東京・東北電力管内に電力需給ひっ迫警報 政府は節電呼びかけ
目次
政府は22日の電力需給が極めて厳しい状況だとして、東京電力の管内に加えて東北電力の管内にも初めてとなる「電力需給ひっ迫警報」を出しました。
家庭や企業にできるかぎりの節電に協力するよう呼びかけています。
関東地方では22日、低気圧と寒気の影響で気温が下がり、暖房などの電力需要が増えています。
一方、今月16日の地震の影響で、東京電力管内に電力を送る、福島県にある
・広野火力発電所6号機
・相馬共同火力発電の新地火力発電所の1号機は今も運転停止の状態が続いています。
このため政府は21日夜、電力供給の余力が低く、供給力を確保できなければ大規模な停電につながるおそれもあるとして初めて「電力需給ひっ迫警報」を出しました。
東京電力管内 午後1時台で106%
東京電力によりますと管内の電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は午後1時台の実績で106%となりました。
データの上では電力の需要実績が供給力を上回っている状況です。
東京電力は電力のひっ迫度合いを4段階に分けていて、使用率が97%以上となると一番上の「非常に厳しい」に分類しています。
東北電力管内 午後1時台で99%
東北電力ネットワークによりますと、東北6県と新潟を対象とした管内の電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は、午後1時台の実績で99%となりました。
東北電力は、東北6県と新潟県を対象に、日常生活に支障のない範囲で照明やその他の電気機器の使用を控えるなど節電への協力を呼びかけています。
節電 具体的な対策は
政府は節電の具体的な対策としては
・家庭や職場などで不要な電気や暖房を消すこと、
・暖房の設定温度を20度にすること
・テレビを見る際には画面の明るさの設定を変えることなどを求めています。
松野官房長官「最大限の節電に協力を」
松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「先週の地震で被災した複数の火力発電所で停止が続く中、本日、東日本は悪天候で太陽光が発電せず、気温も平年より大幅に低いため、東京電力管内の電力需要は、この時期としては異例の高水準となり、電力需給が極めて厳しくなる見込みだ」と述べました。
そのうえで「家庭や職場では、暖房の設定温度を20℃程度まで下げたり、使用していない照明を消したりするなど、最大限の節電にご協力をいただくようお願いする」と節電への協力を呼びかけました。
電力需給ひっ迫の原因と対応
東京電力の管内では22日の電力需給が極めて厳しい状況だとして、政府は初めて「電力需給ひっ迫警報」を出しました。
今月16日の地震の影響で発電所の復旧が進まない中、22日は気温が下がり、電力の需要が増える可能性があるためで、政府は東京電力管内の1都8県の家庭や企業にできるかぎりの節電に協力するよう呼びかけています。
電力需給がひっ迫する状況となっている理由や、停電を防ぐためにどのような対応が求められているのか。
Q.なぜ、このような電力需給ひっ迫の状況が起きたのでしょうか?
A.3つの要因が重なりました。
(1)1つは地震による火力発電所の稼働停止
(2)予想外の寒さ
(3)そして、国も電力会社もこの冬は電力需給が厳しくなることに警戒態勢をとっていましたが、2月末で対応の一部を解除していたことです。
まず、(1)の火力発電の稼働停止についてですが、震度6強を観測した今月16日の地震の影響で、東京電力管内に電気を送る福島県にある広野火力発電所6号機、新地火力発電所の1号機の、合わせて2か所がいまも止まっています。そして、22日は雨が降り太陽光発電による電力も期待できません。
そして、(2)この寒さ。
まるで冬に逆戻りしたような寒さで、暖房の需要が東京電力の需要見通しを大きく越えてしまいそうなんです。
また(3)について、この冬は全国の電力需給の見通しが過去10年で最も厳しくなるとして、国も電力会社も警戒態勢をとっていました。
このうち、停止していた古い火力発電所を臨時で稼働させる措置は、3月になると暖かくなることから2月末で解除していたため、これでますます余力がなくなってしまったという状況です。
Q.「ひっ迫警報」でできる限りの節電ということですが、節電できないとどういう状況になりますか?
A.家庭や企業の間で節電が進まなければ、需要が供給力を大幅に上回ってしまい、最悪の場合、大規模な停電につながるおそれもあります。
Q.停電を防ぐために何ができるのでしょうか?
A.政府は午前8時から午後11時までの間、東京電力管内の家庭や企業に対して、10%程度の節電を要請しています。
停電を防ぐため節電への協力が不可欠な状況となっています。