米ニューヨーク地下鉄で乱射事件、20人以上けが
犯人がようやく逮捕
12日朝、米ニューヨーク市の地下鉄で、銃乱射事件があり、10人以上が撃たれた。
ガスマスクを着けた黒人の男が発煙装置を使った上で銃を乱射し、少なくとも22人が怪我をした。
犯人は事件後に逃走し、警察が行方を追っていた。
目撃者の情報から身長約165センチ、建設作業員用のベストを着ていたということが分かっていた。
容疑者は事件から約30時間後、マンハッタンのイーストビレッジの路上で逮捕された。
NY検察当局は13日、容疑者を公共交通機関に対するテロ・攻撃の罪で訴追。
有罪判決が下れば終身刑となる可能性がある。
現在の所、14日に初めて裁判所に出廷する見込みである。

電車の中での惨劇
NY市警によると12日、地下鉄のラッシュアワーの時間帯、午前8時25分ごろ、ブルックリンの36丁目駅に車両が駅に近づくと、フード付きのスウェットシャツ、建設現場で使われる蛍光オレンジ色ベストを着た黒人の男が、突然ガスマスクを着け、バッグから取り出した発煙装置を作動させた。
車両は一瞬で煙に包まれ、視界が遮られた。
そんな中、男は銃をあたりかまわず33回乱射した。10人以上に弾が当たったという。
犯人は事件後に逃走した。
目撃者がソーシャルメディアに投降したビデオからは、乗車客はパニックに陥り、ラッシュアワーで過密状態の車両から一目散に飛び出て逃げているのがわかる。
煙が充満した駅構内や車両内では、撃たれて出血した乗客らが床に横たわっていた。
13人ほどが、煙を吸い込んだり、パニック状態で列車から逃げようとする乗客たちの中でけがを負ったりした。死者は出ていないとみられている。
現場に残されたバッグからは花火や発煙装置などが見つかった。

目撃者の情報
事件に遭遇した人々は、当時の混乱した状況を語った。
乱射事件があった車両に乗っていた女性は、「地下鉄のドアが開き、パニック状態に陥った。煙と血があり、人々は叫んでいた」と話した。
ドアが開くと同時に、煙と人が車両から流れ出たのを見たという。
クレアという女性は、発砲音の回数を数えていたが、途中で「数えられなくなった」と現地紙に語った。
この女性は、容疑者が「上の部分から火花が出ていたシリンダーのような物」を床に落とすのを見たという。
事件現場にいた高校生は「駅員が医療支援を求め叫んでいた。みんな一斉に逃げて、とにかく怖かった」と語った。
現場が朝の通勤電車ということもあって大変な混乱であった。
ここ2、3年で見たことがないほどの警察の数が動員されていた。

NY市民の声
市民からは、リモートワークが解消されつつあり、学校もオンライン授業というオプションがなくなっているので地下鉄に乗らざるを得ない、そんな状況で無差別に計画的とみられる事件が起きてしまったということで、「やっぱり地下鉄には乗りたくない、怖い」といった声が聞こえている。
さらに、新しいニューヨーク市長は警察出身ということもあって治安改善をかなり期待されていた。
市民からこのような事件が起こったことによって落胆する声も上がっている。
今回、駅の防犯カメラは機能していなかったという問題も指摘されていて、銃社会における治安対策の難しさが浮き彫りになった。
バイデン大統領の反応
事件を受け、アメリカのバイデン大統領は、「司法省やFBIはNY市警と緊密に連携している」とした上で、「我々は実行犯を見つけ出すまで諦めない」と男の逮捕に全力をあげる考えを声明した。
現場のすぐ近くには日本食材店もありますが、在ニューヨーク日本総領事館によりますと、日本人が巻き込まれたという情報はないという事であった。
市警のキーシャント・スーウェル本部長は、「現時点ではテロリズム行為としては捜査していない」と述べた。
犯人の捜索へ。
事件現場では、引っ越し用のバンの鍵が見つかった。
その車両の登録書から、フランク・R・ジェイムズ氏(62)が犯人の可能性があるとして、浮き上がった。ジェイムズ氏はその車をレンタルしていたという。
警察は事件場所近くで車を発見したが、ジェイムズ氏はいなかった。
市警刑事部門トップのジェイムズ・エシグ氏は、「ジェイムズ氏が地下鉄と何らかの関係があるか調べている」と述べた。
一方で警察は、容疑者の逮捕につながる情報に5万ドルの報奨金を設定した。
エシグ氏は、現場から拳銃1丁と、弾倉3つ、手おの、発火の恐れがあるさまざまな危険な装置を発見したと説明している。

犯人逮捕!
30時間の警察による捜索後、フランク・ジェームズ容疑者(62)は13日午後に逮捕された。マンハッタンのイーストビレッジのマクドナルド店舗にいるとの通報で警察が向かったが、男は見当たらなかった。
その後、周辺をパトロールしていた警察車両が街角で男を発見。
男は抵抗することなく、逮捕された。
ニューヨークではコロナ発生以降、犯罪率が増加傾向にあるため住人たちは心配している。
外出禁止令が解かれ、テレワークが少なくなってきている中、このような事件は生活に悪い影響を与えるだろう。
NY警察は犯罪を厳しく取り締まっていかなければならない。
