鳥取県平井知事、2歳以上の園児にマスク着用義務との発言に非難
全国知事会、鳥取県知事である平井伸治会長は3日、新型コロナウイルス対策として2歳以上の園児たちにマスク着用義務を要望した。
これを受け、ネット上では平井知事の発言に対する非難が殺到しており、
「知事も厚労省も子育てしたことはないのか、2歳や3歳がマスクを正しく着用できるはずがない」
「本当に気が狂っている」「子供に着用推奨とは正気の沙汰ではない」
「高齢者の命を守るためなら、子どもを徹底的に虐げるということか」などの声が挙がった。
平井知事「教育現場にこそ思い切った対策を」
今回の平井知事の発言については、先月30日に行われた中国5県の知事による新型コロナウイルス対策本部会議で「教育現場での思い切った対策が必要」とのコメントにも表れていた。
平井知事は会議の中、島根県の取り組みを好例に同県の新規感染者数に触れ、デルタ株の時とは違った対策を進めていくべきとの見解を示しました。
その上で、平井知事は「米子市長に、学校における強い対策を私どもから申し上げるのですが、なかなか聞き入れてもらえない」とウイルスの性質からも学校など、教育現場でこそ思い切った対策が必要であるのにと、米子市の対応に批判を述べた。
また、「市役所も今こそ勝負のかけ時であるのに、勝負をかける方向が違っているのでは」とコメント。
一方で米子市長である伊木隆司市長は取材に対し、市としては県からの指導や要請に従って動いていると述べた。
また、保健所とも連携し、感染者が確認された学校を臨時休校や学級の閉鎖についても即断してきたとし、「担当部局にも確認したが、県の指導と意見の相違は一切なく従ってきた」と述べ、知事の「市長からこちらの要請などを聞き入れてもらえない」という発言には当惑していた。
一斉休校しないことについて20年に政府からの要請で休校にしたものの、一時預かり場での3密の発生、医療や福祉に従事する市民が多くいる医学部付属病院側で医療体制を支える就労支援の側面を持つ点を指摘し、さらには感染が学校外に起因する例が少ない点も述べた。
また一方で、経済対策の重要性についても述べ、飲食や観光などのサービス業が支える市の経済構造では「コロナの収束が見えないことで、精神的なダメージを受け、これまでにない命にかかわることだ」と危機感をあらわにし、支援策を打ち出せるよう協議していくと述べた。
コロナ対策を巡り、平井知事はまん延防止等重点措置の適用申請に慎重な姿勢を示している一方で、米子市長の伊木市長は事業者への財政支援に対する適用申請について視野に入れるよう求めた。
これに対し平井知事は米子市の対応を地元の飲食店街の支援ばかりの話で、話が進まないと批判を述べた。
県が30日に発表したところによれば、県の新規感染者数はこれまでで2番目に高い175人であるとし、米子保健所管内はその7割を占めているとした。
平井知事は地域ごとの感染状況を踏まえ、小中学校を部分休校とした島根県の対応を「全国に通じる好例であり、我々も知見を共有していかなければ」と話した。
続けて「米子市の状況は悪くなっていると再三にわたり市長には警告を発してきた。思い切った措置を取るよう要請している」と述べた。
こうした中で米子市では1日に分散登校が始まったとされるが、市の教育長は知事からの要請でしたことではないとし、「我々は次の感染対策をどう取ろうかということで協議していた。分散登校も市の教育員会で決め、市長を含めた幹部の了解も得て、結論が出た後に、そういった発言があったと聞いたが直接、私はそのような声はもらっていない」とした。
米子市は引き続き、県と密に連絡を取り合いながら、息のあった対応をしていきたいとしました。
平井 伸治(ひらい しんじ)
日本の政治家であり鳥取県知事、全国知事会会長を務め、デジタル田園都市国家構想実現会議にも所属している。
1961年に東京都内で生まれた平井氏は開成中高を経て東京大学法学部へ入学し、卒業後は現総務省である自治省へ入省した。
本省以外にも兵庫県や福井県への出向、さらにはアメリカへの派遣も経験し、1999年から鳥取県庁への出向とともに鳥取県総務部長に就任した。
伊木隆司(いぎ たかし)
鳥取県米子市生まれの伊木氏は、日本の政治家であり公認会計士および税理士、また鳥取県米子市の市長を務める。
高校まで地元の米子市で過ごしたのち、高校卒業後は中央大学商学部に進んだ。
公認会計士2次試験に合格後、現EY新日本有限責任監査法人である太田昭和監査法人に入社。
2017年には米子市長選挙に自由民主党らから推薦を受け、立候補した。
山川智帆や日本共産党県委員会常任委員ら2候補を破り初当選を果たし、市長に就任した。