食品の値上げラッシュ!9月よりチョコやポテトチップスなど2000品目以上値上げ
原材料価格の高騰や、エネルギーコスト上昇の影響が続き、「値上げラッシュ」が続いている。
9月から値上げされるのは、ポテトチップスやチョコレートなどの菓子類のほか、カレーのルーやマーガリン、冷凍パスタ、コーヒー、焼酎など、2000品目以上の値上がりが判明した。
背景にはいずれも、原材料や包装資材の価格高騰に加えて、物流コストが上昇していることなどが値上げの要因である。
民間の信用調査会社、「帝国データバンク」によると、主要飲料食品メーカーの値上げ動向をまとめた最新集計結果では、8月までに2万56品目が値上がりしたとわかった。
9月は2424品目が値上がりし、2カ月続いて2000品目以上が値上げされたことになった。
値上げの幅は平均14%である。さらに10月は6532品目が値上げされ、値上げのピークとなりそうだ。
これは原材料価格の高騰や、急激に進んだ円安によって価格が改定されたことが、値上げ率の上昇につながっている。
また、食品を扱う105社中、今年に値上げを行う企業はそのうち8割に当たる82社となり、昨年と比べて約4倍に増えた。
昨年の価格上昇は、主に食用油の価格高騰が原因であったが、実際に価格を改定した企業や食品は少なく、その影響は限定的であった。
しかし、今年は食用油や小麦などの食材が値上がりしたことだけではなく、原油高による包装資材や容器、物流費が上がったこと、円安の加速が重なった。
そのことによって、多くの品目で値上げが余儀なくされている。

値上げが最も多いのは加工食品
食品分野毎に値上げした品目をみると、最も多かったのは加工食品で8530品目である。
8月と比べると700品目以上増加しており、1万品目に迫る勢いだ。値上げ率も平均で16%に達し、今後も大幅に値上がりする食品が増える。具体的な品目を見てみよう。
調味料は4651品目となり、食用油や砂糖の価格が上がったことから、だし製品や焼肉のたれ、マヨネーズ製品など、幅広い品目で値上げされた。
酒類や飲料品は3814品目で、値上げした品目数は全ての分野で3番目となった。
10月からはビール類や清涼飲料水の値上げが行われる予定だ。
また、マーガリンやチーズなどの乳製品は700品目となり、雪印メグミルクと明治、それにJ-オイルミルズが家庭用の商品で1日の出荷分や納品分から実質値上げする。
菓子類は、江崎グリコが、チョコレート菓子や飲み物など150以上の品目で出荷価格を引き上げる。
また、カルビーは、ポテトチップスなど150以上の品目を、ロッテは、チョコレート菓子やガムなど74品目を。湖池屋は、ポテトチップスの21品目を値上げする。
コーヒーは、コーヒー豆の高騰などを受け、UCC上島珈琲が、レギュラーコーヒーなどを、ネスレ日本は、インスタントコーヒーなどで1日の出荷分や納品分から値上げする見通しだ。
来月以降も、ペットボトル飲料やビール系飲料などで各社が値上げする予定で、家計の負担は大きくなりそうである。

外食産業や食品以外にも
オリエンタルランドは、東京ディズニーランドなど運営する2つのテーマパークの売店や、レストランで販売する80のメニューを、50円から100円程度値上げする。
一方、食品以外では、ソニーグループが部分価格の高騰などで家庭用ゲーム機「プレイステーション5」を、今月15日から5500円値上げするほか、タカラトミーが、プラスチックなどの価格高騰で主力のボードゲームや鉄道模型など331品目について、1日の出荷分から希望小売価格を平均して10%程度引き上げる。

小麦価格の値上がり抑制を狙うも、断続的な値上げは来年も続く可能性
値上げラッシュが続き、機動的に値上げする企業や品目が増えている。
原材料価格高騰と円安、原油高が重なり、企業努力によって価格据え置きを守ってきた食品なども価格改定を余儀なくされ、値上げラッシュを形成することになった。
一方で、11月以降の値上げの勢いは一旦減速する気配を見せている。食料品の価格高騰対策として、政府は10月以降、輸入小麦を国内製粉会社に売り渡す価格を据え置き、パンや麺類などの値上がり抑制を狙う。
このため、値上げはいったん落ち着く可能性がある。
しかし、値上げの背景にある原材料の価格高騰や原油高、円安が続くことで、電気代や燃料費は高止まりしている状態だ。
それに加えて食用油など一部の原材料で価格が上がっているため、今後も断続的な値上げが続くだろう。

