拡大を防ぐ近道なのではないだろうか。

