大谷翔平が500奪三振、100本塁打を達成 ベーブ・ルース以来
メジャーリーグでエンゼルスの大谷翔平が5月3日(日本時間4日)、敵地でのカージナルス戦に「3番・投手兼指名打者」の二刀流で先発出場。
5回を投げて自己最多タイの13奪三振で、メジャーでの通算奪三振は500を記録。
ベーブ・ルース以来となる史上2人目の「500奪三振、100本塁打」を達成した。
2本の本塁打を浴びるなど4失点で降板し、勝敗はつかなかった。

ヌートバーを3打席連続三振
1回から注目の対決が実現した。
カージナルスの1番打者で打席に入ったのはラーズ・ヌートバー。
3月にWBCワールドベースボールクラシックを日本代表として共に戦い、2009年以来、3大会ぶりの世界一を成し遂げた盟友が、投手大谷、打者ヌートバーで対峙した。
初球、155キロのストレートが外角に決まり、ヌートバーは見送る。
次のスライダーは空振り。
大谷は2球で追い込んだが、その後決め球と思われたスプリットとスライダーは少し力んだのか指に引っかかるようなボールで低めに外れ、フルカウントに。
最後はスライダーを低めに制球し、空振り三振に仕留めた。
大谷対ヌートバーの第2打席は3回。
スライダーを2球続けてヌートバーの打ち気をそらし、見送らせてストライクを取ると、143キロのスプリットでここも空振り三振に打ち取った。
3度目の対戦となった5回は、変化球主体だった第2打席から一転して大谷がストレートで押す。
155キロをファウルさせると、内寄りに156キロを投げ込む。
カウント1ボール2ストライクから高めの159キロにヌートバーのバットが空を切った。
3打席連続の空振り三振で、この日は大谷の完勝だった。
大谷は「初打席もそうですし、よく狙ったところにはいっていたと思うので、ヌートバーの打席に関しては思い通りに投球出来ていた方かなと思います」と振り返った。

ピッチコム使い投球の組み立てもクレバー
大谷は「ピッチコム」という左腕につけた電子機器を使い、捕手に自らが決めた球種のサインを送っている。
今シーズンから投手の投球間の時間が走者の有無に応じて15秒などに制限される「ピッチクロック」が導入され、サイン交換に時間を費やしていると時間オーバーしてしまう可能性もある。
大谷は球種が豊富で、捕手との意思疎通にも時間がかかるため、ピッチクロック違反を防ぐためにも大谷が球種を決めて投げている。
大谷は自身で球種を決めることで「責任感が増す」という。
スライダーでも、曲がりの大きいスイーパーと呼ばれるものや、縦の変化が大きいものなど、数種類を投げ分ける。
ヌートバーとの対戦を見ても、第1打席は色々な球種を投げたかと思えば、第2打席はスライダー主体に変え、そして第3打席は力のあるストレートで押すというように相手打者を見ながら投球の組み立てを変えている。
ヌートバーは「うまくいかなかった。
彼がこの勝負に勝ったことは明らか。
ラウンド1は彼の勝ちだ。
今晩の彼は状態がよさそうだった」と話した。

二桁勝利、二桁本塁打に続く大記録
この日の大谷は試合途中まで奪うアウトが全て三振というように、スライダーやシンカーが良いところに決まった。
昨年6月22日のロイヤルズ戦以来となるメジャーでは自己最多タイの13奪三振を達成。
通算奪三振が500に到達した。
大谷は昨シーズンはベーブ・ルースが記録した二桁勝利、二桁本塁打を104年ぶりに達成し、しかも15勝34本塁打という大記録を打ち立てた。
500奪三振、100本塁打という記録もベーブ・ルース以来でまさに生きる伝説となりつつある。
この日は被安打5、4失点でマウンドを降りたが、味方が9回にラムとトラウトの本塁打などで逆転してエンゼルスが6-4で勝利。
大谷に今季初黒星がつくことはなかった。
打っては5打数3安打1打点の活躍で、打率も3割台に戻した。
大谷は、自身の投球について「不用意にいったところでホームランを打たれた。
6、7回まではどうしても投げたかったですけど、5回までしか投げられない状況で。
奪三振よりかは、そこの方に悔しさが残るかなと」と話した。
今季は5月5日時点で投手として4勝0敗、打者では36安打7本塁打を放っている大谷。
どこまで記録を伸ばすのか、期待したい。
