大谷翔平が29号本塁打 月間14本の新記録
野球のアメリカ・メジャーリーグでエンゼルスの大谷翔平は6月29日(日本時間30日)、本拠でのホワイトソックス戦に「3番・指名打者」で出場し、9回に29号本塁打を放った。
6月の本塁打は14本となり、2007年7月に松井秀喜さんが記録し、大谷自身も2021年6月に記録していた月間13本の日本人最多本塁打記録を更新した。
月間14本はエンゼルスの球団記録も塗り替えた。

中越え134メートル弾 兜はかぶらず
大谷は第1打席はカウント1ボール2ストライクからスライダーに合わず空振り三振に倒れた。
第2打席はエンゼルスが3点を加え、なおも2死一、二塁の好機だったが、4球連続でスライダーを投げられ、これにタイミングが合わず2打席連続の空振り三振となった。
第3打席は1点を追う4回、2死二塁で一発逆転もある場面だったが、ホワイトソックスは大谷との勝負を避けて申告敬遠。
7回の第4打席は四球を選んだ。
そして、9回の第5打席。
トラウトが左前安打で出塁し、2死一塁。
カウント1-2から低めの縦スライダーを強振した。
打った瞬間に本塁打とわかる当たりはセンターの頭を越えてスタンドへ。
約134メートルの飛球を、大谷もゆっくりと歩きながら見届けた。
まだ2点を追う展開だったため、兜をかぶるセレブレーションはせず、大谷はヘルメットを外してベンチで仲間とハイタッチを交わした。
大谷の一発で追い上げムードとなったが、後続が断たれエンゼルスは7-9で敗れた。
トラウト「見たことがない瞬間を特等席で目撃」
大谷は2試合ぶりの本塁打で、エンゼルスではトラウトとプホルスを抜いて14本の月間本塁打新記録。
これまでのシーズンでも6月は好調なことが多く、ホワイトソックス戦終了時点で、打率3割9分2厘、14本塁打、28打点、出塁率は4割8分4厘。
各チームが研究して最大級の警戒をしても、抑えるのが困難なほど好調を維持している。
今季29本塁打はリーグトップで、66打点でリーグトップタイに並んだ。
大谷は構えを微修正し、スイングの軌道が良くなったことを好調の要因として挙げている。
盟友のトラウトも「今まで全く見たことがない瞬間を、特等席で目撃している。
かなりスペシャルなこと」とチームメイトでありながら、いち観客のような気持ちで大谷の活躍を見ていることを語った。
ネビン監督も「1カ月前は苦しんでいたが、自分に対する攻め方を研究して、復調した。
驚くべきことを毎日やって、本当に見ていて楽しい」と語る。
5月は内角攻めに手を焼き、ボールになる変化球を打ち損じる場面があったが、6月は内角もスタンドインさせるなどうまくさばき、変化球の見極めも良くなった。

かなりスペシャルなこと」と語った。
大谷はオールスターで二刀流あるか
ファンの間では大谷がオールスターのホームランダービーに出場するかどうかに注目が集まっている。
しかし、ネビン監督は「彼はもう断ったと思う。
わからないけれども」と、大谷が欠場する可能性を示唆した。
「見ている分には楽しいが、選手から多くのものを奪う。
彼は体のケアをして、体調を整えると思うが、不安はある」と投打でフル稼働する大谷の体調を考慮してホームランダービーの出場を見送ってほしい気持ちを語る。
ただ、投手と打者で出場する「リアル二刀流」については容認するという。
すでにア・リーグ指名打者での先発が決まっているが、ネビン監督は「彼がやりたいならノーとは言わない」と話した。
大谷は22日に発表されたファンによる1次投票では、ア・リーグ指名打者部門で264万6307票を獲得し、リーグ最多得票だった。
投手は選手間投票などによって7月2日に発表される。
大谷は2年連続で投打の両方で選出されているが、昨年は打者のみで出場。
二刀流で出場となれば2年ぶり2度目となる。
オールスターは7月11日(日本時間12日)。
絶好調大谷の二刀流出場が期待される。
