オミクロン変異株を甘くみてはいけない!専門家が警告する「一後遺症」;一生働けなくなる不安
新型コロナウイルス変異種オミクロン株が新たに流行し、全世界に猛威を振るっている。
多くの専門家がオミクロン変異種は重症化せず、インフルエンザと同じように扱うべきで、さらには普通の風邪とみなしてもよいと主張している。
しかし一方で、新型コロナウイルスの初期症状の変化に対して懸念する専門家も多数存在し、4分の1の感染者に生涯の仕事能力に影響する恐ろしい後遺症も出ており、一般市民に予防の意識を高めるように喚起している。
イギリス、ゾエ社の新型コロナウイルス感染症研究グループはこの会社が開発した感染追跡応用プログラム「ゾエ新型コロナウイルス症状研究」(ZOE COVID Symptom Study)を利用し、オミクロン変異株の5大症状である鼻水、頭痛、疲労感、くしゃみなどの普通の風邪と似たような症状のほかに、他に4人に1人に「ブレインフォグ(Brain Fog)」(脳の霧)と呼ばれる症状がみられたという研究結果をまとめた。
この研究結果は専門家の間で注目されている。
研究によると「ブレインフォグ」に見られる症状として、以下が指摘されている。
すなわち、記憶障害、思考力の低下、注意力の低下、めまい、日常的な語彙の物忘れなど、認知症のような困った特徴だという。
さらに、感染後に回復した人の中で、ブレインフォグが仕事の能力と日常動作の能力に損害を与えているという人が増えており、恐れられる認知症がブレインフォグから始まるとも言われている。
ノースウェスタン大学の調査によると、新型コロナ軽症感染者の81%に感染後この症状がみられたという。
科学者たちはブレインフォグを引き起こす原因が確かでないことから、有力な理論として、ウイルスに対抗する人体の免疫システムが反応を停止できなくなる、または大脳の欠陥に炎症が起こることでこの症状が出るのではないかとみている。
日本の岐阜大学脳神経内科学の下畑亨良教授はこのデータに対し、ブレインフォグは以前は主に後遺症としてみられたものだったが、ゾエ社のデータ結果では現在は「急性期」(感染し始めの期間)に4分の1の人にブレインフォグがみられる、と語った。
下畑教授はブレインフォグ増加の原因として3つの可能性を指摘している。
一つ目は、デルタ変異株等に感染した際には発熱、呼吸困難などの症状が比較的重くオミクロン変異株では症状が軽いことから、ブレインフォグの症状が見つけやすいことである。
二つ目に、今まではブレインフォグについてほとんど知られていなかったが、マスコミが広く報道したことでさらに多くの人がこの症状を認識するようになったことである。
そして三つ目はオミクロン変異株が脳に障害を与えていることである。
その他の研究によると、過去の数種の変異株に感染した人のなかで、症状に頭痛がみられたのは10%であったが、オミクロン変異株の出現によってその数は68%に急増したという。
疲労感とブレインフォグなどの症状が出た比率も大幅に増加して過去の変異株の特徴と大きな差が出ており、オミクロン変異株が本当に脳に影響を与える可能性があると専門家は危惧している。
下畑教授は、人々がこの新型変異株をまだ理解しておらず、オミクロン変異株の症状が重症化しないからと決して軽視せず、予防を重視しワクチン接種を行うことを求めている。