【緊張】露が北方領土を「特区」に指定 日露関係さらなる悪化へ!!
ロシアのプーチン大統領は9日にロシアが不法占拠とする、北方領土を含むクリール諸島に進出する国内外企業を対象にした所得税などの各種税を原則的に20年間免除する法案に署名し、発効させた。
ロシアは北方領土を事実上の「経済特区」とし、中国や韓国などの外国企業を誘致し、実効支配を強め、日本側をけん制する狙いがあるとみられています。
日本は、同法案に対して北方領土での共同経済活動を目指すとした日露合意に反するとして抗議してきたが、ロシアはウクライナ侵攻で日本が対露制裁を発動したことに反発している。
そして、7日には自国通貨ルーブルによる外貨建て債務の返済を認める「非友好国・地域」のリストに日本を含めたことからも、ますます日露の関係は悪化してきており、今後の日露平和条約における交渉は極めて不透明な状況といえそうだ。
北方領土への特区設置案は昨年7月にロシアのミシュスチン首相が訪問先の北方領土、択捉島で表明し、プーチン氏も支持した。
ロシア政府の発表では、ロシアのトルトネフ副首相は、北方領土と千島列島(クリール諸島)に新たな特区が創設されると説明し、「この開発に参加するよう韓国を招待する」と語ったという。
他国などからの北方領土への投資が拡大していけば、領土問題の解決は一層困難になるとみられる。
対ロシア安保戦略、変更
日本政府はロシアのウクライナ侵攻を受け、対ロシアの安保戦略を大幅に転換すると、改定予定である「国家安全保障戦略」の文書でロシアを安保戦略上の「パートナー」から「国家安全保障上の課題」に変更する方針だと読売新聞で報じられた。
国家安全保障戦略は日本の外交・安全政策の基本指針文書であり、10年間の期間を念頭にした計画を記し、今年の末に最初の改定を行う予定になっている。
国家安全保障戦略が初めて策定された2013年には、当時首相だった安倍氏はロシアとの外務・防衛閣僚会議を行い、中国けん制として、関係を強めていたことで、北方領土問題の解決および経済協力についても進んでいた。
しかし今回、ロシアはウクライナ侵攻で民間人居住地を攻撃するなどして国際法上、違法な行為を繰り返している状況で、日本政府はロシアを「地域の安定を図るパートナー」としては位置づけられないとし、防衛省幹部は「現行の戦略ではロシアは友好国扱いだが、もはや甘い対応はとれない」と述べた。
かつて、ロシアがクリミア半島を合併した際、日本はロシアへ実効性のない制裁を遅れて出すなどして配慮してきたが、今回のウクライナ事態で大きく態度を変えた。
米国と欧州連合に合わせ、ロシアの銀行をSWIFT決済網から排除するなどで強力な制裁措置を相次いで出した。
北方領土問題について
北方領土問題として取りあげられる北方四島とは歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島を指します。
これらは、歴史的にも一度も外国の領土になったことがない我が国固有の領土であり、国際的取り決めからも明らかにされています。
しかし、日本国の領土であることは明らかにも関わらず、第二次世界大戦が終結に向かい、日本がポツダム宣言を受諾した直後、ソ連が北方四島に侵攻してきて、島に住んでいた日本人を強制的に追い出し現在も法的根拠なく占拠し続けている状況にあります。
これら日本国の北方四島をロシアが法的根拠なく占拠し続けていることが「北方領土問題」と呼ばれています。
北方領土問題の解決は、日露両国間の最大の懸念事項とされ、ロシアとの平和条約を締結するなど、日露間の友好関係を確立する方針で長年ロシア政府と領土返還について交渉を行っています。
返還を要求することができる根拠
日本政府は、北方四島の返還を歴史的事実と国際法上の2つの根拠に基づき要求しています。
歴史的事実
北方領土は外国からの定住や支配もなく、18世紀末から幕府の直轄地として、日本人の手によって開拓された土地であること。
そして、この事実を踏まえ、安政元年の1855年に締結された日魯通好条約においては、日露の国境を択捉島と得撫島の間に設定した。
さらには日本とロシアの国境を再編した1875年には、樺太の一部権利を譲り渡す代わりに、得撫から占守に至る18からなる島、千島列島の領土権を取得した。
国際法上における根拠
そして国際法上の根拠として、連合国は第二次大戦終了後、領土不拡大の原則を宣言しており、その後も原則は引き継がれている。
この原則から、日本国固有の領土である北方領土の放棄を求められる筋合いはなく、また、そういった法的効果を持つ国際的取り決めも存在しないとしている。
また、サンフランシスコ平和条約で日本は、千島列島の領土権を放棄しているが、北方領土には千島列島は含まれていない。
これらのことは、樺太千島交換条約だけでなく、米国政府も公で明らかにしている事実がある。