仏独伊首脳がキーウ訪問 ゼレンスキー大統領と会談
対ロシアとの姿勢を協議
16日、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相が、ウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と今後のロシアへの対策について協議した。
2月のロシアによる侵攻開始後、西欧3首脳のウクライナ訪問は初めてである。
会談にはルーマニアのヨハニス大統領も出席し、5か国での会談となった。今回の訪問には、対ロシアとの姿勢をめぐってウクライナとの間に生まれた亀裂を修復したい意図があるとされる。
マクロン氏らは、ウクライナが求める兵器の追加支援を進める方針を明らかにした。

EU加盟候補国認定を支持 歴史的な会見
ゼレンスキー氏は会談後の共同記者会見で、ヨーロッパ主要3カ国首脳の訪問について「歴史的な価値がある」と歓迎し、「ウクライナを再建するために私たちがしなければならない事について協議した」と述べた。
これを受け、フランス・マクロン大統領は「戦争に勝利するまでEUはあなたたちの味方だ」と表明し、「我々4人はウクライナを『加盟候補国』として即時に認可できるようにする」とアピールした。
またゼレンスキー氏は「これまでEUからの支援に感謝している」と謝意を述べた上で、「強力な武器があれば、早く国民と国土を戦争から解放できる。最新のロケットランチャーや対ミサイル防衛システムなどの提供を期待している」と追加の武器供給を呼び掛けた。
これを受け、マクロン氏は「ロシアへの追加制裁やウクライナとの経済・軍事支援を強化していく。」と応じた。
ショルツ氏も、ウクライナに対し「長期的な」軍事支援を続けていく事を発表した。EUは、ウクライナを加盟国候補として認可するかどうかを来週行われる首脳会議で議論する見通しである。
今後の加盟については、工程表をまとめる方針で一致した。
ロシアについては黒海を通じたウクライナの穀物輸出再開に向け、ロシア軍に港の封鎖解除を要求する考えを強調した。

イルピンの訪問
ゼレンスキー氏との会談の前に3首脳は、ロシア軍撤収後に多数の民間人遺体が見つかったキーウ近郊イルピンを訪れた。
マクロン氏は記者団に対し「ロシア軍によって戦争犯罪が行われた」とロシアを非難し、「ウクライナはこの戦争に勝利しなければならない」と強調した。

